外資セミナーコラム
外資セミナー連載コラム
外資セミナーでは、外資系戦略コンサルティングファーム、外資系金融機関(投資銀行・資産運用・ヘッジファンド・プライベートエクイティ)を経験された現役の外資系機関投資家であり、外資セミナー講師陣の方に、外資金融の最前線で、各国で勤務された経験から、資本市場、コーポレートガバナンス、経済政策、外資系でのキャリアに関しコラムを連載して頂いております。
UBS、トレーダー不正で20億ドルの損失
posted at 2011.9.16
というニュースが報道されたが、既に発表されたのでここでも書くがUBSは昨今、大削減を行っていた。中にいる私の友人は震え上がり、ヘッドハンター探して奔走するものの、せっかく紹介してあげたのにヘッドハンターに対する態度が無礼だったため彼女(女性HH)に嫌われてしまい、現在多方面にレジュメを提出している。
ヘッドハンターをキャリアのパートナーとみなさず、“所詮私はあんたの商品なんでしょ”という無礼なスタンスを押し出して、良質のヘッドハンターにめぐり合えない人も多いが、マーケットが冷え込んで困った時のみヘッドハンターに笑顔で挨拶するようでは遅い。日ごろから良質なエージェントと誠実な人間関係を築いておかなければ“いざ”という時に良い案件を優先して回してもらえないのは人間である以上、当然である。(特にこの業界、ヘッドハンターを軽く扱うケシカラン人が多いので、丁寧に接すればそれだけ貴方への尊敬も高まる。)
さて、話を戻すが、UBSはリストラを進める大手外資金融の中でも大量の削減を発表していたが、その直後に20億ドルの損失が出たので人員削減に更なる拍車がかかるだろう。ただこの手の状況を目にするたびに不思議なのが、なんで同じようなことがひたすら繰り返されるのか、ということである。
UBSは日本オフィスでも、10年ほど前に電通のIPOの時にトレーダーの単純ミスで数百億の超安値売り注文を出して大損を出し、9.11とハイテクバブルの崩壊を受けたリストラ時に大量の人員を削減していた。そしてしばらくして市場が回復しては人員を増やし、また下降局面になると大鉈を振るい、、を繰り返しているのだが、これは”毎年ないし毎四半期単位で利益を求められる上場企業の業績評価の時間的尺度が短すぎる”ことが大いに悪影響を与えている。
加えて、投資判断の失敗や判断ミス、社内政治での敗北を喫した“失敗の経験と教訓を持つ”人たちが、毎年、毎四半期と早急に首になるので、失敗からの経験が蓄積されず“まだ失敗していない人が同じ失敗を繰り返す”ような、不幸な新陳代謝が起きているようにも思われる。
短期的な業績のみに連動した評価を見直そうということで、一年、二年、三年と長期的な業績に連動した報酬体系を取り入れようという試みも見られたが、所詮人間の評価はボーナス期日直前の“ボスからの感情的な印象”に大きく左右されるものである。(私の夜遊びばっかりしているトレーダーの友人も、ボーナス期間の一ヶ月前だけそれはそれは必死に働いている(少なくとも働いているような印象を与えようと朝早く出勤し、深夜まで意味なく会社にいる。)。
話が飛び飛びになったが、今回のポイントは1. 日ごろから良質なヘッドハンターとの関係を大切にしておくこと 2. 長期的に会社は評価するとかいいつつも、結局は直近の上司との関係一発で決まること 3. この業界は不況が来るとすぐ大量に首になるので、失敗からの教訓が蓄積されずに無謀な若者が同じような失敗を一定のサイクルで繰り返すことである。
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東京オフィスで吹き荒れる解雇通告〜“自分という商品”の販売網構築
posted at 2011.9.11
最近、外資金融(主に投資銀行)の東京支店に勤める友人複数名から、いいヘッドハンターがいないか紹介を求められている。社内で近く大規模削減第二弾がある旨、グローバルに通知がなされたのだ。数ヶ月前の第一弾では5%程度の人員削減だったが、今回は大ナタを振るうと宣告されているらしい。MDに相談してもナシのつぶて。そもそもMDはおろか、部門ヘッドすら首を切られかねない状況なのだから。
現在、退職パッケージも一昔前のような一年、二年というものではなくなり、3カ月が相場、ごねてごねてごねまくって6カ月が関の山、というご時世である。確かにアウトバウンド(国内企業の海外企業買い)ディールは増えているが、資金調達は凍りつき、トレーディングボリュームも萎み、キャピタルマーケットも低迷が続いていて環境的に極めて厳しい。大口の顧客であった大手ファンドも日本からの撤退やファンドサイズの縮小、キャピタルの流出が相次いでいる。
さて、このような“人員削減予告”があった時、いまさら動き出そうという人は大抵遅い。株式投資と一緒で、皆が気付いてからでは供給過多で株にも自分にも買い手がおらず、値段がつかないのである。またキャリア戦略のしっかりしている人は、日頃から“自分と言う商品”のディストリビューション・チャネル(販売網)を構築している。それは信頼できる、案件の多いヘッドハンターとのネットワークであったり、競合他社でハイヤリングパワーを持つ有力な友人とのネットワークであったり、パフォーマンス査定結果が出る前の転職活動であったりする。
現在、投資銀行のみならず大手会計事務所からも大量にファイナンスのプロフェッショナルが放出されており、完全な買い手市場となっている。実際私の友人で某金融機関のヘッドは、会計士が600万でいくらでも雇える環境だ、と話しており、転職市場の競争条件は極めて厳しい。この供給過剰の金融市場で働かれている際は、現在の環境の厳しさ及び先の見通しの暗さ(少なくとも日本市場)を充分御理解された上で、“万が一の時に備えた、自分自身のディストリビューションチャネルの開拓”に励んでほしい。
PS なお、外資金融の業界では親睦会、ホームパーティー等が恐ろしく多いが(特にアメリカ人、イギリス人がよく主催する)、これもファームの垣根を越えて人脈をつくることで、キャリアのダウンサイドサポート形成(解雇された時ないし危なくなった時の行き先開拓)に繋がる。よって、多少疲れてて多少英語が下手でも、たとえそれが貴重な週末であろうとも、笑顔と勇気と堂々たるジャパニーズイングリッシュで、社交に精を出されることをお勧めしたい。
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BCGがマッキンゼーを雇った?〜BCG hires McKinsey to advise it on how to become number 1
posted at 2011.9.4
以下、海外ニュースサイトからの引用である。
Strategy consulting major Boston Consulting Group (BCG) announced today that it has hired the services of the world’s number 1 strategy consulting firm McKinsey to advise BCG on how to replace McKinsey as the number 1 strategy consulting firm.
“We are sick of being second best. After a rigorous year long internal analysis session that involved 35 BCG consultants (editor ? this translates to roughly over 2.9 lakh manhours assuming each consultant put in 18 hours a day,7 days a week), 45 proprietary BCG frameworks, and over 900 Powerpoint slides, we came to the firm conclusion that the best strategy would be to hire McKinsey to advise us on becoming #1,” said Vijayendra ‘Baba’ Haryal, Global Head, BCG.
McKinsey has readily agreed to serve its new client as professionally as possible. “In normal times, we’d have asked them go climb a tree. But with another looming recession, we can’t afford to be choosy. Hopefully we should be able to retain BCG as an anchor client for at least 5 years,” said Achal Nath, Senior Partner, McKinsey.
Achal pooh-poohed the idea of a potential conflict of interest. “As long as they are paying us, we are happy to advise them. One of the firm’s core values is to place the client’s interest above everything else, so there is no question of a conflict of interest” said Achal. The Senior Partner however did concede that in theory BCG can replace McKinsey as the number 1 firm at the end of the engagement. “Yeah, in theory they should. But the cool thing about consulting is that we are not required to put our money where our mouths are, so I am not gonna lose sleep over it,” he shrugged.
The McKinsey team deployed for this prestigious assignment has been persuaded by BCG to use the famous BCG Growth-Share Matrix for some of the analysis. “Yeah, we have our own tools but these guys seem quite sentimental about this stuff and insisted that we use it. So in the first phase of the engagement, we are gonna slot BCG consultants into dogs, cows, question marks, and stars so that the dogs can be kicked out and the stars can be promoted. We will then see what to do with the question marks,” said team lead and rising McKinsey star, Raghib Ahmed.
Pundits think BCG’s move is a master-stroke. “If McK indeed helps them become #1, great! If not, BCG can then tell prospective clients that Mck’s advice does not always produce results,” said Li Chin, a Hong Kong based business journalist. “Hmm… that’s an interesting line of thought. To be honest, we just want to get hold of some nice Mck slides, but that will help too,” said ‘Baba’ Haryal, Global Head, BCG to The UnReal Times.
このディールはマッキンゼーにとって非常に不利なものとなる。まずプロジェクトが成功したら、マッキンゼーはボストンコンサルティンググループに一位の座を明け渡すことになる。また仮にプロジェクトが失敗したら、ボスコンは“マッキンゼーはプロジェクトに失敗した”と言いふらすだろう。
しかしなによりも読者のみなさんに注意して頂きたいのは、この記事はインドのジョークサイトで掲載され、業界内部の人の中で最近話題になった冗談に過ぎず、まさか真に受けて面接でボスコンやマッキンゼーに聞いてはならない、という事である。
あまりにも面白かったので、就職活動シーズン本格化前の息休めがてら、皆さんにお届けすることとした。
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グローバルな就職難を切り抜ける為に
posted at 2011.8.22
さて、このようなタイトルの本が激増しているが、各国市場で投資プロジェクト、コンサルティングプロジェクトに参画して、様々な人の大出世、様々な人の悲惨な解雇を目撃してきた実体験から、所見を述べたいと思う。
結論的には”スキル的にも人脈的にも早期に参入障壁を築くべく、一つの会社で上のポジションに早期に昇進し、外部とシニアリレーションシップを個人で築くべし”と伝えたい。
まず若年層の就職難、失業率上昇、貧富の格差拡大は日本だけではない。(私が勤務して実際に目にしてきたのだが)アメリカでも台湾でも韓国でも中国でもユニバーサルに起こっている。これはコンサルティングや外資金融、企業幹部などいわゆるエリートコースに入るためにはそもそも家庭の所得が高くなければ教育の段階で厳しいこともあるし(貧富の格差がべき乗される)、経済環境的にも原油をはじめとする資源高(原油はたかだか10年で、実に5倍の価格に!)で、コスト構造が圧迫され、低成長もあいまり余剰労働力を社内で抱えられなくなったから、というのもある。
非効率さが許されてきた産業の給料が下がるのは当然である。グローバル競争にさらされれば一日5ドルで15時間働く人たちと競争しなければならないのであり、代替不可能な“この国の、自分だからこそ出来る仕事”を、代替不可能(少なくとも困難)な個人のスキル/人脈という参入障壁で守らなければ、資源のコストと資本コストの上昇、途上国の人的スキルの上昇という3つのインフレに、貴方への労働分配率は手厳しいマージンスクィーズを食らうことであろう。
ならグばローバル競争しなければいいじゃないか、とか言う人がいるが、これは一国で選択できる事ではない。資源、人材、資金、技術のグローバル獲得競争が起こっているのに、規制で鎖国を目指すのは大いに間違っているのみならず、非現実的である。古き良き時代は終わった。円が360円でコスト優位があり、アジアにライバルがおらず原油をバレル30ドルで買える時代は、貴方が生まれる前の話である。人口が伸び、財政赤字が無く、経済が右肩上がりの時の”規制で守られた経営”が許される時代では無くなっているのである。
私のコンサルや外資金融のキャリアを辿っている友人を見回せば、一番儲けているのはグローバルヘッジファンドで成功している連中だ。運用資金数兆円にレバレッジをかけて回すビジネスを、たかだか数人〜十数人が担っているのだから、アップサイドは桁外れに大きい。プライベートエクイティで勝ち組のファンドに入り、リターン3倍を挙げてキャリーで数億〜数十億ドカンと手にした友人もいる。中でも出世の早い人は30前半でMDになり(大抵は元々金持ちで、フィリップアカデミー→ハーバード、イートン→オックスフォードが多いが。。)、その間に顧客を個人的につかんで30半ばで独立している。
この手のスーパーファストトラックを手に入れている人は、総じて一つの産業、会社で順調に上にあがり、責任の幅を広げ、高い視点からビジネスを見渡せるようになり、また対外的にもシニアリレーションシップを築くのが得意である。肝心なのは、毎年着実に”ますます外部からの新規参入が難しい立場”に自分を高めていっていることである。
逆にあまりキャリアのアップサイドを享受できなかったのが、いろんな選択肢に目移りしてコロコロと転職してしまったタイプだ。元はといえば優秀で賢いのだが、ひとつの分野で自身をブランド化して業界的にEstablishする前に他に移る、を繰り返したため、上級職に上がれずに、持ち前のリーダーシップや潜在力を発揮できるポジションに上がれていない。するとその立場は常に厳しい競争に晒されることとなる。“下っ端ポジション”は常に若く、賢い若手コンサルタント、若手バンカー、若手アナリストとの競争に晒されており、“代替不可能な個人技/ネットワーク”を獲得する前に競争に敗れ去ってしまうのだ。
就職難を切り抜ける、言い換えれば厳しいジョブマーケットで常に貴方の価値に対するビッド(競争的入札)が行われる状況を確保するためには、言い古された常識だが、
戦略的に自身のマーケットバリューの源泉を問い続け、キャリア/職場の各ステージで自身を証明し、着実にステップアップして“代替不可能なスキル/人脈の組み合わせ”を獲得しなければならないのである。
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官僚からの外資コンサル・外資金融転職
posted at 2011.8.15
中央官庁の官僚の人で外資セミナーに転職相談を寄せる人は多い。その多くは財務省、国土交通省、経済産業省の方々であるが、中には外務省から外資コンサルに移った人も複数存在する。一昔前は次官への道が閉ざされた人が消極的に転職したが、今は官僚でのキャリアより魅力的な選択肢として積極的に相談されるケースが多い。
官僚の旨みと相対的影響力の減退、および年功序列の出世スピードの遅さと下積みの長さに嫌気がさして転職を志望する人、事なかれ主義の“なぜあんな人事がまかり通るのか”といった義憤(官僚の友人に組織の問題点を聞くと、たいていこの納得できない人事が挙がる)、コンサルや外資金融に進んだ大学の同期と自身の報酬パッケージの比較、“民間の立場の方がやりたい事が出来る”といった気付き、国費留学の際にMBAで受けたグローバルの同期からのカルチャーショック諸々で、外資コンサル/外資金融を志す人が増えている。
残念ながら総じて活躍していない人が多い。面接側は“どうせ役人は使えない”という先入観が強いし、実際私が知っている人も中央官庁の中でも花形の省庁から米トップスクールMBAに進み、鳴り物入りで某投資銀行に入ったが社内でいじめにあって間もなく退社を余儀なくされた人がいる。また違うちょっとマイナー目の省庁からコンサルティングファームに入り(その前に某米国トップスクールのMBAに国費留学)、大した活躍ができずマネジャーに上がれないまま事業会社に転職していった人もいる。私のいた古巣の米系コンサルティングファームでも日銀出身者が二人いたが、片方はオタクタイプでチームメンバーや顧客とのコミニュケーションに大いに問題があり、片方は賢かったが社内政治に長けておらず、上司と衝突ばかりして数年で去ってしまった。私の知る限り、某省庁から米系大手に入りとんとん拍子でアソシエイトパートナーに30台前半で出世した一人を除き、総じて苦戦しているのが現実である。(その証拠に外資系のトップに日本のメガバンク出身者の転職組はいても、官僚出身者が座っているのを見たことがない。まぁ、以前の大蔵省出身の大物官僚が某投資銀行投資の副会長と言う形で案件獲得のソーシングで活躍していた例があったが、銀行各行や大企業幹部との密なネットワークがあったからこその抜擢であった。)
この状況は、同年代の大学時代の同期が20代前半や中盤で経験したコンサルや金融の基本的下積み作業を、30そこそこから開始しなければならないハンディが一つ理由にあげられる。また官僚カルチャーに染まってしまい、ビジネスセンスというか、お金の香りのする現実的な地に足のついたビジネスプランに弱い人も中にはいる。また公共に資する仕事をしたい、と思って官庁に入ったものの絶望し、心機一転コンサルや投資銀行に移ったもののやはり公共の利益とは程遠かった、と幻滅する人もいるだろう。(実際このタイプの人で私が知る一人は、外資金融を経てNPOに移って行ってしまった。噂によるとNPOの腐敗に気付いてまたしても幻滅しているらしいが。。)
中央官庁から外資コンサル・外資金融に目指される方への注意点を最後に挙げておこう。まず志望動機として、“企業や産業を横串で貫く効率的なシステムを提供することで社会の発展に資する仕事がしたい”というパブリックインタレストを前面に押し出してこられる方が多いが、建前上は企業はそのようなことを謡っていても本質的にはバジェットを達成しなければ首を切られる上司が、仕事を楽にしてくれる部下を探す場がリクルーティングだということをお忘れにならないよう(まぁ、こういう公共精神の高い志望者を好むコンサルタントも中にはいるが)。あと、頭がよければ競争に勝てる、という業界でないことも肝に銘じておきたい。当然両業種とも一定のいわゆる“頭のよさ(=記憶力、理解力、論理的思考能力、数的センス)”は必要であるが、その上に“人間商売”という側面が色濃くあるのがこの業界だ。コンサルタントはチームメンバー、上司のシニアコンサルタントやパートナー、また何よりもお客さん受けする人間でなければプロジェクトに繋がらない。金融は同じくチームやお客に気に入られて何ぼの投資銀行部や株式営業部、プライベートエクイティのような世界もあれば、周囲に関係なく腕一本で稼ぐトレーダーのような仕事もあるが、この仕事はいかんせん頭で勝負というより勘や運、センスが勝敗を分ける要素が強いので、官僚時代の出世条件とは重視される要素が異なってくるのである。
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コンサルティングファームからの多様な転職先
posted at 2011.8.11
さて、外資系戦略コンサルティングファームを目指す人が外資セミナーで聞いてくることの典型的質問の一つに“キャリアパスとして、転職する人はどのような業界に行く人が多いですか?”というのがある。
結論から言えば非常に多様だ。逆に言えば、選択肢が広くなることの裏返しであろうが私の周辺で言うならば一番多いのはバイアウトファンドだ。ただし最近日本のバイアウトファンドは閉鎖に追い込まれるところも多いので就職環境は厳しい。一番充実してそうなのは某大手ベンチャーキャピタルに行った先輩である。独りで7つくらいのポートフォリオを担当し、経営会議や取締役会議に最終意思決定者の一員として参画している。おまけにご本人が好きなハイテク系・SNS系への投資が多いため非常にやりがいがあるのみならず、今日本の成功モデルを中国とかに持って行って稼げる数少ない領域なので、アップサイドも大きい。実際彼は海外機関投資家からかなりの額のファンド募集に成功した。他にも、医学部や医薬系のバックグラウンド(博士号をもっていたりする)友人は政府から資金を預かり得意のバイオ分野に投資するファンドに転出した人もいる。(政府機関は金もうけというより、産業振興の視点から出資してくるので結構お財布が緩かったりする。蓮鵬議員に仕分けされる前に枠内の投資を急いでいる、という内実も業界でうわさされている。)
事業会社系でも選択肢は広い。製薬会社のマーケティング担当でシンガポールや米国本社に送られた人(戦略企画室で楽しい仕事をしている様子。今やコンサルファームを使う立場に)。プロ野球の球団経営のマネジメントに転出した人。メーカーに移って再度コンサルに戻ってきて、再びメーカーに戻った人。コンサルに転職してくる前にいらっしゃった外資系コングロマリットの古巣に戻って行った人。コンサルとしてはあまり泣かず飛ばずだったが、自分で経営塾とかを開いてこれまた失敗してしまった人。大手アパレルメーカーに入り、事業会社の経験を積んでから大手バイアウトファンドに転出した人。コンサルファームでトップに上り詰め、某大手金融機関の経営陣の一員として招かれたが、スキルセットが異なり間もなく解雇された人。人材系の会社に転職し、その簡単に儲かる構造に感心し数年後独立した人。
まぁ、ひたすら書いていると果てしなく続くのでこの辺で一旦終えるが、コンサルファームでは運が良ければ本当に様々な業界の、様々な戦略イシューに触れて経営課題および解決策策定プロセスに関する洞察が深まるのみならず、クライアントに気に行って貰ってそのまま高待遇で引き抜かれる人も結構多いのだ。
この意味で、まだ特化したい分野が解らない就職志望・転職志望の方々から常に人気の職業であるのは理解できるのだが、ダウンサイドケースも忘れてはならない。実際は一つの大手クライアントのプロジェクトに長年入れられて、クライアント先で何年も(時に名刺を持たされ)どっぷりつかってしまうケースも多いので、そんなリスクを避けるためにも出来るだけ多くのパートナー(パートナーによって取って来るお客の業界が異なることが多い)に全力で愛想を振りまくことも、大切なのである。
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ウォールストリート解雇の嵐
posted at 2011.8.11
出張でニューヨークに来ているのだが、一足お先に解雇の嵐が吹き荒れている。到着した日にHSBCの大量解雇が発表され、バークレイズも大量に解雇した。(リーマンショック時大量に採用したつけが回っているか)。ゴールドマンやUBSも結構カットしている。投資銀行だけでなく、アセットマネジメントやプライベートエクイティでも運用成績の悪いファンドや閉鎖に追い込まれたファンドが人員を削減している。街を歩いていると楽しく刺激的で、到底不況を感じないニューヨークだが、実際は金融業界に嵐が吹き荒れているのである。
金融業界に不安が再燃している中、とりわけ頻繁に報道されているのがS&Pによる米国債の格下げである。サブプライムの欠陥を見逃した失敗に引き続き、S&Pの名声を落とす大失敗だ、と政治家達が怒りの声明を次々と発表しているが、私はS&Pの英断に拍手を送りたい。他の格付け会社も当然検討しているだろうが、政治的圧力や世論の反発が怖くて踏み出せない一歩だったであろう。当然S&Pも格下げに伴う大パッシングは予期したことであろう。その上で短期的に社会的コストを払っても勇気ある警告を出したことは評価されるべきことだ。(なお個人的には、給料が米ドルベースなので今回の様に76円まで上がると円ベースで私も結構損害を受けているのだが。。)今回のS&Pの格下げに関しては面接で“最近気になった事は?”とか聞かれたときに出してみてもよいトピックだ。米議会は借金の上限を大幅に引き上げ、かつ失業率も高くプライマリーバランスが回復する見込みも低いのだから、格付け機関としては当然の判断だ、とか何とかいってみてもよい。(突っ込まれた時、何も答えられないリスクはあるのだが)
さて、首切りと言うと外資系金融機関というイメージが強いが、日系金融機関も結構人を切っている。例えば某国内系大手証券会社が某財閥との合弁を解消したが、その際独立する箱に残れなかった人が市場に大量に流出している。こう言う時、結構“早期にとっとと首になるか、早期退職を早めに受け入れて転職市場に回る”方が賢いことも多い。なぜならリーマンショックの時もそうであったが、早期に退職した人は、その後の倒産時に大量解雇された人にくらべまだ転職市場の需給がタイトだったからである。実際私の知人の中でも数ヶ月前に離職して最近めでたくファンドの仕事に戻れたのだが、その後同じようなスペックの同業者から大量にレジュメが送られてきている、とコメントしている。
前回に引き続き暗めの解雇ネタで恐縮だが、現在の金融業界就職市場の状況をリマインドする意味で、是非参考にして欲しい。業界への憧れという浮ついた気持ちではなく、現状の厳しさをわかった上で面接に臨んでいるのだな、という印象が伝われば、これも貴方のプラスに働く事であろう。
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外資系投資銀行首切りシーズン到来
posted at 2011.7.30
さて、また投資銀行各社が人員削減に動いている。某欧州系二社(、、といった時点でほぼ匿名の意味を成さないのだが)と大手米系数社で〜3%の削減が始まっている。
円高とキャッシュの積み上がりと海外進出の必要性からクロスボーダーM&A案件はかなり増えたが、いかんせんこの流動性の低い株式市場のせいでECMおよびトレーディング、リサーチ、エクイティ部門は総じて厳しい展開であった。こんな時、大手機関投資家に詰められるときに説明できるようグローバル本社から各社に人員削減が割り当てられ、日本では東京支社の支店長と部門長が首切りに向けハッスルすることとなる。
不思議なことに、人員を切りすぎた頃(*なお人選は総じて客観的な評価というより、ディレクターの好き嫌いで決まる)に市場が回復し、また採用市場が活発化するのだが、タイミングを逸して一年、二年と金融業務から遠ざかるとその後のキャリア復帰は俄然厳しくなる。私の友人でも不幸にもリーマンショックの頃に解雇されて、志望水準を切り下げられずに市場の回復を待っていたものの、結局回復せずに未だ復職できていない優秀な人材が大勢いる。一昔前はシクリカルな解雇で少し待てばブルマーケットで復活することもできたが、今では日本市場の構造的停滞もあいまり、長期にわたって無職状態を強いられる人も多い。
こういう時、しばらく仕事が見つからないとMBAでもいくか、、という人が増えるのだが、いかんせん同じようなスペックの、同じような事情の人が一気に出願するためこれまた“普段なら入れた人”が志望先のトップスクールにも入れない。
まだ二十台中盤までなら他業界で(元の経歴のよさで)復活を図ることもできるが、30前半にさしかかると転職は本当に厳しくなり、待遇を数段階格下げした会社にレジュメを送っても面接にすら呼ばれないこと(呼ばれても採用の意図などなく、単に興味本位で会って見られただけということも)も多くなる(先方に”どうせ不本意ながら、単に仕事ほしいだけでしょ、と見られることも一因)。
リーマンショック後は、勃興中のM&Aブティックコンサルティングファームが積極採用していたり、新たに日本に進出したバークレーズが採用してくれたり、リーマンを買った野村が一時的な受け皿になったりしていたが、つい数ヶ月前まで市場を賑わせていた“外資系投資銀行採用市場復活”の空気はここに来て一変している。(まぁ、正確に言えば一部のブティック系外資金融が今も探しているが。。)
まぁ、解雇された人の中には、各社が毎年のルーティンワークの一環として入れ替えで解雇している人員もいるので完全に市場がフリーズされたわけではないが、外資系投資銀行を志望される方はこのような解雇のリスク(しかも時に転職不可能な解雇のリスク)を採っているのだということをもう一度念頭に置いた上で、(特に30を超えている方は)キャリア選択を慎重に行っていただきたい。
PSなお、女性のバンカーにとって、ベアマーケットを乗り切る必殺技は何と“子作り”である。日本では妊婦や出産後一定期間中に解雇や部門移動などを課すことができないので、私の友人の中で不況の度にお腹が大きくなるツワモノがいる。某米系大手の女性MDが言っていたので、間違いなく本当である。ある日突然マネジャーと人事に会社の応接間に呼び出されたら(=解雇通知)先制攻撃で切り出して見るといい。(まぁ、嘘はイカンが。。)
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マッキンゼー幹部のインサイダー事件
posted at 2011.7.12
マッキンゼー幹部のインサイダー取引報道がアメリカで熱を帯びている。マッキンゼーの元代表で同社シニアパートナーであり、かつゴールドマン・ サックスの社外取締役ラジャト・グプタ氏が、米ヘッジファンドのガレオングループ経営者に増資計画や 決算などの内部情報を提供していたとして、ガレオンへの有罪判決が出された。インサイダー情報の提供者として、マッキンゼーのパートナーの1人である(現在は“元”)アニル・クマール氏は容疑を認めている。
このようなインサイダー取引で捕まるのは大抵投資銀行、証券会社、ファンドマネジャー、アナリスト、ヘッジファンドマネジャーと相場は決まっていたのだが、コンサルティングファームの代表的企業の、トップマネジメントが関与していたことの衝撃は大きい。
そもそもコンサルティングファームではプロジェクトによっては株価に大きく影響を及ぼす重要情報に触れることも少なくない。しかし投資銀行で行われるようなインサイダー取引関連の社内トレーニングは行われないし、株式取引に関する内部ルールもあまり厳しくないし、会社への報告義務もないことが多い。にも関わらず、A社を買収するプロジェクトを担当したり、TOBを発表するタイミングを知らされていたり、資本政策に関する課題を経営陣と検討したり、、と上場企業のインサイダー情報に触れる機会はかなり多い。(実際私も某米系大手ファームでのコンサルタント時代、そのようなプロジェクトに入っていたことがあり、TOB発表後は当然ながら株価が30%くらい一気に跳ね上がっていた。)
コンサルタントに求められる重要な資質の一つが“顧客及び社会からの信頼”なわけだが、このパートナークラスによるインサイダー取引はマッキンゼー全社の信頼に大きな打撃を与えた。(、、といっても日本のクライアントはあまりファイナンシャルタイムズを読んでないか、そもそもマッキンゼーのクライアントではないかであることが多くあまり反応もしていないようだが)。ただ投資銀行とかの社員がこのような不祥事を起こすと規制当局から取引が一定期間停止させられたり、コンプラの体制強化が義務付けられたり大変な作業が増えるため、マッキンゼーも組織的な内部統制に大変なコストをかけることとなる。
コンサルティング業界を代表するマッキンゼーの幹部がこのようなことをした場合、競合他社にも波及してどのような管理体制になっているかクライアントとかから聞かれるため、大変な迷惑が各社に波及する。またこの一件は、コンサルタントに会社の内部情報を(NDAを結ぶとはいえ、流用されるのを不安に思いながら)おおっぴらに開示することに対し顧客が抱いてきた不安を、大いに増大させる事件であった。ラジャトグプタ氏及びアニル・クマール氏、及び“ただばれていないだけの、インサイダー取引に手を染めたことのあるコンサルタント一同”は、コンサルティング業界の成長及び社会からの信用に大きな負債(一部はばれていないので簿外負債)を追っているのである。
さて、この業界内部の話題は面接対策中の貴方にどのようなインプリケーションを与えるだろうか。コンサルタントとしての信頼の重要性及びあなたの信用の重要性に関する深い認識を示す上での小話の一つとして使ってもいいし、面接中の話題の一つとして(タイミングと文脈を踏まえて相手を選びつつ慎重に)使って見るのもよい。例えば面接の場で“何か聞きたいことありますか?”とコンサルタントに聞かれて、“コンサルティングファームの魅力は何ですか?”とか、“休日はとれるんですか?”とか、“海外研修はありますか?”とか“事前の下調べ無しに誰でもできる質問”をするよりかは“本件を受けて信用回復のための取り組みにどのようなものがありますか?”の方が(あくまで面接の文脈次第だが)まだマシな質問であろう。かといって、本件のような“面接官の居心地を悪くするような意地悪な質問”は、よほど慎重に質問しなければならない。質問は、基本的には相手の自尊心を適度にくすぐりつつ、貴方の知性と下準備を示すような、かつ相手の興味を引き、会話を引き出すような質問を戦略的にするのが望ましいのだ。
余談だが、私は以前、某社の面接官の態度があまりにも悪かった時、面接で次に進むのは早期に放棄し、その会社の社員が起こした不祥事の数々、金融庁から受けた罰則の内容、取引停止された顧客からの反応などを聞き立てて懲らしめモードをとったことがある。それでも狭い業界、どこで再会するか分からないので、意地悪をするのも常にホドホドにしなければならないと肝に銘じたい。
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就職活動頻出質問〜最近気になったニュースは?と聞かれたら
posted at 2011.6.30
この質問はコンサルタントを目指そうがインベストメントバンカーを目指そうが、その他業界を目指そうが頻出の質問である。そんな中、社会保障改革検討本部(本部長・菅直人首相)が“経済条件の好転”を条件に「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」ことを柱とする社会保障と税の一体改革案を決定した。このトピックは貴方の問題意識と分析の視点を示す上で格好の話題となる。
そもそも日本の本質的問題は200%を超える財政赤字(外国人でなく国民が持ってるから大丈夫、、等と言う人が如何に解ってないかはまた次の機会で説明。待ちきれない人は80年代の米国財政赤字の議論と似通っているのでそれを参照して欲しい)、巨額の増大する社会保障、財源としての消費税の3点セットであるのは誰もが知るところである。しかし不況が続く中さらに消費を冷え込ませる消費税引き上げが経済的に困難で、進展の無いままいたずらに時間が過ぎ去ってきた。
今回の一体改革案を論評する時、以下の視点を参考に一席ぶつとよいだろう。まず“経済条件の好転”という条件の曖昧さ。これを楯に与党はいくらでも本件を先延ばしにすることができる。経済条件の好転とはGDP2%成長をさしているのか、失業率4%未満を指しているのか、若年失業率(実質)はどう扱うのか、実質賃金はどうか、等々明確にしていないため何とでも逃げられる。逆にポジティブに論じるなら、必要ながらも不人気で敬遠されがちな消費税増税にスケジュール感を持たせたことが挙げられるだろう。しかし実際25%くらいに引き上げないと財源不足が解消されない中、10%に上げたところで焼け石に水、と反論もできる。また社会保障をどう削減するのか、歳出側の議論の中身が見えないのも片手落ちの感がある。しかし称賛したい人は、構造改革が進まない、と外国人投資家に無視され始めた日本に、再び改革ストーリーを売り込む上で象徴的な政策だ、と論ずることもできよう。
政策の中身に関しては色々論点があるが、全く別の次元で“菅首相の粘り”に関して一席ぶつこともできるだろう。いい悪いは別に、非常識とも思える掟破りのやり方で辞任を拒み続け、(この点、どんな逆境で、如何に政策が間違っていようとも影響力を持ち続ける亀井さんも、政策の中身は別としてある意味凄い)なんだかんだ言って重要政策を推進しつつある。失策が多かったのは確かだが、成果なく批判の前に心が折れた前任者4名に比べ、往生際で成果を残そうとするマインドセットはある意味立派とも言える。
本コラムは特定の政策を論評するためのコラムではないので就職活動の観点に戻るが、要するに“お、君よくわかっとるね!”ということを“他人とは違う面白い視点をまじえつつ”センス良く語ることが肝心なのである。(逆にうんざりするのは超当たり前のありきたりの意見を受け売りで知ったかぶって話す様。そうする位なら自身の研究分野や趣味など貴方が圧倒的に語れるトピックからハートのこもった話をする方がマシである。)同様に、社会の問題点は?、や、総理になったら何を変える?、等も“最近のニュースで気になった事は?”と同根なので、本トピックと回答のアプローチを参考に頭の片隅に入れて置くとよいであろう。
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投資銀行への就職活動中に、面接で聞かれる質問〜“どのディールが面白かった?”
posted at 2011.6.30
外資系投資銀行の投資銀行部門を目指す人は極めて多い。経験者の私が口を酸っぱくして、如何に苦しく、非人道的な労働時間で、下っ端の頃はまさしく単純長時間労働が待ち受けていて、マーケット次第で簡単に解雇されると警告しても、就職活動市場における人気は相変わらずである。リーマンショックの頃に大量の身近な先輩が解雇された頃に一時、コンサルファームや商社に人気が流れたが、市況の一時的回復(及び切り過ぎた投資銀行の採用再開というおなじみのパターン)を受けて再度投資銀行部門志望者が増えている。
面接の過程では配慮の薄い面接官から、業界知識の無い就職活動生/転職活動者に聞いても仕方ない質問が出されることも多い。その中でも典型的なのがこの“どの案件が面白かった?”というものだ。当然就職活動生がそんなこと考えているわけも無く、そのレベルで興味を持っている人もいない。ただ面接官の多くは、つまり多くの投資銀行バンカーは、どのような質問が就職活動生の特質を適切に炙り出すかに関し、考えが浅いかトレーニングを受けていないことが多いので、”そんなこと聞いてどうするの?”という質問をよく投げかけてくる。
前段が長くなったが、“最近、どのディールが面白かった?”と聞かれたとき、貴方はどう答えるか?今日新聞で報道されたMyspaceのSpecific Mediaへの売却などはよい一例だ。買収総額は報道によれば3500万ドル。Newscorpは2005年に5億8000万ドル出して駆け出しのSNSを買い、その6年後に“せめて一億ドルで売れたら、、”というささやかな希望も空しく、二束三文の3500万ドルで手放すこととなった。
短期間での巨額な損失に加え、この数年での地位低下は激しいものがある。2008年夏のピーク以降、Mixiと共にFacebookに葬り去られた感があるのは皆さんも実感されたはずなので(M&A分野で素人の貴方が話しても)違和感は無い。本案件は新規事業投資へのリスクプレミアムと資本コストの高さについても厳しい教訓を与えてくれた。5年前のSNSという新規ビジネスへの投資が、将来の見通しの立たなさからしてリスクプレミアムが相当高いことを思い起こさせてくれる。そもそも設立して2年程度の新規ビジネスに投資するからには10倍、20倍のアップサイドを目安にアンダーライトしないと到底取っているリスクに見合わないものなのだ。加えて、Newscorpが戦略的投資家としてMyspaceを買うのに不適切なバイヤーであったこともこのディールの特徴だ。SNSの事業を伸ばすプラットフォームも経営陣もいない会社が買ってしまうと、買い手、対象企業その双方が痛手を負って終わることになる(従業員も半分減らされたが。)。
“どのディールが面白かった?”という質問と並列して“どんなディールが良いディールか?”と聞いてくる面接官がたまにいるが、売り手にとっても買い手にとっても対象企業にとっても、貸し手の銀行にとっても従業員にとっても株主にとっても満足度の高いディールが“社会的/教科書的な意味での”良いディールである。その点、本案件は2005年の売り手にとっては素晴らしいディールとなり、買い手かつ2011年の売り手であるNewscorpにとっては大失敗案件となった。そして今回の買い手であるSpecific Mediaにとっては今後の戦略的付加価値の出し方次第である。Facebookが席巻する今、たとえ安く買ったとはいえ、これが市場のゴミ拾い(最後に安価で買って損して、買い手が無く結局会社を清算する株主)にならないようどのようにMyspaceのプラットフォームを活用するのか、今後の動向が興味深い(私はライトオフして終わると思うが)。
最後に”面白かったディール”質問に関して推奨したい回答ポイントを纏めよう。まず(1)”面白い”の意味が曖昧なので教訓が多かった案件、予想外に儲かった案件/予想に反し大損した案件、などというように定義をし、(2)その案件から得た教訓のポイントを語り、(3)自分がバンカーになるならそれら教訓を踏まえてどんなバンカーになりたいか etc 等というポイントを纏めれば無難な回答になることであろう。
例えば絶対儲からないと思われていた某交通セクターの小さな会社が、規模の経済を狙った大手ストラテジックバイヤーにプレミアムプライスで買われた最近の案件は、”業界のファンダメンタルが悪くて儲からないビジネスだからといって、案件としては儲からないわけではない”という教訓を与えてくれた。そのディールの近くにいた為、既に発表されたディールとはいえここでの具体名言及は控えたいと思うが、これらの具体的事例から”投資銀行各社が全員追いかける、儲かりそうと一般的に知れ渡っているビッド案件だけではなく、面白くないと思われている業界に転がっているストラクチュアーディール(普通に株だけで入るのではなく、優先配当や優先株、プットオプション、エクイティキックバック等等、会社がポシャっても損しない契約上の工夫)を提案し、また信頼されるようなバンカーを目指したいです、云々の内容で締めくくれば(貴方が如何にもここで書かれていることだけを受け売りで話しています、という印象を与えない限り)合格点と言えるだろう。
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コンサルタントからの、ベンチャーキャピタリストへの転職
posted at 2011.6.29
某日本を代表するベンチャーキャピタリストの友人と話したが、その内容が面白い。
コンサルティング出身者が目指すキャリアの中、人気職業の一つがベンチャーキャピタリストだが、国内資金はリスクを避け、海外資金は中国やインドに流れるので、以前の日本のベンチャーキャピタルファンドのパフォーマンスが芳しくなかったこともあり、国内のプレーヤーは極端に減っている。その中でも最もリスクの高いアーリーステージともなれば尚更である。
そんな中、成功を収めた彼の特質はやはり“トップティアの人材と組むこと”である。コンサルティング上がりといっても当然それだけで会社を見極め、成長させられるわけもなく、成功に肝心なのはそのファンドが特化する分野のトップティア人材を見極め、彼ら/彼女らと組むこと(ファンド組成にしても、投資先とのパートナーシップにしても)にある。そのようなスタープレーヤーは総じて同レベルのパートナーとネットワークされているため、同業界の主要上場会社や技術者、経営陣と繋がっており、経営と成長に必要な人的リソースを迅速にひっぱってこれる。常日頃、業界ネットワーキングに勤しみ、目をつけていた人材に独立を持ちかけたり、退職した隙に猛烈アプローチを仕掛け口説き落として投資先企業の経営陣として迎え入れるのだ。この点、コンサルティングファームで出会う多様なグローバルタレントや、顧客先の優秀なプロフェッショナルとのネットワークはベンチャーキャピタリストとして転じた時の貴重な資産となるだろう。
また、日本のベンチャーの成功にはクロスボーダーのネットワークも必要である。日本では実物経済の成長鈍化のみならず、ポートフォリオのエグジット市場が縮小しているため高いリターンを望めるエグジットが望みづらい。そんな中、日本の成熟市場での成功モデルをBricsに持って行くことで、高いアップサイドを享受しているベンチャーキャピタリストがいる。特にベンチャー市場はスピードが命で、ものの数ヶ月で勃興期の無数のプレーヤーから勝ち組一社が決まるビジネスなので、早期に人的・資金的・戦略的リソースやパートナーを会社に提供し、海外成長市場へのアクセスを確保ことが企業の勝敗を分けるのだ。
なお、上記でも述べたよう、日本のベンチャーキャピタルの大半が店じまいを余儀なくされ、ベンチャーキャピタルへの就職機会は極めて乏しい。そんな中、ベンチャーキャピタリストとしてデビューするには、決して一般化できないのだが、参考に私の友人のケースを以下に紹介しよう。例えば某米系戦略ファームからハーバードMBAに行き、国内ベンチャーキャピタルに転職したケース、投資銀行→スタンフォードMBA→シリコンバレーの有力ベンチャーに入社して、日本オフィス立ち上げで日本に戻ってきたケース、米系戦略コンサルティングファームから直接国内ベンチャーキャピタルに入り、大ヒット案件を自分のトラックレコードにして独立したケース(つまり新規チームを作り、ファンドレイジングに成功したケース)、米系有力ネット企業の技術者が、金融バックグラウンドの人と組んで独立したケースなど様々である。その全てが"Narrow Path"であるのは間違いないが、ベンチャーキャピタリストを目指される方は以上の事例を参考にキャリアを築いていって欲しい。
めでたくコンサルタントに就職・転職しても、数年後には再び次のキャリアステージを目指したくなるのがコンサルティング業界の常である。そんな時、金融投資家・戦略投資家・経営陣・技術者・海外戦略投資家とのネットワーキング/信頼関係構築度合いが、貴方の次のキャリアを大きく左右するので、上記を考慮に入れながら実り多いコンサルタントキャリアを送って欲しい。
最後に余談だが、外資セミナー講師陣は国内外の主要ベンチャーキャピタルの多くのプロフェッショナルと深い関係を築いている。もしも貴方が“非常に有望なアーリーステージの会社と数億程度の出資と経営サポートを必要とする次代の孫正義である、、、のだが到底直接、有力ベンチャーキャピタリストとの接点が無い”という場合、info@gaishi-seminar.net まで連絡して欲しい。我々が有望な事業であると判断すれば、適切な外資セミナー会員(ベンチャーキャピタリスト)に照会したいと思う。
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会計士からの外資コンサル・金融転職に関して
posted at 2011.6.23
外資セミナーに寄せられる質問の中で多いものの一つに、会計士資格保有者/二次試験合格者からの転職相談がある。現在大手監査ファームに勤めている方からのものもあれば、試験に合格した直後の方からのもの、また試験に合格したものの会計事務所で勤務しておらず、職歴は無い方からのものなど様々である。
結論から言えば(年齢次第では)当然会計士資格及び会計の知識は外資コンサル・金融への転職で有力な資産となる。特に貴方が20代前半であれば、競争相手の大半が“いい大学かいい会社だが、財務や会計の知識が全然無い”方々であるため、なおさらである。しかし30近くになってしまうと、転職のCandidateの多くが会計・財務の知識と実務経験を有しているため、このレベルの競合相手と比べたら実務の乏しさがネックとなってしまう。
会計士を数年なさった方からの外資コンサル・外資金融転職志望動機で多いのが、“過去の数字の監査ばかりで、未来の経営や投資にインパクトを与えられていない”というものがある。また監査業務そのものに飽きてしまっている方も多い。更に会計士飽和状態の中、未来の昇給に不安を抱いて転職を志す方も増えている。そんな中、どのようなパスを辿って転職するのが望ましいか。
理想的なのは当然、大手ファームで数年働き、会計士補から会計士の資格をとって、単に会計の試験受かっただけでなく実務で使える知識を体得していることが望ましい。会計士の方であれば皆ご存知の様、資格試験で勉強しただけでは監査の実務でほぼ使い物にならない。しかし会計事務所の大手もリストラを進めており数年前と比べて環境は激変しているためそれが適わない人も多い。仮に会計の実務を積むことができない状況であれば、企業の財務部や社内auditの立場で実務を積むのもよいだろうし、会計の仕事に関係なくても、既に20代後半に差し掛かっていれば無職より実務を積んだほうが当然望ましい。なお、コンサルでは会計の知識が無くてもやっていける仕事も結構多く、金融でも会計士の試験で“落とすためだけに出される”マニアックな知識は問われず、財務諸表3種類をリンクしたモデルをつくれれば十分、ということも多いため、会計士の資格を取ることでキャリアのダウンサイドサポートをしたい、というのでもなければ、会計事務所に拘ることもないであろう。
さて、私の友人にも会計士資格を持つ人は多いが、ビッグ4で働いても若い頃は1000万程度で収入も頭打ちとなり(真剣に稼げるようになるのはパートナーとしてお客を取ってこれるようになってからである)、近年では残業もつけにくくなっているため転職している人も多い。大手資産運用会社でバイサイドアナリストとして働く人も居れば、プライベートエクイティファンドで働く人も居れば、投資銀行部に転職した人も居れば、戦略コンサルティングファームに転職した人もいる。ただ振り返ってみれば彼ら/彼女らは30前には転職を済ませていることが大半であるのも事実だ。監査業務とビジネスのコンサルティング業務・投資業務は思考パターンと着目のポイント、スキルセットが(一部共通するが)多くで異なるため、30を前にして会計士としての将来に疑問を抱いている方はこの点に留意して、転職のご参考にして頂ければと思う。
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外資系コンサルティングファームの近況について
posted at 2011.6.21
10年前は外資系コンサルティングファームの勃興期で、人材も潰れた長銀や銀行からの流出者が多くそれほどトップファーム各社に差がある印象が(日本でのオペレーションに関しては)あまりなかった。しかしその後10年という、各ファームのローカル化に十分な時間が流れ、各社の業況に大きな差がついている。
某大手のB社はローカル化に成功し、所謂御三家の中では圧勝である。コンサルタントは200人を超え、一次急拡大しすぎた/コンサルタントの質が希薄化した、と言われつつも着実にニューオータニガーデンコートに占めるフロアの数を増やしてきた。日本市場から撤退したグローバルファームからの人材の格好の引き受け先としても存在感を放っている。リーマンショック後の人員調整を経て、現在御三家の中の圧倒的勝ち組として日本市場でのプレゼンスを増してきた。
六本木ファーストスクエアにある方は、まぁ、なんかちょっと書くと怒られそうな気がするので差し控えておくが、○○からそっぽを向かれたのが大きい。ただその現象面だけでなく、日本市場へのローカル化という意味で(詳細は省くが)不安定さがある。顧客基盤という意味で課題を感じさせるが、グローバルでのプレゼンスとそこで得られるネットワーク(総じて将来のビジネスに繋がる)はコンサルファームの中でも抜群である。
アークヒルズにあるドイツの方は、コンサルファームで言うところの100人の壁を越えられなかった。一時急拡大したが、二度の不況を経て元のサイズに戻りつつある。ファンドのデューディリとかも最近はやるようになったようだが、調整局面というイメージである。
虎ノ門森ビルにあるアメリカ→フランスの方は、チャプターイレブンの頃に入ってきた新卒組の成長目覚しく、ニッチであった分野からコンサルティングファームとして対象にすべき儲かる顧客層を着実に増やしている。実際使って見たクライアントからの評価も、結構高い。大手メーカーの研究職や理系の院、ドクターの採用が多いことでも他ファームとの差がはっきりしている。
新橋にあるボストンからのファームは、グローバルではまだしも日本では相変わらずほそぼそとやっている。その上、カダフィへの一件でレピュテーションにもダメージが付き、社内の内部統制がどう変わったか気になるところである。(まぁ、大抵変わらないのだろうが。)
さて、コンサルティングファームは現在業界再編の過渡期にある。グローバル大手二社が売りに出されていることや、グローバルブランドから次々とスピンアウトするブティックファームの急増にも見られるよう、日本市場の縮小と直接投資の減少もあり、市場環境は厳しい。日系ファームとの価格競争も厳しいが、ファーム間での競争に加え、ファーム内での競争に勝ち抜くことが益々重要になっている。
貴方のパフォーマンスと社内での態度次第で、入れてもらえるプロジェクトの質や量に大きな差が出る。ニューヨークやロンドンから来ているグローバルのディレクターへの覚えめでたさ次第では、同期や先輩を差し置いてロンドンオフィスやシカゴオフィスに送ってもらえることもあるだろう。そして入社数年後転職するとき、各自のマーケットバリューには大きな差がついているのである。
先日ドイツ人のコンサル時代の同僚と久しぶりに再会したが、“あの何でも感でもパワポのピクチャーにするの、たまらんわな”“200ページのプレゼンの中、本当に必要なのは数頁なんだけどね”といったグローバルに共通するコンサルティング業界の問題をお互いに揶揄しつつ、コンサル時代のネットワークが転職後も如何に役に立っているか、喜び合ったものである。最後に入社後に向けた教訓を伝えたいが、真に価値あるネットワークを築けるのは、社内で優秀&いいヤツとしてグローバルな同僚から認知されているスター選手であり、“単に同期だっただけ”の平凡なコンサルタントは、社内でのネットワークもその後のキャリアもパッとせず、せっかくコンサルファームに入っても得るものが乏しく、“無駄な資料作るスキル”だけを得て徐々にキャリアレースから転落していくものなのでこの旨是非、肝に銘じておきたいところである。
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2011年夏季サマーインターン選考の開始に向けて
posted at 2011.6.2
さて、日系企業の就職協定や商社の採用時期遅延化をよそ目に、外資系企業はせっせとリクルーティング活動に勤しんでいる。各社の採用動向を見て少し思ったことをコメントしよう。
ゴールドマン・サックスがサマーインターンの募集をしているが、当然ここで目をつけた学生はその後の本採用プロセスの前に別個に“ストロングバイ人材”として会社に登録されることになる。ちなみによく聞かれる質問ではあるが、インターン中は“どこを見られてるか”等とお堅いことを考えても仕方ない。当然志望動機や業務への理解や対人折衝の態度やチームワークやら、何かと見られるポイントはあるが、各項目の○×方式で決まるのではなく、実際はなんとなく好きかどうかで決められるのだから。(各項目への○×は総じて後付けである)。
なお提出書類にGPAが要求されているが、これは日本にいると実感がわかないが海外の大学では非常に重要視される。単にハーバード、MITを出た、ではなく、GPA 3.9 で出た、Distinctionで出た、Magna Cum Laudeなどが貴方の市場価値を入り口で大いに左右するのである。実際ファストトラックで出世してファンド作って独立、みたいな人はCum Laudeくらいアイビーリーグから貰ってる人が極めて多い。かといって日本の面接官は大半が日本人なので、そこの違いは分かっているのでGPAだけで諦めることは決して無いが、3.5を大きく下回る人は、将来の留学のオプションのためにも挽回できる今の内に是非必死に挽回されることをお勧めしたい。
ボストンコンサルティンググループも夏季採用選考を開始しているが、ここは日本で事業展開する外資コンサルファームの中で、ダントツの勝ち組として規模を拡大している。特に昨年、日本人学生より中国人学生の方が多く東京オフィスで採用されたのでは、と思うくらい、海外留学生の採用にも積極的なファームである。最近外資セミナーに参加された中国人留学生の方は日本語がパーフェクトで無いことに不安を抱かれていたが、英語と中国をを話せて地頭はよいが日本語は中途半端、みたいな人の方が全然希少価値と潜在需要は高いので、この追い風を活かし、是非自信を持ってチャレンジしてほしい。
モルガンスタンレーも8月の末にSummer Insight Programを開催するが、本社トップの経営の混乱に次ぐ、資本増強→三菱筆頭株主化の直後であるだけに興味深い。私の友人の多くが最近、三菱UFJの優先株普通株転換を受けてモルガンスタンレーを去ったが、これらセンシティブな話、相手が自社の自慢として第一の話題にしたくない話しをこれ見よがしに質問するのはやめよう。適切な関係を築き、適切なタイミング/文脈で“これだけ研究してきた感”を出すのが重要なのだ。ただマーチャントバンキングの募集もしているのは驚いた。銀行の参加でボルカールールの影響を諸に受けるばかりか、多くの投資銀行が縮小/撤退している分野だけに、この絡みで質問しても面白いだろう。
同時期にバンクオブアメリカ・メリルリンチも3日程度のプログラムを開催するが、ここには外資セミナー関係者が若手と10年選手両方に居るので、書ける範囲でインサイドストーリーを提供していきたいと思う。例えば不動産ビジネスのプラットフォームを売却したり、立ち上げて間もなかったプライベートエクイティビジネスを早期に畳んだり(閉じた判断は結果的に正しかったが)、傍から見ていて迷走感は拭えない。またモルガンスタンレー同様、ここもボルカールールの影響を諸に受けるだろう。
最後に付け加えると、同時期にサマーインターンを開催する某欧州系金融機関(UBSやクレディスイスではない)は東京でのプレゼンスが特に低く、市場でも就職マーケットでもトップティアに比べ評判は芳しくなかった(特に○○コーポレーションの一件が打撃であった)。しかし人事部が偉く頑張っているのか、近年積極的に学生がよく見る就職サイトなどを通じてコマーシャルに精を出している。(業界は異なるがユニリーバも必死に外資系就職関連サイトで広告を出しまくってるのが気になる。)数年前、某部門の面接官の評判がその不適切で不遜な態度ですこぶる悪かったのを覚えているが、これらの評判はすぐ志望者のコミニュティで回るため、今年は人間的に会社を代表させて恥ずかしくない、と思える人選をして欲しいと思う。
逆に面接を受ける側も、やたらと小規模欧州系ファームに関して皆さんが言い勝ちなのだが“まだ東京では小さいので、一緒に大きくして行きたいんです!”などと白々しいことを言わないこと。“米系より欧州系が、、”等という意味の無い志望動機も、是非再考されるようお勧めしたい。
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三菱UFJによるモルガンスタンレー連結化について
posted at 2011.4.22
モルガンスタンレーは人材の流出リスクを負う。実際リテンションボーナス(三菱から優先株を受け入れた時、社員流出を避けるために一定期間在職後に追加ボーナスを払うとした約束)の支払いも差し迫っている。これを前にすでに辞めている人もいるが、リテンションパッケージが終わって居残るインセンティブが減ったところに、1300億の損失で大リストラが始まるとなると、居残り組も短期的に希望を持ちづらい。早期退職希望の募集も当初270人だったのに、これが750人に膨れ上がった。
優先株が議決権のある普通株に転換することの影響は大きい。22%もの筆頭株主になれば取締役会に送り込む役員の数も増えるし、三菱によるコントロール権も増す。優先株受け入れ時、将来の資本政策で三菱がどこまでrefusal right(増資等を拒否する権利)を持っているのか、また買い戻し条項はどうなってるかなどセンシティブな内容は外部からは解らないが、当面コントローリングシェアホルダーとして、銀行である三菱が投資銀行であるモルガンスタンレーの経営に徐々に影響を与えて行く。
銀行に連結化されるインプリケーションは大きい。ボルカ-ルールの影響もあり、主要銀行はリスクアセットへのexposureを調整してきている。また銀行が自行のバランスシートを使ってプロップで出来る投資の幅も制限を受ける。まぁ、リスクアセットの定義の仕方に実は抜け穴があるというのが内部の人間の味方であったりもするのだが、銀行のアセットアロケーションに際するリスク許容量低下への懸念から、プロップトレーダー等は特にライバル会社に移りたいと思っているだろう。
なお、野村がリーマンを買った時は証券会社による投資銀行の買収だったのでまだ比較的親和性が高かったが、銀行からの人が証券会社を経営するとなると文化の違いから大抵混乱する。もし今から三菱モルガンを受ける方は“何か質問ありますか”とか面接で聞かれた時に、上記に述べたようなポイント(優先順位は銀行との連結化(特にリスク許容量への影響)−銀行と投資銀行の企業文化の違いの影響/マネジメント−巨額の損失を受けた後のリスク管理強化の戦略etc)を感じよく織り交ぜれば、貴方の鋭い問題意識を面接官に披露することが出来るであろう。
PS.なお、昨年外資セミナーを受講してモルガンスタンレーに内定が決定したとの報告を数人から頂いている。モルガンスタンレーから内定者に対しどのようなコミニュケーションが行われたのかを彼らに確認して、また随時、Updateしたいと思う。
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東北震災が就職活動に与える影響
posted at 2011.4.06
さて、前回更新日からは隔世の感があるが、まずはこの東北震災で命を落とされた方ならびにご遺族の方々にお悔やみを申し上げたい。
今回の震災は経済/政治に多大な影響を与え、それらは当然、皆さんのキャリアにも大きく影響する。経済的にはストックへのダメージで25兆円と試算され、フローではさらに数十兆に上ると各投資銀行がレポートを出している。エネルギー不足と原発問題の大きさでそのコストと復興への時間は変わってくるが、膨大な復興財源の調達と復興事業の内容は、一人一人が考えるべき問題でもあるし、当然面接で聞いてくる面接官も現れることであろう。
以下では、今後皆さんが震災に関する意見を形成するに当たって、考慮されるべきポイントの頭出しをしておこう。現実味を帯びてきた国債の暴落論(日銀の10兆買い切り案に対し、長期金利は敏感に反応した)、インフレと実質金利の低下、為替下落とエネルギー輸入価格の高騰、代替エネルギー案の議論、そして消費の萎縮への見通しとそれを受けての意思決定を用意する必要がある。そして何よりも、財源をどのようにファイナンスするか、復興事業の投資アロケーションをどのようにするか、という点では金融プロフェッショナルの積極的な政策参画を目にしたい。例えば国債でいくら、国有資産売却でいくら、日銀買い切りでいくら、外部借款でいくら、埋蔵金でいくら、増税でいくら、公務員給与削減でいくら、民間資金でいくら、と、ファイナンススキームとストラクチャーは多様性を極め、“誰に負担させるのか”“誰にどのくらい提供するのか”“復興の定義は何か”等と、バンカー/コンサル的に考えるべきテーマも山積されている。
労働市場へのインパクトも免れない。企業収益は落ち、既にあの長期成長企業ニトリもつい先日、下方修正観測を出した。避難先として香港に移った東京駐在の外資系は、全員がすぐに戻ってきてくれるわけではない。内定取り消しや解雇が進み、ただでも厳しい労働市場にも大きな痛手である。実際某外資系投資銀行東京オフィスの友人が、近く大規模人員削減に踏み切ることを私に告げてきたのはつい先日のことである。(こころあたりのあるバンカー諸君は、早めにレジュメをライバル会社に提出したほうがいい。) 震災が与える各セクターと労働市場への影響、そして貴方の価値観への影響を考えることは、貴方のキャリア選択に大きな影響を与えるはずである。(なおこれは与太話だが、内部の友人の話によると某欧州系投資銀行と某最も儲かっている米系投資銀行が、原発不安を理由に海外に逃げている東京社員に、東京に帰還しなければdisciplinary committee にかけると警告している。それだけ過剰な動揺を市場に引き起こしているのである。)
こんな中、東北復興の為に貴方が為政者だったらどんな政策的選択をするかと自問することは、そのプロセスの中にコンサルタントとして成長するための思考プロセスを学ぶ機会を提供する。社会が抱える問題点の全体像と優先順位、解決策のオプションと評価が必要な点で、コンサルのプロジェクトと共通するのである。高い失業率、給与の低下、社会保障コストの発散、生活保護世帯の上昇、つみあがった国債、、と構造的課題にまみれた社会に、新たにマグニチュード9の地震が構造改革と正しい意思決定の必要性を国民につきつけている。
未曽有の危機に見舞われたから今だからこそ、加速すべき/できる政策は多い。民営化や道州制、利権団体が反対してきた国有資産の売却(例えば郵貯)、農業/漁業の産業化や経済特区の施行、原子力発電の徹底的な安全化と増産も考えうるし、金融業界からは嘲笑の的である100兆無利子国債発行/その分相続税免除という亀井さんの主張がいかに荒唐無稽なのか考えることも、貴方の経済学/金融への理解を深めてくれるであろう。この震災復興策を考えることは、当然面接で頻繁に聞かれることになるであろうトピックに対する準備になるのみならず、未来のリーダーシップを担う皆さんが是非主体的に考えなければならないテーマでもある。
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ケース面接対策の罠
posted at 2011.3.08
新卒にしても、転職志望者にしても、相変わらずケース面接に関して色々外資セミナーに質問を寄せていただく機会が多い。外資セミナー設立当初の9年前と異なり、いまやどの本屋の就職対策コーナーもケース面接対策本で埋め尽くされている。
そこで、面接対策する上での、外資コンサル/外資金融の世界で10年働き、同僚も世界中のマッキンゼー、BCG、ADL,ベイン、ブーズアレンのプリンシパル/ジュニアパートナークラスに出世した今、最近彼らと話して感じた”面接対策典型的落とし穴”について、少しシニアの視点から書いてみたいと思う。
まず、ケース面接など所詮対策次第でなんとでもなることが浸透しており、面接官である我々の側からすると、フレームワーク対策がちがちでつまらない内容の無いことをぶつぶつ言われるのが一番キツイ。所詮、論理的に超賢い、などというのは(ある程度賢い人の間では)あまり差がつかない。面白みのある、センスのある話を、ある程度論理的な全体感の中で話せてるかどうかが肝心なのだということを強調したい。全然目新しくもない、面白くないありきたりの話を、いかにも“対策してきました系“のフレームワークで話されるうんざり感は、堪らないものがある。
次に、誇張と無責任な断言のない就職対策本は存在しない。売ってる本は作者が誰なのか、どんな誇張があるのかを注意深く見て、本の内容(元コンサルが書いていると謡っているもの等)を鵜呑みにするな、と忠告したい。本や”アドバイス”の内容は、あくまで参考程度にとどめること。貴方と筆者のバックグラウンド/経歴/突っ込まれて話せる分野/得意な分野、つまり文脈が各自で異なるのだから、決してマニュアル本を鵜呑みにしてはいけない。”面接官がコンサルとして好む人材はどんな人ですか”とか、”結論からはなしたほうがいいですか、背景から話したほうですか”とか、”他社受けてるか聞かれたら、御社だけというべきですか?”などの、大学受験気分が抜け切らない、マニュアル追求型の質問も、総じて、意味がない。同じマッキンゼーでも面接官によっては拘るポイント、好きなタイプが違うのだ(ベースで共通する部分はあるが)。当然基本的な指針はあるが、細部のアプリケーションや決断はケースバイケースであり、個別の文脈と空気を読むしかないのである。(一定の指針は当然当セミナーでも提供しているが。)
また、筆者や相談相手、講演者の信頼性を推し量ることも重要である。まず某大の学生や内定者で、コンサルをまだ経験していないか数年しか経験していない人が書いている本は、大学受験のテキストのようで形式的なテクニックがふんだんに盛り込まれているが、やはりコンサルタントとしての実際のビジネス感や現実性が乏しい。中には私が読んでもうなづくアドバイスもたまにあるが、総じてマニュアル項目が多すぎて、玉石混合で、実践不可能だったりする。また、面接を受ける側からすると面接官は偉大な知的権力者に思えて怯み勝ちであるが、残念ながら入社数年間は所詮、社内ではデータ集めとパワーポイント作成の下働きを始めたばかりで、上のマネジャーやその上のディレクターから毎日、コンサルとしての仕事の出来を詰められている人達である。そしてそのマネジャーやディレクターも、日頃クライアントに毎週散々怒られているのだ。結局のところ、全知全能のアドバイザーなどおらず、肩書きの凄い憧れの会社のシニアマネジメントでも、結構的外れで適当なアドバイスをしてくることを肝に銘じたい。
約
10年間、この業界で働いて実感するのだが、その業界で長年働いて現場を理解していて、しかも就職活動者が本当に聞きたい/知るべきポイントの両方を理解して、かつキャリアという人の非常に大切な決断に関するアドバイスに誠実さと責任感を本気で感じている人に相談する必要があるし、我々もそうでなければ就職アドバイスなどしてはいけない、と思っている。
私は多くの著名就職・キャリアアドバイザーと親交があるが、彼らの多くは貴方のこと(貴方が知るべき内容と求められる具体性のレベル感)を知らず、貴方が働きたい業界で十分な年月働いたことも無く、昔から話す内容が変わらず、大きく変わった就職市場と求められるスキルを知らない。またメディアでマスマーケット相手に売る為、大勢を対象とした、過激な誇張や断言が必要になる。結果的にそのアドバイス内容は、極端で、あまりにも抽象的で、ありきたりで、曖昧で、誰にでも言えて、誰にでもあてはまる無責任な精神論に終始する。私が一番嫌いなのは、目を引くために”就職活動で失敗する10の法則〜””これをやったら絶対レッドカード”等の、読者からの目を引くために、わざわざキャッチーな単語で頻繁に”客を寄せ付けるためだけに”更新される就職アドバイスコラムの数々である。
最後に強調するが、外資セミナーを含め、どの就職アドバイスに接するにしても、面接が多様な個性を持つ人間相手の面接である限り、絶対の解は無い。是非特定の回答やコメントを絶対視することなく、あくまで多様な成功事例からご自身にフィットする成功要素を取り入れて行って欲しい。
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貰った内定を、蹴る流儀
posted at 2011.1.25
これも外資セミナー参加者からよく頂く質問の一つである。実際少し前、某大手投資銀行の債権部門からオファーを貰い、受諾した人がいた。それは第一志望ではないため悩んだとのことだが、就職氷河期で不安もあるため、とりあえず受諾しておけと助言したのである。
しかしさすがに当セミナーがエコヒイキ枠に認定(外資セミナーでは極めて有望な参加者数人を、その後も引き続き無料でメンターサービスを提供している)し、その後も無料フォローアップを複数回授けた人材である。その後、その競合会社の大手米系投資銀行の、
某部門からオファーを貰った。これは彼の第一志望でもあった。しかし既に内定に先週サインしたところである。連日部門の上司を交えて懇親会が開催され、同期の人とも関係が形成されつつある矢先のダブルオファーであった。
ここで大切なのは、両社から内定を受けたからこそ出来る、徹底的なデューディリジェンスの実行である。既に内定を出した相手を繋ぎとめるのは投資銀行人事部の大きな使命である。部門の人と食事をお願いすればアレンジしてくれるし、もっと多くの人を逆にインタビューさせてもらうことだって出来る。(当然貴方の”欲しがられ方”次第だが。。)まずはフラットな心で、自分のやりたいこととのイメージのすり合わせ及び、直属の上司とのフィーリングマッチの度合いをじっくりと観察しよう。つまるところ、”自分のサポーターになってくれそうな人の割合”を見極めるのである。これは所詮、人間商売の金融業、直属の上司からの覚えめでたさが貴方のボーナスとプロモーションのスピードを、大いに決定するからでもある。
次に、断り方である。この人にもアドバイスしたのだが、誠意を尽くし、誠実に、礼儀正しく、しかしはっきりと断ること。出来れば直接ご挨拶させていただきたい、と断り先の会社で関係が形成されてしまった人々に、直接挨拶する。メールだけで済ませて欲しい人もいるだろうが、Face to Faceの挨拶で礼儀を求める人もいる。この業界は狭いため、別れ際の態度が非常に重要である。高い確率でその後のキャリアで遭遇する人たちであるということを忘れず、断るにしても最大限の誠意を見せて別れるのが、貴方のベストインタレストになることであろう。
最後にもう一つ強調したいのは、情に流されるな、ということである。さぞかし申し訳ないことであろう。さぞかし言いづらいことであろう。さぞかし迷惑をかけることであろう。しかし、それでも断固断る。会社側は不況になったら、容赦なく貴方の首を吹き飛ばす。まだ腹黒い利益本位の世界に染まっていない貴方は、人情のレベルで”せっかく私を認めてくださった方を、裏切れない。。”とか思っているかもしれない。しかし、1.会社は人情で貴方を雇い続けてはくれない 2.後悔するような選択は、結局貴方のモティベーション及びパフォーマンスを下げ、早々に転職先を探すことになる (イマイチの交際相手に、押し切られて結婚し、離婚に何年も費やす不幸な多くのカップルを思い出すこと)3.早めに断固決断し、揺るがないコミニュケーションをしたほうが、相手にとっても傷は浅い
ということを忘れず、礼儀がありながらも毅然とした態度で、別れ際マネジメントを上手くやることをお勧めしたい。
PS. なおその人は助言に従い先のオファーを断ったが、幸い良好な関係を築きつつ別れられた、少なくとも業界で後ろから刺されるような別れ方をしなかったことを後に当セミナーに感謝の手紙で伝えてくれた。
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就職活動における人脈形成について
posted at 2011.1.18
さて、ついに10年前の就職氷河期を上回る凍りつきぶり、ということで連日就職関連の報道がメディアをにぎわせている。今では100社とかにエントリーシートを送りまくって、各社からの大本営発表を沢山くらっていることであろう。しかし同じ情報源と同じ浅さの情報レベルでは、到底差別化できるようなストーリーはつくりにくい。
そんな中、大昔の就職活動末期の自分の努力を懐かしく思い出す。確か私は10年前の氷河期に、面接で会った中で波長の会いそうなバンカーにその後ランチつれていってもらったり、ディナーつれてもらっていたりして人間関係を形成し、面接のプロセスでも随分プッシュしていただいたものである。別に人間関係から来るエコヒイキだけではなく、当然個別の、私の理解レベル/情報レベルに応じたお話やフィードバックをいただけるので、当然他の面接官からしても”よくわかっとるな、そんなことまで”となるわけである。
外資セミナーに来る人の中でも、当セミナーは各自一回しか参加しては駄目、といってるのに、頑なに外資セミナーに4回も参加して講師と仲良くなり、その後ディナーや何やらでどんどん個別フィードバックを集め、見事コンサルファームと投資銀行各社から内定を複数獲得した人がいる。(2010年参加学生。)
また、最近大学のゼミのOB会に顔を出したのだが、偉大な先生と先輩(?)を前に凍り付いているだけの学生もいれば、必殺愛嬌で見事懐に飛び込んできて、私はなんと、今週5人もの学生にありがたい就職アドバイスを与えるのみならず、カニ鍋まで奢らされるハメとなった(1/24加筆:結局8人に増え、回っていない寿司を奢らされる羽目に)。
そしてこういう”相手の懐に飛び込んで、それを愛嬌と敬意を持って長期維持する力”は、とりもなおさずコンサルティングファームや外資金融で偉くなるにつれ、ますます重要なビジネススキルになってくるのである。
今は一月、そろそろ各社共に内定を出す相手を絞っている頃であるが、この段階で選考に残っている、ほぼ横並びの人たちの中から頭一つ抜けるため、是非各社/業界の(内部の人から見たら笑止千万な)ステレオタイプのレベルの話をしなくてすむよう、積極的に具体的で深堀りできていて、しかも現実とマッチしているストーリーを面接で話して欲しいのもである。
なお、2011年最初の外資セミナーは4月に予定されているが、それは対象を3年生になっている。既に4年生になろうとしていて参加できない”過去外資セミナーに参加した人々”は、すっかり親心の芽生えた講師陣がボランティアで相談に乗るようにしているので、info@gaishi-seminar.netまで、参加したセミナーの日程と共に相談内容を送って欲しい。ボランティア講師陣が、親切に答えてくれることであろう。
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LBO(レバレッジドバイアウト)のディール構造に関して(前編)
posted at 2010.12.16
最近当サイトに、LBOに関する問い合わせが増えているので、LBOの基本的な仕組みに関してコメントをしたい。そもそもLBOという響きはカッコ宜しいからか、多くの投資銀行若手アナリストが配属されたがる分野である。2005年とかは投資銀行部の花形部門の一つでもあった。(その頃はバイアウトファンドによる企業買収が活発であったため。)
LBOというのはその名の通り、借り入れを梃子に企業を買収し、会社をリストラしたりしてキャッシュフローを増やし、それで買収時のデットを返済し、また企業価値向上後に高いバリュエーションで売り抜けて大もうけ(目標IRRは25%)というのが基本構造なわけだが、これを更に噛み砕いた説明の仕方をすると以下のようになる。
貴方はお好み焼き屋を開業した。出資金は鉄板と厨房で300万円。駅前のスーパーの隣という好立地条件であることから、銀行も安心してお店の建築資金と土地購入資金で200万貸してくれた。要するに貴方のお好み焼き屋さんは、資産が500万(鉄板、厨房、お店、土地)、ライアビリティーが借り入れ200万、出資金300万の会社である。
さて、そんなあなたのお好み焼き屋さんであるが、仲むつまじく夫婦で始めたのに、不幸にも貴方の積年の浮気と隠し子がばれて、お好み焼きを焼いてくれる奥さんと離婚騒動に発展した。
奥さんの請求慰謝料は500万円。貴方は現金が必要になったが、愛人に全財産を貢いできた貴方にそんな余剰キャッシュは無い。しかし家に帰るたびに貴方をなじり倒すお嫁さんと、これ以上一緒に暮らしたくない。しかたがない、どうせお好み焼きを一緒に続けることもできないんだし、このお好み焼き屋を売って現金化し、500万円を手にしよう(、、といってもすぐ慰謝料で消えるのだが。)
しかしこの世の中、そんな簡単にお好み焼き屋を経営してくれる買い手を見つけることなんてできやしない。ところがお好み焼き屋の鉄板と厨房なんて、お好み焼き屋を経営しようという人意外にとってはガラクタでしかない。そこで貴方はあなたの企業(お好み屋さん)の経営/再生を得意とする、新進気鋭のバイアウトファンド、如何様(イカサマ)パートナーズに売却することを決意した。
如何様パートナーズは幸い、その名と異なり誠実に交渉に当たってくれた。そして貴方のお好み焼き屋さんを、出資額と調達負債の合計である
500万円と評価してくれた。企業売却成立である。あとは如何様パートナーズが500万円を準備さえしてくれれば、それでいいのだ。
ここで如何様パートナーズは500万円を調達する必要があるが、彼らは自己資金で500万円を出すということはしない。自分で出すのは100万円程度。あとの400万円は阿漕(アコギ)銀行のLBOチームにファイナンスして貰うのである。 幸い、阿漕銀行はLBOに必要な400万円の利息を、LIBORに500BPSのスプレッドで応じてくれた。(LBOローンは、将来キャッシュフローを担保にしたローンであり、貸し手にとって土地担保のローンに比べリスクが大きいため、金利も高い。)
さて、ここで立ち止まって考えて見よう。
如何様パートナーズによる買収後のお好み焼き屋さんはどのようなファイナンス構造か?
資産サイドは? 当然不変である。相変わらずバランスシートの左側には鉄板、厨房、土地、建物が載っている。 ではバランスシートの右側は? もはや300万の出資金と200万の借り入れという健全で強固な財務構造ではなく、借り入れ400万に対し出資金100万円という、極めてレバーの掛かった(負債比率の大きい)財務構造になっている。
本LBOディールの結果、如何様パートナーズは出資金100万円で、資産規模500万円のお好み焼き屋さんを手に入れた。後は、この500万円のお好み焼き屋さんの価値を高めて、IRR25%を目指すのみである。(次回後編に続く)
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面接で”最近気になったニュースは?”とか聞かれたら〜法人税5%引き下げに纏わる呆れた議論
posted at 2010.12.14
たまに面接官が”最近気になったニュースは?”とか聞いてくるが、それに格好のネタを提供するのがこの法人税5%引き下げの議論。そもそもアジア各国の税率は日本の法外な40%に比べ半分程度で企業誘致に競争しているわけであるが、それを巡る最近の政策論議についてコメントしよう。
最近日本の某ファンドの創設者と会話していた時に興味深い話をしていたのだが、一言で言って”金のためなら日本では仕事しない”と。法人税で40%とられ、その残りの利益から貰う取り締まり報酬にも40−50%くらい国に持っていかれる。自分が創設したビジネスで、ディレクターボーナスとして受け取れるのは実に、稼ぎ出した利益の一割程度になってしまう。これは流石にやる気がおきない。
最近日本で勢いのあるアパレルの会社の社長とかが結構住所を香港やシンガポールに移しているのも頷ける。そもそもビジネスの市場の観点からも優秀な人材や企業が海外流出するインセンティブが大きい中、この途方も無い重税を押し付けられ、さらに財政状況から言って更なる増税が期待されるのだから。
さて、本題に戻すが、法人税5%を引き下げるというのは、その税率にまだ他国との差が大きいとはいえ方向性としては十分頷ける。
しかし驚いたことに、利益剰余金に税金をかける、というユニークかつ呆れることこの上ない議論がなされている。利益剰余金に税金をかけるなら、法人税引き下げても当然意味が無い。本来投資家に還元される利益に、法人税とは違う名前の税金がかかるだけなのだから。さらに企業は利益を生み出すインセンティブが失われ、ただでも低い日本のROEが更に低下(ゴールドマンの某ストラテジストが大好きなストーリーの反対)して、日本売りに拍車がかかることであろう。
”企業利益を悪”とみなす誤解と文化と大衆心理が、間違った政策の温床になっている気がする。
またこの5%の法人税減税分を、雇用にまわしたりという義務をつける、、といった議論がされているが、これは企業や投資家にとっては結局利益率が上がらないので、日本に投資するインセンティブに繋がらない。巨額の財政赤字や重税に加え、この政策提案と政策論争の質の低さが日本の地盤沈下を加速させているように思えてならない。
素晴らしい文化を持ち、サービス業は世界一親切でいいところが多い国だけに、政策論争の質の低さが残念でならない。
面接でもし最近のニュースで気になることは?とか聞かれたら、この手の”金融や経済に興味と理解があることを示せそうな話題”を、”変に政治家が馬鹿だ、とか偉そうで不遜な言い方をしないよう気をつけつつ”、感じ良く問題意識を述べるのが好ましい、と当コラムの読者層の皆様のニーズを鑑みて付け加え、今回のコラムを終えようと思う。
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モルガンスタンレーが聞く”なぜ優秀な中国人でなく、貴方を雇うべきか”
posted at 2010.12.09
昨年、今年とモルガンスタンレーがこの質問を面接で聞くケースが増えている。モルスタ、といってもいろんなバンカーがいるので一部の面接官が聞いているだけでファームワイドの質問事項ではないだろうが、この”優秀な外国人と比べられるようになった”現象は、新卒の市場に限ったことではない。昔日本オフィスで同僚として働いていた中国人アナリストは、揃いもそろって香港や中国本土、アメリカに渡り、よりディープポケットなビッグファンドで魅力的なパッケージを享受しており、日本人アナリストより彼らへの需要が増している。コンサル業界でも今年、ボストンコンサルティンググループの東京支社が、日本語話せなくてもいいから、と北京/清華大学の学生を数多く採用したことが新聞で報道された。
実物経済も2四半期連続で中国が日本を上回り、キャピタルマーケットの規模の差も拡大する一方である。外国人投資家は日本を売り払い、多少高くても中国とインドにせっせと投資する。
既に日本語ネイティブであることが中国語ネイティブであることより世界市場で競争力がなくなりつつある現在、頭がよく、ハングリー精神旺盛で昼夜いとわず働く中国人留学生に比べ、何故貴方たちを雇わなければならないか。
是に対して貴方はどう答えるだろう。まぁ、日本人の立場で言えることといえばやはり日本市場へのコミットメント、思い入れ、社会貢献マインドの強さが挙げられるかもしれない。またいい年を超えてお客を取りにいく立場になったとき、やはり日本社会では外国人プロフェッショナルにはM&A,プライベートエクイティなどコンピュータ相手ではなく人間相手の勝負になった時、外国人が多少不利に扱われるケースがあるのも事実である。
ただしM&Aのアングルが”中国市場で弊社を伸ばしてください”というケースが増えている中、留学生で日本語も英語もぺらぺらで、中国語ネイティブの人たちと戦うのはより厳しくなってきているのも事実だ。
何がいいたいかといえば、”日本に生まれた日本人である”ということがメリットかつ参入障壁で、大して努力しなくても高給を貰えた時代が確実に終わっているということである。そして皆さんが海外旅行先で出くわした、時給2ドル未満でせっせと働く真面目で優秀な人たちと、グローバルに戦う時代に就職活動をしていることへの警鐘でもある。
そしてこれは何もコンサルや外資金融の高給職に限った話ではない。例えばどこぞのメーカーに苦情の電話を入れたら、それが山東省に転送され、日本語を徹底的にトレーニングされた中国人コールオペレーターに繋がれることも増えている。わたしの居た某大手投資ファンドでも、財務モデルを作る下作業は、下っ端の日本人アナリストにお願いしていたものが、いつのまにやらムンバイにオフィスを構え、常駐インド人スタッフにアウトソースするように変わっていた。
前回の話に引き続き就職氷河期関連のネタで終わることにするが、今回の就職氷河期は日本国内のパイが縮小するのみならず、そのパイをグローバルで優秀な外国人と奪い合わなければならなくなっている、という点で10年前より更に厳しいものを感じる今日この頃である。
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就職氷河期におけるアジア・アングル
posted at 2010.12.06
大卒の内定率が6割を切るということで、私が10年前に経験した就職氷河期より更に凍っているらしいが、それはそうであろう。この間、所得は一割以上落ち込み、財政赤字は急拡大、GDPも資本市場規模も中国に抜かれた。(歴史的には当然の再逆転がおきた、ということであろうが。。)そしてこの手の氷河期は一過性ではなく、構造的に繰り返され、深刻度は増していくだろう。
さて、このようなマクロのありきたりの話を聞いたところでつまらないので、就職活動をしている一人一人の皆さんにどのような具体的インプリケーションがあるのか、私のキャリアや職場を振り返って“就職氷河期のやり過ごし方”について述べよう。
まず、今後10年の市場・競争環境を考えること。そしてダウンサイドリスクとアップサイドポテンシャルを考えること。私が今、新卒として就職活動をするのなら、5年後、10年後に自分の市場価値を高めるにはという観点で海外・特に中国アングルで職場を探すであろう。
外資コンサル・外資金融に残念ながら縁が無かった人が、次に総合商社等を目指すのは学生さんのおなじみの就活コースである。しかし皆が同じところを狙う上、別に今後需要が急拡大するわけでもないので、これら業界もあまり“ダウンサイドリスクヘッジ”になっていない。一方最近、香港やシンガポール、中東から“中国語も出来るアナリスト”はいないか、というヘッドハンターからの電話が頻繁に私の元に掛かってくるようになっている。私が見ているディールフローも、案件獲得のためには各社が”うちと組めば、中国市場への橋渡しが出来る!”と売り込んでくるようになっている。将来コンサルに行くにしても、MBAにいくにしても、投資銀行にいくにしても、“中国語もできますねん”(当然英語と母国語に加え)の威力が年々大きくなってきている中、“拡大するパイ(市場)で金を稼ぐ力”を得ているかどうかが貴方のするべきキャリア投資のアロケーション先だと実感する今日この頃である。
そんな中、仮に輝かしい所謂トップティア・コンサルファーム/外資金融/総合商社に入れなくても、まだまだ中国アングルで大きな機会を提供してくれる“キャリア投資にいい企業”は沢山ある。数年前に借金を返し終わった国内最大の未上場企業、フリーキャッシュだらけのリクルートは中国行きスタッフを積極的に探している。大和證券も香港オフィスを第二の本社と位置づけ業務を拡大している(
実際先月、ゴールドマンの友人が大和の某アジア拠点に移った。意外な事にGSに比べて、給料も上がったらしい)。流通に回ればコンビニエンスストア、例えばローソンもそうだし、ユニクロも海外進出を志望する人材を積極採用している。このような上場企業のみならず、最近私が投資案件でレビューしている多くのアパレル系の企業やメーカーが市場/人材/資金調達先(日本企業の海外上場案件が最近増えている)をアジアに求め進出しているのである。そしてこの中国語を喋れるようになって、かつ中国で仕事数年しました、という経験が数年後貴方が転職する時、どれほど(外資コンサル/金融を含め)貴方の転職を有利にすることか。
このアジアアングルという市場軸に、マーケティング、ファイナンスといった“自身が追求したいファンクションの軸”をクロスして探すことが(例えば金融でも、単に銀行でなく、その中のレバレッジドバイアウト部門を志望するとか、P&Gでもマーケや財務といった他の企業・業界で汎用性の高いプロフェッショナル職を目指すとか。)、プロフェッショナル機能の面からも、市場性の面からも、貴方の実り多いキャリア形成の一つの指針となるであろう。
(*なお、よく雑誌や新聞でみる“就職人気ランキング”とかで出ている会社の実態を投資家やコンサルタントの立場でよくよく知っているだけに、実態とメディアに踊らされている皆さんのギャップが悲しい。例えば玄人が知る超優良企業、ミスミのような真に働き手にとっても良い会社が人気ランキング上位に並ぶような、本質的な人気ランキングをそのうち皆さんに提供したいものである。)
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投資銀行部門ヘッドとしての心得
posted at 2010.11.11
今週、某大手外資系証券会社投資銀行部門ヘッドを長らく勤めている方と食事をした際、長期間当業界でヘッドを勤めるコツについて伺って見た。
一つ目に彼が挙げたのが“運”。これは多くの成功者が結局“運”を挙げるわけであるが、最大手投信会社で伝説的なパフォーマンスを挙げた方(元上司だが)に聞いたときも同じく“運”を挙げてらっしゃった。運の中身は多くのものがあるが、投資銀行部門ヘッドとして運を感じた局面として、何度か流石に政治的に首にされそうになった時に、大口の顧客がディールをくれたことを挙げていらっしゃった。(やはり元上司で偉い方なため、相手が匿名でも自然と敬語になってしまうが、読みやすさの為に以下敬語省略。)
その秘訣についてより深く聞いてみたところ、やはり時には所属する投資銀行の利益に反することになろうとも、正直にその顧客のベストインタレストに適うアドバイスを提供してきたこと、またそのような誠実なサービスを提供すれば似たような案件でよいレファレンスを業界内で提供して頂けた為に、連鎖的なディールの獲得に繋がったと話していた。
また投資銀行部のヘッドとして気をつけたことの一つに、グローバルのパートナー達が、東京オフィスが獲得し損ねたディールを槍玉に挙げてプレッシャーをかけて来た時、時に防波堤として東京オフィスの社員を守ってきたことも大きな役割の一つとして挙げていた。
ここに共通するのはつまるところ、“人を大切にする”という誠実な姿勢である。こう書くとありきたりに響いてしまうが、長年(年数をいうとこれまた分かる人は分かるため割愛)社内政治と陰謀うずめく投資銀行業界で複数回の大きな波を生き残ってこられた方が仰るだけに、その言葉は重い。(なお、このような姿勢は何も偉くなったグローバルパートナーだけでなく、新卒の学生の方の中にも時に見出すことの出来る、人間としての本質的強みである。)
他にもありがたい金言の数々を頂いたが、顧客企業が世界で引き続き競争して勝ち残るために誠意を尽くしてきた、と、一見“腹黒く時に顧客を騙してでも利益を追求するバンカーが多い”当業界において、このようなお心で長年ヘッドを勤めてこられたとは思いもせず、大抵斜めに構えて見てしまう私でさえいたく感動してしまったのであった。
今後外資金融への就職、転職を目指される皆さんには(こんなこと書くと面接対策でこの手のストーリーを作って“私の強みは人を大切にすることです”とか言ってきそうだが)是非、“人を大切にする”の意味に深く思いを馳せて、(滅多にいない)尊敬できるバンカーを目指して欲しいものである。
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”選択肢の広がるキャリア”について
posted at 2010.11.8
さて、私が堀紘一さんとお話させていただいたときに印象に残ってる話の一つに、30歳になっても自分のやりたいことなんてわかってるわけない、というのがある。
23歳くらいの時に聞いた話だが、自分が30を超えると確かに、長年コンサルや金融で色々な仕事をしてきて、ようやくキャリアコンセプト、つまりどんな価値観を実現するときが充実感を感じるのか見えてくるものである。
言い換えれば、一部の、最近新聞に乗っていた子供の頃から宇宙が好きやった、とか、昆虫の研究こそ一生の関心事項、、といった幸運な人を除き、自分が何をやりたいかなんて、その狭い見識と経験の幅からして、実感を持ってわかるわけないのである。
ここで重要なのは、“いざ30とかで自分のやりたい仕事が見えてきたとき、手を挙げられるポジションに自分を置いておく”ということである。10年先に自分がどんな仕事をやりたいと思ってるかなんて、どんな仕事が世の中に存在し、どんな問題が世の中に存在し、どんな形で社会貢献したいかまだ材料不足の新卒・第二新卒に分かるわけが無い。となると、いざとなったときに幅広い職種に移れるような、融通の利くキャリアを歩んでおくことが、後にやりたいことが見えたときのためのリスクヘッジとなる。
この点、戦略コンサルの仕事は非常にお勧めできる。クライアントも他業種にわたり、経営の課題も新規事業戦略、M&Amp;A戦略、組織リストラクチャリング、KPI設定等など、多岐に渡る。すると自分が何をやってる時に充実感を感じるのか、広い経験の中から選択することが出来る。 またレジュメ上のマッキンゼー、ベインアンドカンパニー3年という経歴は30そこそこであれば事業会社へも留学へも、金融へも幅広くトランスファーが可能な経歴である。
よく就職アドバイザーが本当の自分の適性をするために、自己分析せよ!!とか言って謎の本を売ってたり、謎の合宿を開催していたりするが、“無い中身から何かを振り絞るような無謀な試み”に走ることより、若いうちはともかく将来選択肢が広がっている仕事を念頭に、キャリア選択されることをお勧めしたい。(*かといって、限られた経験からでも自己分析して、今後の当たり所に仮説を持つことは重要だが。)
私の経験から言うに、戦略コンサル、リクルート(営業力はどの会社でも活かせる)、金融(特に投資銀行ならIBDか株式調査部は会計や金融知識のファンダメンタルが付く)、バイサイド資産運用アナリスト(何気にニッセイや信託銀行の資産運用部門は、お客の立場で気楽にファンダメンタル投資行を学べる。会社の金で提携しているニューヨークのパトナムに出向させてもらい、そのままヘッジファンドに転職したりする人もいる。)、商社や官僚で、会社や国の金で留学まで行ってけしからんことに卒業直後に転職、などといったよくあるケースに加え、例えばプラント会社で中東に送ってもらったり、某アパレルや小売に入って中国でのオペレーションを学んだり、、といった、何も外資コンサルや外資金融にこだわらなくとも、今後の選択肢と貴方のマーケットバリューを高めてくれる職業は意外と沢山あるのである。
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身近で起こる産業構造の変化
posted at 2010.10.26
例えば私がコンサルティングファーム勤務時代、テレコム関連のケースに参加していたとき、携帯電話は当時、ノキア、モトローラという巨人の遥か下に日本メーカーが乱立し、そのちょこっと下をサムスン、LGが追うという展開であった。
しかし最近のニュースでは一次日本市場で一斉を風靡したシャープが去り、また一斉を風靡しなかった三菱もようやく撤退した。なるほど、店頭に行けば一昔前ではお目にかかれなかった、クールなデザインのサムスンやLGが店頭に並んでいる。
実はサムスンのギャラクシーSを買ってみたのだが、これは凄い。私の携帯人生と携帯端末へのイメージを大きく変える革新的商品であった。(使って見た人はiPhoneよりよっぽどいいといっているが、私もiPhone4が売り切れてたから買っただけなのだが、結果的に大満足である。)
実はその昔、“数年後にやってくるスマートフォン市場での戦略”についてとあるプロジェクトに参画したこともあったのだが、落ち行く日本メーカーと一心同体の産業構造の中にいるクライアントだったので、その多くが実現されずにお蔵入りになってしまった。
さて、何が言いたいかというと、皆さんは投資銀行部門やプライベートエクイティファンドを受ける時、当然志望動機やどんなディールを面白いと思うか、などを聞かれたりするわけだが、そういう時に“実際身近で感じた原体験”を元に話すのが、もっともらしく、自然であり、好まれる、ということである。(かといって、こういうサイトを皆読んでいるので、この携帯ネタを全員が使う前に是非ご自身で深め、加工してご参考頂きたいが。。)
雑誌の記事や他人の話の受け売りは“自分で本当に考えてる”感が乏しく受けが悪い。
現在動きの遅かった日本企業の一部がついにリストラを始めたが、このリストラは10年前の不良債権リストラに比べ大きく性質を異にする。
昔はバランスシート不況であり、資金注入でなんとかなったが、今はPL不況、ビジネスモデル不況、つまるところ各社国内トップラインが下がる中でどう勝てるビジネスポートフォリオを再構築していくか、というより戦略的志向の求められる大変な産業構造変化のさなかに私たちは生きているわけである。
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各投資銀行の違い〜何故ゴールドマンサックスか?
posted at 2010.10.23
投資銀行各社の何が違うか‐何故ゴールドマン?
みたいなことをよく聞かれるが、面接対策に関連付けてここでゴールドマンの特徴を一つ書こう。
まず、動きが戦略的で早いと感じさせるのは確かである。最近の例ではサブプライムの時に逆張りで唯一稼いでいたのも挙げられるが、日本の事例だと不動産投資銀行やマーチャントバンク、不良債権ビジネスやプライベートエクイティも常に先駆的存在感を示した。
そして遅れて入ってきたメリルとかがプライベートエクイティを始めたころにはすでに市場サイクルは終わっていて、数年でチームがぶっとぶはめになったのである。(別にメリルが悪いバンクだと言ってるわけではないし、一つの失敗例にだけ登場させるのはフェアではないが。)リスクの取り方はしっかりしているし、ディールの中身を見てみるとやはりストラクチュアリングのところの工夫で上手く儲かるように出来ている。(詳細を書くと様々なことに抵触するのでここでは避けるが、ちょっとえげつなくて邦銀系が顧客に言いだせないような条件だったりする。)
人脈も一つ群を抜いている。ポールソンやルービンをはじめ歴代経営陣がホワイトハウスに深く突き刺さっているのは周知の通りだが、そこまでいかなくても大手バイアウトファンドの創設者など、ゴールドマン出身者によるビジネスネットワークは強固なものがある。コンサルの中ではマッキンゼー出身者がそうだが、投資銀行他社に比べ、独立志向が強い人が比較的多いのかもしれない(特にIBDかPIA)。めでたく入社したら、将来様々な分野で成功する人が多いことを意識して、多少人的には腹立たしい傲慢な相手であっても若いうちは可愛げを振りまいて敵を作らないことが、貴方の将来の助けになるであろう。
カルチャー的にはやたらとチームワークを強調してくる。面接でも明示的に“チームワークの経験について”とか“人と揉めたときの対処法”等について聞いてくる。正直言って、チームワーク到底出来てないだろこの人、という攻撃的で傲慢な人も実際多いのだが、とにかく建前上は“チームワークカルチャー”にフィットするようなお話が特に好まれるのもこの会社である。
まだまだ特徴を挙げると切りがないが、最後に一つ付け加えるならば結局のところ、“皆から悪口を一番いわれる投資銀行だ”というのがその業界のポジショニングを明確に表している。
皆さんが面接で各社を受ける時、“なぜゴールドマンでなくてウチなの?”とよく聞かれる。他社から競合相手の悪口を聞く時も、一番話題になるのはこの会社。
以前ゴールドマンへの志望動機を聞いたとき、一言で“ライバル各社が常に御社の悪口をいっているからです”と答えている人がいたが、言いえて妙な一言である。結局のところ、業界各社が一番意識しているトップバンクなのである。
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国際金融の現場から見た失政の数々
posted at 2010.10.22
例えば3年ほど前の建築基準法改正。基準改正の詳細があいまいでガイドラインの提示も遅れ、建築業者や不動産業者の新規案件の認可が大幅に遅れ、ただでも苦境に立たされているゼネコン業界に更なる崩壊圧力が加わったのは記憶に新しい。
例えば消費者金融のグレーゾーン金利。これほどあきれた後出し規制も珍しい。アイフルやプロミスに投資していた投資家で大損した人も多いのではないか。またSFCGや昭栄はまだしも、真面目にやってきた消費者金融業者の皆さんも倒産に追いやられ、たまったものではない。
当然高金利、高リスクに需給の市場が成立するからこそ存在する業態であったわけで、この消費者層がはがれることで、国内市場の消費減退に拍車が掛かり、高リスク金利で回っていた家計が崩壊し、生活保護や社会保障コストの増大にも繋がる。
なお身近なところではあの厳しすぎるまでの飲酒運転禁止。これで地方の居酒屋が次々と倒産していることをご存知だろうか。確かに安全を振りかざせば全て正当化できるのだろうが、どうも私の目には“当局者が、暇でやること無いから次々と迷惑な規制をつくって、ただでも縮まっている経済を締め上げている”ように思えてならない。
そもそも日本を始め、高齢化する先進国は相当のイノベーション/改革無しには貧乏になることが運命付けられている。労働者の仕事が機械に奪われ、、、というマルクスの資本論の一部は、メーカーの工場見学で猛スピードで働く産業機械を見たとき、間違いないと実感したものである。
原材料は食品、燃料を含めて高騰の一途をたどっている。以前ゴールドマンのニューヨークのストラテジストと話した時、原油がバレル80ドルでまだ上を目指すと話していたときに鼻で笑ったものだが、一度リーマンショック後に底に落ちた後、その後の反騰ぶりは(金も含め)甚だしい。昔お金の無かった途上国がいまや輸出者から輸入者に立場を変えており、世界の資源を安価で享受できた時代も明白に終わった。
更に言えば資本に関しても、国内の雇用のために国際競争力を犠牲にして立ち行ける時代は終わった。タカシマヤが次に大型店舗を出すのはベトナムであり、電気機械メーカーが工場を作るのはタイであり、国内サービス業が進出するのは中国なのである。
仕事は機械に奪われ、また仕事の元になる資本もグローバル競争にさらされている。そんな中、のんきに縮小する国内経済にしがみついている場合ではないし、よもやその縮小に拍車をかける政策不況を甘受している場合ではない。
ただ、山積する問題にも関わらず日本企業の動きは恐ろしく遅い。これは外国人機関投資家やファンドの皆さんと話しているとき、一様に呆れながら合意に至るポイントである。とある大手ファンドのファンドマネジャーは日本経済をゆで蛙に例えていた。
それにしても何故日本企業の動きはこんなに遅いのだろうか。様々な問題点と悲惨な政策の失敗にもかかわらずまだなんとかやっていける位、国内市場と貯蓄が今までは大きかった、という日本の美点が、緩慢な企業改革を許したパラドキシカルな日本の不幸に繋がっている。実は政府や銀行の動きが大きなファクターなのだが、その詳細は長くなるのでまた次の機会に譲りたい。
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経団連によるリクルーティング規制について-「学生/企業共に、更に不幸に」
posted at 2010.10.14
新卒就活は4年の夏から 経団連、長期化に配慮し徹底へ
こういう規制を見ると、気持ちは分かるのだが微笑んでしまう。
ますます経団連に属さない企業、そんな規制関係ない外資系企業の青田刈りの独壇場になるであろう。
といっても総合商社とか日系証券もインターンとかを強化して“採用には関係ありません”と看板を掲げつつ、実際は一部の大学を対象に採用活動に勤しむのである。
採用に関係ある、というと対象外の大学生からクレームを受けるため、この点企業は慎重だ。しかしリクルーティングを悠長に4年の夏から、などと馬鹿なことはまずない。
大体2年活動しても自分のやりたいこともわからず、かつ面接なれもせず、内定も獲得できず、、という人が多い中、それを2年から半年に縮めて、何を狙っているのか。
せいぜい学校側は学生が就活より学校を尊重してくれて、ちょこっとは嬉しいのかもしれない。しかし現実的には、企業と学生の間で更にミスマッチが拡大することであろう。
そもそも社会に出たら、かつ外資金融、コンサルともなれば常にマルチタスクで複数の仕事を同時並行でこなさなければならない。
就活と学業の並列、学業とバイトの並列、学業とサークルの並列、、とか考えれば、学業をおろそかにしないために就活に規制、、、というのは極めて残念な発想である。
それよりやるべきは、“この授業逃したら、人生のためにももったいない!”という知的刺激、能力開発、社会の体系的理解等につながる授業を増やすべきではないか。
企業側に足かせをはめるより、大学側に、学生により選択し、進んで受講してもらえるような魅力的な授業を増やせ、というのが私の私見である。
PS .なお、外資セミナーには大学二年生の参加者もいれば、驚くことに一年生から参加している人も一部いる。
そして就職活動の3年の時に、再度参加して私たちを驚かせるのである。ただ一年だろうが二年だろうが、事前ベンチマークアンケートの内容さえ優れていたら、基本的に年齢関係なく外資セミナーには参加が可能である。
PPS. ついでに言えば、この手の規制は一言で言えば就職活動のゆとり教育では、と感じてしまう。
世の中はビジネス、人材獲得、就職活動ともに競争が激化しているのに、的外れな規制でさらに社会全体を弱体化させてしまうのである。
就職活動が長引くのはよくない、なんて誰が決めたのか、と私の恩師が昔話してくれたことを思い出す。
無料で様々な産業の社会人から貴重な時間を頂き、様々なインタビュー調査を出来る貴重な教育機会と捕らえてはいかがか。
私が教師なら大いに大学生活と就職活動、バイト、サークルとのマルチタスクを奨励しつつ、それらに負けない有用な授業カリキュラム作成に勤しむであろう。
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外資系戦略コンサルからの転職先について
posted at 2010.10.14
昨日はコンサル時代の先輩が家を訪れて、その後のコンサル同僚のキャリアを話していたのだが、その多様性が面白い。
1. そのまましぶとくプリンシパルにまで上り詰めた者、
2. プライベートエクイティファンドに転身した者(これがマジョリティ)、
3. 台湾の企業グループに直訴して入社し、会長の右腕として中国大陸に渡り食品ビジネスに身を転じた者、
4. 独立して企業相手の某事業を営む者(ニッチで特定可能なため、ぼかす。)、
5. 事業会社のマネジメントに迎えられ、その後社長になった者、
6. 大手ベンチャーキャピタルで頭角を現し、すっかり業界では世界的に有名になった者など、高々5-6年の歳月の間にその後のキャリアは極めて多彩である。
私のいる業界も、確かにコンサル出身者と投資銀行出身者が多く、中でもマッキンゼー、ベイン、ゴールドマン、モルガンスタンレー出身者が多勢を占めている。
そして、新入社員時代に3年一緒に過ごしてた、とか、その時の友人の紹介でまたビジネスで繋がった、、とか、とかく人間関係が世界に散らばっても狭いため、どこで働くにしても自身の評判を大切にして活きるのが外資コンサル・外資金融の鉄則なわけである。
思えば確かに、上記で華々しく転身を遂げた人に共通するのは、(一部の人を除き)総じて誰に聞いても“あの人は頭いいだけでなく、信用のある人だったよね、しかも面白いし”となるわけである。
コンサル時代の先輩と話していて、コンサルやって何がよかったか、と話し合ってみた。やはり若くして(今はそうでもないらしいが)入社3日目に会社の顔として先方に送り込まれ、プレゼン任せられ、一人置いてけぼりで用語も分からない会議を取り仕切らされる、、みたいな、乱暴だがカーブのスティープなOJTがあったことは思い出深い。
また同僚や先輩、後輩も優秀な上に好奇心旺盛なので、その後の様々な業界の一線で活躍する人脈が若くして(貴方の態度次第で)得られることも大きい。
レジュメ上のクレデンシャルのおかげで、結構幅広い選択肢が30過ぎそこそこまで待っていること、また世間知らずの学生が、幅広くビジネスを学ぶにはまたとない機会であることが挙げられる。
そして勘所のいい人は、立派に社内政治や年上の顧客企業のマネジメントに気に入られる謙虚さ、対人折衝能力を見極め、誰に、いつ、どんなことを言ってはいけないか/言うべきかも学び、貴方を引き上げてくれる財界の後ろ盾を獲得していくのである。
コンサル入った後、どんなところに転職するのですか、などという、個別ケースによって違うのだからあまり話しても仕方ないと思うが頻発する質問に答えるべく、今回はこのテーマを扱って見た。
最初に戻って付け加えるなら、コンサル後にメーカーに行く人もいれば、自身のPhDを生かすべく、コンサルとの融合領域で医療ベンチャーに参画する者もいれば、金持ち捕まえて主婦になった人もいれば、新卒の面接時、世銀や国連に入りたい、とか言っていて、(私が内心嘘嘘、とか思ってたら)本当に3年後世銀に行った人もいれば、大学の助教授になった人もいる。
要するにコンサルその後のキャリアは極めて多彩だが、1. 一旦視野を広げて自分の適性を見極め、2. 過去の人生と照らして自分が本当に何をやりたいかを見出し、3. かつ見出した時に転身するバックグラウンドが出来ていやすい(人脈も含め)、という意味で、若いうちにチャレンジするには非常によいキャリアだと思う。
PS. ただし30後半とかで入社してきた中途の方も何人かいらっしゃったな。。。数年後事業会社や投資会社に戻っていったが。30後半や40前半で入ると、出身業界からのプロジェクトケース獲得が期待されるので、1年超えてケースを一個もとってこれないと、結局辞めさせられることになる。
ないし、古巣に戻るのを前提に、MBAみたいな感覚で2-3年30後半で働き、元居た会社にキャリアアップして戻っていかれたケースもあるので、一概には言えないのだが。本山さんのために一言付け加えておけば、外資セミナーは何気に40そこそこの方も中途編に参加されているので、若手のマネジャークラスで志望される方も是非当セミナーをご参考にしてほしい。
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30代前半の外資コンサル転職活動‐「地に足ついた使命感」
posted at 2010.09.24
さて、外資セミナーには医師や官庁、大手企業で勤務する転職志望者が数多く転職・面接対策のために来場されるわけだが、私が講師を担当した時の感想を少しつづって見よう。
まず、本当に純粋に社会・会社をよくしたい、と思われてる方の多いこと多いこと。これは新卒学生諸君対象の外資セミナーでも感じることだが、そしてある経済紙で私が書いたことでもあるのだが、“最近の若者は昔に比べ本当にだらしない、、”とか言っている経営者は、所詮その程度の若者にしか出会えない会社なのでは、と感じる今日この頃である。
そして中でも飛び切り感銘を与えてくれた参加者の方を継続的に支援し、その人の社会貢献達成を支援することで間接的な社会貢献と思ってるわけだが、最近印象に強く残っているのはある国内ビジネススクールに通う日系サービス業出身の34歳の方だ。
彼は初めてマネジャーに昇進した時に、今までは自分のパフォーマンスを挙げることに必死になっていたのが、周囲の生産性を挙げ、成功を助けることで全体のパフォーマンスを上げる役割に変わり、視野が大きく広がった原体験からマネジメントのプロを志向し、10年にわたって勤務した会社をやめ、ビジネススクールで学んでいる。
我々面接官(我々の外資コンサル・外資金融業界での本業では、日々の業務に加えて本当に面接もしている)も人間なので、極めて個別の原体験を語られると、“ああ、この人はほんまにそういう強い気持ちを持ったはるんやな、、”と応援したくなる。
他にも、医師として勤務していたが、システム導入で大幅にコストカットに成功してより良い医療サービスを提供できるようになった経験から、医師としてよりも病院の経営に関心を持つようになり外資コンサル転職を志望した人(ちなみに某トップファームに内定)。
中堅コンサルファームで勤務しながら、ごく稀に恵まれた新規事業案件でのやりがいをもとに、新規事業立案のケースが多い某大手戦略ファームへの転身を志望する人。
大手自動車メーカーで、グローバルの資材調達を任され、長年の付き合いの中小業者を切ることで20億円浮かせて自分の業績になったが、それが正しい判断であったか迷いながら経営判断の何たるかを突き詰めるべくコンサルを目指す人。
また長年勤め上げた某大手日本メーカー内部の、肥大化した官僚組織の旧態依然ぶりに絶望し、このような企業を直すには外部からの力が必要と思い、コンサルを目指すようになった人、、、。
ふと思い出しただけでもやはり、30前半という“そろそろ身の振りどころを決めないと、将来エライコトになるお年頃”の人の転職動機は、人生のミッションというか、10年働いた後での実感した問題意識というか、地に足着いた使命感を力強く感じるものである。
と同時に申し上げたいのは、これらの本当の志望動機は最初の面接では総じて出てこない、ということである。
せっかく刺激的な経験をし、力強いリーダーシップを発揮し、人の成功を助け、上司の期待を上回り、組織の成長を助けた経験の数々を個別の具体的なストーリーで語れるにも関わらず、そして掘り下げて聞いてみると、応援したくなるような“なるほど、あなたはそういう人なんだ!”という感動を伴う志望動機を持っているにも関わらず、多くの人は極めてつまらない、凡庸で抽象的な、“機械のような死んだ言葉で志望動機の金太郎飴を大量生産”しがちである(=抽象的で同じようなことを言う、という意味)。
外資セミナーではポテンシャルを既に秘めている人のストーリーを、外資コンサル、バンカーが好むような形で表出するのを助けるだけでなく、往々にして本人自身が気づいていない自分自身の本当の志望動機、強み、弱み、職業のコンセプトを洞察し、それらを統合して納得感と具体性のあるストーリーに仕上げることを提供価値の一つに掲げている。
しかしこんなこと書いたら本山さんにもう講師呼ばれないかもしれないが、わざわざ外資セミナーに参加なさらずとも、ここに書いたメッセージ及び以下の要約を意識して面接対策に望まれれば少しは参考になるだろうと思うので、本コラムの要約をここに書き記しておこう。
1.個別の具体的な原体験を語るのが好ましい:ただしそれが“確かに戦略コンサルの仕事だよね、かつ他の仕事では実現できないよね”に繋がっていることをお忘れなく。
(なお、外資セミナーは“絶対にこうせよ”というメッセージは送らない。これは所詮面接は人間対人間、場の空気も読まなければならず、一概に一般化できるルールなどないため、本コラムで書くメッセージは全て“相対的な考えの一つ”くらいに受け止めてほしい。)
2.個人で大活躍した話より、チームの生産性を高めた武勇伝を語ること:外資コンサルや米国MBA、外資金融共通のカルチャーだが、そして実践されているかどうかは大いに疑問だが、外向けのアピールとしてはとして“チームの生産性を高めることで全体のアウトプットを高めた”みたいな話が大いに好まれる。
それこそマネジメントの何たるかであり、あなた自身がプロフェッショナルエキスパートとして凄いこととはまた別の話である。
3.当然ながら、自然な誘導コミニュケーションの心得:変な演説口調で一石ぶつのはもってのほかだが、聞かれるまで語るべき話を埋蔵したままで置くと、大抵面接官に発掘されずにその話はお蔵入りになる。
立派な面接官は候補者の本当の姿を引き出すために、適切な質問を適切な雰囲気を作りながら仕掛けてくるものだが、往々にしてヒト的に残念な面接官も外資コンサル・外資金融には(業界に限った話ではないだろうが)多い。
よって貴方は何を聞かれたところで、貴方が伝えたい3つくらいのポイントに自然に話を誘導することで、貴方の“成熟度・信頼感”“論理性”“人としての可愛げ”を戦略的に、かつ自然に押し出していって欲しい。
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外資系転職活動における人脈に関して
posted at 2010.09.12
さて、外資金融の日本支社でなく欧米の本社で、○○○などのトップティア・ファンドに勤めているカウンターパートのレジュメをチェックすると、東京にいる同僚のバックグラウンドを振り返りつつましい気分になる。
まず、ハーバードMBA、スタンフォードで学部、フィリップアカデミーで高校生活というのは基本である。(先日5人とご飯食べて、3人がフィリップアカデミーであった。
そういえば、私の前職のCIOとディレクターも、イートン繋がりである。)
これはアメリカに限らず多くの先進国で、賢ければ貧乏でもなんとかなる日本と違って“親の金と人脈がトップ0.01%でなければ入れない世界”が実際存在している。例えば私の香港支社の友人は、3歳の子供(毎週ディズニーランドに連れて行くようせがんで来る!!)をエクスパット用インターナショナルスクールに入れるため、当然のように20万ドルを学校に寄付したのであった。
そこで幼少時代から同じような人たちが共に学び、イェール大学に共に進学し、ゴールドマンとドイチェバンク、というように入った会社は違ったものの、HBSで再会。 後にKKRとブラックストーンにそれぞれ進み、同時期にウェルズリー大学のオーケストラ部の女学生と結婚。
そして同じディールを違う会社の立場で共同投資し、片方が独立するときにパートナーとしてもう片方を引き連れてくるのである。
何が言いたいかといえば、あきれるくらい世界金融の上層部は、お金持ち仲良しクラブの中で回されているということである。(そういえばロンドンでのグローバル・トレーニングで、ハプスブルグ家とか、朝鮮王朝のひ孫とか、台湾有数のデベロッパーの息子が一緒であった。)そんなことを就職活動・転職活動者向けのコラムで書く理由は、特にない。 さっきミーティングで会った人々が、全員上のような経歴であったため、この驚きを誰かに伝えたくて適当に書いているだけである。
しかし無理やりインプリケーションを述べれば、20代中盤までは日経新聞の日曜日採用欄、20代後半までは東京にも一杯いるヘッドハンターのお世話になるのだが、30そこそこになってくるとやはりいい仕事は、既にそれぞれの人がお持ちのネットワークの中で回されるものだ。
若い時はオープンマインドで新しいお友達を積極的に作っていた貴方も、30を越える頃には人間関係に疲れ、“過去あんなに愛した彼女に振られた経験”から、今頃人間不信に陥っているのではあるまいか。そんな貴方がハイヤリングマネジャーであれば、レジュメが立派な他人より、同じくレジュメが立派で気心の知れた友達を自分の周辺から引っ張ってくるのが人間の性なのである。
若い頃は“ビジネスも学校と同じで賢い人が偉いんだ、正しいことを言う人が尊敬されるんだ、知的刺激を求めつつ、世の中を変えたいんだ!!”などと思うものだが、10年後、貴方に必要なのは、“ええとこのボッチャン”“(とんでもなく)金持ちの息子”、より具体的に言えば、“貴方が仕事を変えたいときにすぐ紹介してくれる/声をかけてくれる/推薦してくれる”お友達なのである。
30そこそこの転職志望者の皆さんや、まだ20代になったばかりの学生諸君は、今在籍している一流の学校/会社が与えてくれる“人脈形成”という機会のありがたさを悟る前に、さてはマージャンや塾でのバイト、はたまたラブプラス(しかもニューバージョン)にウツツをぬかしているのではあるまいか。
若き日の勢いが過ぎた後、貴方のキャリアのダウンサイドサポートは、破綻した日本の保険制度ではなく、貴方に立派なレファレンスの数々を送ってくれる、成功した友人達である。
成功や友達、信頼の定義は今後の白熱(していないが、、)コラムに譲るとするが、あらゆる機会に信頼できる友人をつくれるよう、日々人格を磨くことが結局キャリアの成功を大きく助けるのである。 (、、とコラムが無難に纏められた場合、今後も”意図的に無難に纏めてる”のだと、今のうちに白状しておこう。)
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外資コンサル・外資金融 入社10年後の明暗
さて、とにかく外資コンサルに入りたい、外資金融に入りたいという人々に、“長期的なキャリアビジョンを考えたら、貴方にあってないのでは、、”等といっても、おそらく聞く耳を持たないことであろう。 私も昔はそうであった。
しかし多くの外資系ファーム、ファンド、インベストメントバンクを渡り歩き、バイスプレジデントのお年頃になった結果、同期で投資銀行部門に入った人々を見渡すと、その向き・不向きを痛感することが多い。
香港マーケットでデリバティブトレーダーとしてボーナス4億でも文句を言っている私の親友。ゴールドマンから某大手ヘッジファンドを渡り歩き、ミッドタウンの200平米の部屋に、大学時代は全然もてなかったのに金の力で東京中のモデルと合コン三昧のゼミの友達。
投資銀行部門から某大手米系プライベートエクイティファームに移り、ディールは無いものの比較的悠々自適なバイサイド生活を送る元テニス部のハンサムボーイ(ちなみに嫁さんは大学一の超美人)。一つの投資銀行に長らく勤め上げ、今ではディレクター/バイスプレジデントとして各投資銀行の中核を担うようになった同僚たち。
着々とキャリア&年収アップを果たしていく成功事例をよそに、失敗した人たちの末路はそれはそれは悲惨である。一年目のドットコムバブル崩壊で瞬く間に放り出され、なんとかサードティアのコンサルファームに滑り込みセーフ。
2005年のマーケット回復期に欲を出して投資銀行に返り咲いたものも、又しても上司と反りが合わずに実質指名解雇に等しい早期退職に追いやられた後、失業保険を貰いながらこっそりバイトに精を出しているが、月々の給料が投資銀行一年目時代のそれより低いこと以上に、まだ30そこそこなのに将来のアップサイドの展望が見えないのが苦しい。
他にも、今回のサブプライムバーストで外資金融を放り出され、何とか半年後に少しレベルが落ちるがまずまずの大手英系金融に拾われたものの、そこのファンドのパフォーマンスが芳しくなく、3ヵ月後には又してもブルームバーグで音信不通(=解雇)になっている人もいる。あろうことか、嫁さんも二人の子供もいるというのに!!
(ちなみに、金と経歴目当てで結婚されている場合、退職パッケージが離婚慰謝料に早変わりする)
ただ、彼らはいくらかのキャリアと経験、専門知識を身につけられただけまだマシだ。また、2年目くらいで首になったものの、まだ20代前でキャリア転換の出来る人もまだマシである。悲惨なのが、いくつかの会社を渡り歩いたものの全ての会社でいまいちパフォーマンスが出ず、“私のプロフェッショナル・アッドバリューはこれです!”というのがないまま、潰しの利かないお年頃になった元エリート・失業者たちである。
外資コンサル、外資系投資銀行は、もし貴方たちがそこで上手く振舞えるならば(そして一番儲かるバイサイドのシニアクラスにのし上がれたならば)、思ったより楽な仕事で、毎年日本人サラリーマンの平均生涯賃金を稼ぐことができる。
しかし、(外資コンサル/外資金融に)向いてないのに、そして結果的に上手く立ち振る舞えないのについうっかりジュニアのポジションで長居してしまった場合、(つまり解雇されてもノープロブレムな資産を築く前にお払い箱になった上、なかなか仕事が見つからないお年頃になってしまった場合)、貴方は2チャンネルの失業板で日中を過ごし、本屋でリストラされた人の本を読み漁り“自分より悲惨な人を必死に捜し求めて束の間の安定を求めた挙句”の果て、失業保険の切れる前の月に、ドンキホーテで練炭と着火マン、そしてガラスを覆う黒いシートを購入し、嫌いな友達に最後の仕返しをすべく、深夜に車を借りに行くことになるのである。(*車を自らの最後で汚す、というとんでもなくせこい復讐、という意)
本コラムは、外資セミナーで提供する実践的な面接対策では対象としていない、より大きなキャリアプラン及び外資コンサル/外資金融入社後のキャリアアドバイスについて皆さんに我々の経験をシェアすることに主眼が置かれている。
外資セミナーは“外資コンサル/投資銀行面接に恐ろしく役に立つ実践的なキャリア対策”を主眼にしてきた。
よって外資セミナー本番では、“将来何がしたいか”や“人生の目的、価値とは何か。
どんなキャリアを追求すべきか””そもそも貴方は向いているのか”などのソフトで抽象的な話は一切扱ってこなかった。
しかし、“数多くの結局向いておらず、悲惨な末路をたどっている元バンカー/コンサルタント”を目の当たりにした今、“とにかく外資コンサル/外資金融に入ることをアシストすること”に、やや不足感を感じているのも事実である。
外資セミナー設立以来の、“とにかく優秀な人材に厳しいハードルを課して最高水準の参加者を集め、彼ら/彼女らに最も役に立つ効率的な面接対策を提供する”というコンセプトは、今後も外資セミナーと外資系面接対策テキストで継続的に追求する。
しかしそこから離れた本コラムでは “より大きな人生という視点からのキャリア論”を、将来の迷える子羊予備軍の皆さんに提供していきたい。
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執筆者プロフィール
外資セミナー講師
外資系投資銀行、コンサルティングファーム、資産運用、プライベートエクイティ等多彩な分野でキャリアを形成。現在海外某都市で勤務中。国内主要経済誌や人気週刊誌へ寄稿/取材多数。
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