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「上司と反りが合わず、成績はいいのに解雇に追いやられようとしています」

Question-00

某大手の外資で株のアナリストをやって2年と半年になります。 

仕事は非常に楽しく、成績もかなりあがっているのですが、どうも直属の部門ヘッドに嫌われています。 

今から思ってみれば、確かに私にも落ち度がないとはいえず、「外資系なんだから、仕事で結果さえだせばあとは好きにしていいんだ」という態度で、新米らしからぬ仕事の姿勢を見せていたと反省しています。 

ただ、最近になって、本当にこの上司が本当に私を会社から追い出そうとしているようで、執拗に人事部の人も巻き込んで、いかに私の「評価が低い」かを記録に残そうとしてきます。 

全体の数値をみれば、私のセクターにおける分析・投資判断推奨能力はむしろトップ上位に位置していて、評価をもってして私をクビになどできないはずですし、この上司はもはや私にたいする個人的憎悪のみでこういう行動にでているとしか考えられません。 

私の名誉を守るのも重要ですが、もうこの嫌な状況が3ヶ月もつづいており、とにかく正義を晴らしたいと望んでいます。 どうしたらよいか教えて頂けますでしょうか?

(外資系金融機関 勤務 男性)

外資セミナーからの回答

この質問を読む限り、貴方のケースはかなりユニークな方だと感じます。 

普通、外資系金融の会社を「追い出される」人は、成績が悪いひとです。 ただ、貴方の場合は成績はいいが肝心の直属の上司と小競り合いを繰り広げてしまっている事実が、質問の文体の端々から伝わってきます。 

こういう状況に陥った社員は、すぐに「労働法問題だ。 弁護士だ。」と、闘争モードになり勝ちかもしれませんが、私個人の経験からするとそれ以前により直接的な状況判断を迫られているのではないか、と考えます。 

法律問題は、気になることがあれば弁護士に相談なさればよいでしょう。 ここでは、外資系金融における、雇用者と被雇用者の関係上のダイナミズムを再認識することを、貴方に提言したいと思います。 まず、いくら外資系金融といっても、「結果さえよければ」うんぬんという態度は、よほど業界随一のスーパースターでもない限りとってはなりません。 

とくに貴方はこの仕事で2年と半年。 貴方の周りには、業界歴20年、30年の大ベテランが結構いらっしゃるはずです。 

少々上位の成績を収めていても、貴方の会社がまさに「貴方のみの力によって食いつないで」いない限り、傲慢さは貴方の命取りとなるだけなのです。 調子のよいときほど、立場をわきまえる見識をすぐに身に着けましょう。

さて、会社や上司が部下を「評価」するとき、何が基準となりうるでしょうか? ここで重要なのは、何が基準である「べき」か、は問題ではないということです。 

一人の若い有望な部下が、いくら2年連続で優れた投資判断を披露したとしても、貴方が仮にチームワークのない、毎日副業や遅刻をする、大人としての常識やマナーのない所謂嫌なやつであれば、貴方の評価は下がるに決まっています。 

貴方は「おれはこんなにいい株を当てたじゃないか!」と反発しても、会社からすればそれと貴方の傲慢さや、チーム全体の働きやすさを秤にかけざるを得ないのです。会社は法人ですが、それを運営するのは人間そのものです。失敗をしたら謝罪し、気をつける。 

致命傷的なミスや無作法は、決して1度たりとも起こさないように自分を戒める。 それでもそれが起こってしまえば、土下座でもなんでもして貴方の真剣さ、誠実さを必死で相手に伝達してゆく。 

一人の人間が、周りの前において「評価を上げる」ということは、これらの人間的なマナーや社会の掟に最低限従った上で、自分と会社全体を高めてゆく包括的なプロセスなのです。 

逆にそれができなければ、貴方の、特に短いそのキャリアにおけるいくつかの優秀な成績は、決してその包括的な評価プロセスにおいて役に立たなくなるのです。

貴方は今こう言いたいかもしれません:「この一人の上司だけが私を嫌っていて、後のみんなとは十分うまくやってきたし、高く評価してくれている」と。 

しかし、ここで立ち止まってみましょう。 

貴方の会社は大手の外資系です。 会社経営陣の質は、たとえ大手といえども浮き沈みがありますが、常識的に考えて、上司一人の独断で貴方をこのように扱うことは非常に考えずらいのです。 いいかえるならば、しっかりした会社であればあるほど、貴方が総合的に優秀である限り、上司の独断など無意味に阻止されるはずなのです。 

金融は、製造業などと違って虚業です − 何も形に見える製品を造らないのです。 ということは、優秀な社員を引き止めることが何よりも大切です。 会社の部門やレポートラインの形態がどのように組織されていようが、貴方に真の確固たる後ろ盾があれば貴方は無事のはずです。 

これが外資系金融のダイナミズムです。 

貴方の質問の文体からして、貴方にはこの後ろ盾がないようにも聞こえる。 これは、必ずしもその上司個人の感情による独断的嫌がらせではないのかもしれない、という危険信号として受け止めるべきでしょう。

さて、貴方は名誉を回復して正義を晴らしたいといっている。 しかし、これは会社側からすれば、「正義を晴らしたいのはこっちだ」といってくるに違いないでしょう。 

会社で尊敬されていて、実績もあるフロントオフィスのプロの方で、貴方も個人的に信頼を置けそうな方を見つけ出してください。 その方に、今の状況をくまなく正直に打ち明けましょう。 

その方がもしも、「もう遅い」というような悲観的なアドバイスをくれたなら、基本的には貴方は最悪の事態を覚悟すべきでしょう。 

貴方がどうしても今の仕事を続けたい、というのであれば、今の時点からでも他社への転職の可能性も模索し始めましょう。 

ドライな法律問題からかけ離れた、外資系人事問題特有のダイナミズムを踏まえてこそ見えてくる、戦略的判断材料がここには山ほどあるのです。 

ただし、ここで強調しておきたいのは、私は決して弁護士に相談にいくな、といっているのではありません。 

業界における今後の知名度や、周囲からの見えない圧力などという、法律条文とはかけ離れているが重要な判断材料を無視しては、結果的に自分で自分の選択肢を狭めることになりかねない、と問題提起をしているのです。

上記全てのことに気づいた貴方は、自分の探す答えは結局自分自身の中にあることに気づくかもしれません。 

貴方は上記の知識を踏まえて、あらゆる視点からみてもやはり自分が不当にいじめられていると感じるでしょうか? 

それとも、貴方は「自分も悪く見られても仕方のない存在であってしまった以上、これは追求してもらちがあかないイタチゴッコ」と感じるでしょうか。 ちなみに、会社と喧嘩をすると、会社も言い分があるでしょうから、とことん喧嘩をしてくる可能性があります。 

このときに裁判を口にする人がでてくることもあるでしょう。 さて、このような発展は、貴方の将来計画にかならずしもプラスとして働いているでしょうか? 

もう一度、冷静に考えましょう。 何が自分の今後の人生にとって一番の利益になるか。 

それを最後に決めるのは、もちろん貴方です。 

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「官公庁で働いていますが、将来は外資系法律事務所への転職を夢見ています」 

Question-01

御セミナーは、外資系の金融やコンサルを中心に扱っていらっしゃいますが、外資系の「法律事務所」への転職はどれくらい難しいものでしょうか? 

日本のそれとは違い、米国における司法試験は遥かに合格率が高いと聞いております。 私はこれまで某政府官庁に勤めており、国家公務員試験1種の資格を有しています。 

この際渡米して、米国の弁護士の資格もとれば、東京や世界各地において外資系法律事務所でかなりのステータスと給与が得られるとみこんでいるのですが、お考えをお聞かせ願えますでしょうか? 

これまでの官庁におけるキャリアのお陰で、私には「Government of Japan」を背負っているという自負心もあり、LLMという米国ロースクールのプログラムに一年通って司法試験も通ればきっとトップの外資系事務所に入れるとみこんでいるのですが。

(官庁勤務 男性)

外資セミナーからの回答

日本に最近できた「法科大学院」のいくつかにも、米国ロースクール一年留学を通じてこのLLMという学位を取得することをあたかも「日本の難しい司法試験を回避する裏技」のように推奨しているところが散見されるような印象があります。 これは当事者にとって重大な影響を及ぼす危険な発想なので、これを機会に私見を述べます。

まず、外資系法律事務所の雇用マーケット。 貴方はきっと米国のウェブサイトを通じて、大手の弁護士事務所が日本円に換算して2000万円に近い金額の年収を若手弁護士に支払っているのを知ったでしょう。 

しかし、海外のリーガルマーケットを考察する以上、日本独自の感覚を捨て去る(あるいは克服する)必要があるのです。 そう、この立派な年収は、その米国弁護士が「弁護士」だから得ているのではないのです。 すくなくとも、それが主要な理由では到底ありません。

価値ある資格は、それだけ得るまでに苦しさが伴っていることに気づきましょう。 これは国内外を問わない普遍的法則です。 誰もが得られる資格なら、まさに文字通り誰もが取得して、供給は一挙に飽和状態となり、社会一般通念上「価値」は下がるでしょう。 いうまでもなく、ここで我々のいうその価値とは、社会的ステータスと年収です。

では、司法試験の合格率が高い米国で、どうして外資系法律事務所はあれほどの「価値」を被雇用者に提供できるのでしょうか? それは、「資格」の焦点が、司法試験の合否におかれていないからです。 

米国で最も優秀なロースクールに入り、JD degreeと呼ばれる3年間のプログラムを終了し、しかもその中でも優秀な成績で卒業する。 これらの要素の総合体に外資系法律事務所は「価値ある資格」を見出します。 

日本の「僕は難しい司法試験に受かり、弁護士の先生になったのだ」的な発想は、あっちからすれば意味不明です。 米国の優秀な弁護士も、日本の弁護士も、価値ある資格を手にするまでに、結局最低一度は普遍的法則に従います。 そう、「死ぬほど苦しい思いをする」のです。 

貴方が、もしむやみにどこぞやのロースクールで1年間のプログラムに入り、米国の司法試験だけ受けて「私はGovernment of Japanを背負った国際弁護士の先生だ。だから年収1800万と仕事をよこせ」みたいな態度をとったら、先方は顎の骨をはずしてびっくりするでしょう。

LLMという学位は確かに価値があります。 一年でも法律を勉強して、無駄なわけはないでしょう。 しかし、貴方の質問にあるような道は、簡単に開かないと考えましょう。

優秀な人にも会社にも理由があります。トップクラスのそれであればなおさらです。 外資系法律事務所は、十分にトレーニングを受け、あらゆる選考過程で厳選されたピカピカのサラブレッドで、しかも若くてこれからどんどん成長してゆけそうな、そんな弁護士だけを集めようとします。 

では、そういう人以外の外国弁護士たちは一体どこでなにをするのでしょうか? 中堅クラスの事務所で弁護士をしたり、まったく法律と無関係のビジネスをしたり、あるいは日本で騒がれているような「軒弁」に近いような存在もあります。 無職も多い。 しかし、このダークな部分を今掘り下げても、貴方の質問の答えにはならないので、これらは以後のトピックとします。 まずはとにかく現実をしっかりと知る。其の上で、覚悟をもって計画を立てるべきでしょう。 

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「転換社債のプライシングをしていますが、競合大手に高額のオファーを貰い、転職で悩んでいます。」

Question-02

某大手外資系証券の株式・債券部門で、転換社債(CB)のプライシングの仕事をして3年になる者です。言うまでも無く、まだ自分のキャリアは浅いと解っておりますが、どうしてもこれまでの自分のボーナスの額に納得がいきません。

  そんな中、最近ある競合他社からヘッドハンティング(私は申請すらしていないのに向こうから打診してきました)を通してオファーを提示されました。 

非常に高額のギャランティ−報酬と、近い将来に、私がどんなに若かろうがチームのヘッドのタイトルをくれると言っています。 

外資系に転職は付き物でしょうが、ただ一つ引っかかっていることは、私が現在在職している会社が私の分野でも、そして総合的にもトップレベルを占めている、という事です。 

現在のような停滞気味のマーケットで、魅力的なオファーをドブに捨てるようなことも避けたい気持ちなのですが、究極的にどのような事項を判断材料とすればよいのか教えてください

(米系投資銀行転換社債発行担当 男性)

外資セミナーからの回答

同じ外資系金融をとっても、個人がそれに求める究極的なものは、驚くほどちがってくるものです。 

「2億円なんとか稼いで、あとは金利だけでハワイで生活したい」という若者もいますし、「支店長や社長になって、将来は地元から出馬し、自民党の議員になりたい」という人もいます。 

「ただ単に、金融が俺にはむいている。 このまま好きなことをグローバルの規模でどんどんやって、世界の金融を自分の力でひっぱってゆきたい。 自分の金融モデルを実践してゆきたい」と、本気で思っている賢い方も、たまに見かけます。 貴方は、今も、そしてこれからも、会社に何を求めてゆくのでしょうか。

それさえ解ればあとの判断は簡単のはずです。 大きなビジネスをして、業界で名を馳せること自体が重要な目標なら、揺るがぬ会社のブランドほど便利なものはないでしょう。 また、しっかりしている会社ほど、長期的なビジネス判断を重視します。 

少々景気が悪くなっても、(仮になったとして)ヘッドの貴方をすぐ解雇したりしないでしょう。 もちろん、その前提には、貴方が優秀な人材であり続けることが重要です。 

これらとは逆に、もし究極的な目的がお金であるならば、貴方個人の戦略は変わるでしょう。 

いくら欲しいのでしょうか? 1〜3億なら、手っ取り早いかもしれません。 30億とかほしいなら、長期業界にいて、しっかりした勝ち組の会社で頑張るのもいいでしょう。 いずれにせよ、お金がそこまで重要なら、報酬体系を気をくばって交渉しましょう。 

貴方の最良のビジネスの判断として、今後2,3年はいくらなんでも景気が悪いと思うなら、2,3年連続のギャランティ−を今のうちに交渉するのも妥当です。 

これから転職先で大きくビジネスを伸ばせると思えば、1年でもギャランティ−をもらうのを拒んで、その代わりとして成功報酬の計算方法についての一定の合意を定めるのも一案でしょう。 

貴方のビジネスマンとしての相場観が問われます。 同時に、お金に汚いと、すぐに業界での知名度に影響します。 よって、どこまで押して、どこで引くか。 貴方の人間的なセンスも問われるでしょう。 

「外資系金融にはつきものだから」などという考えは捨てましょう。 付き物なんて関係ないのです。 関係あるのは貴方自身の利害です。自分の相場観とセンスを一生懸命吟味して、何よりも自分が会社に求めるものとは何か、そしてそれを得るためにはどう行動するのが最良か、を判断しましょう。 

最後に強調しておきます。 貴方がいくら若かろうが、業界での知名度は死守してください。 

人や会社を裏切るのも、裏切りとみられても仕方ない行動をするのも、貴方にとってダメージです。 「お金に汚い」と周囲に思わせるのも同じです。 

結局転職するにしても、「真なる実力があり、あくまでその実力を発揮するべく環境を変えた。」という印象を作り上げたいものです。 

もちろん、一度行動にでた以上、 1,2年以内にある程度の結果も誇示できるように頑張りたいものです。 結局、外資系金融で唯一「付き物」として考慮すべきものとは、「圧倒的実力と結果を前にしては、誰も何も文句を言えない」という真理なのです。

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「評価は高いのに、ボーナスが少なくて、今年こそ交渉しようと思っています」

Question-03

某大手外資証券の株式部門で営業をして2年と半年になります。

決して長くはないキャリアですが、私はこれまで必死に仕事をしてきました。尊敬する先輩たちからの評価も非常に高く、「お前は株式営業の世界の松井選手みたいな素質をもっている」、と身に余るお褒めの言葉を頂きました。 

これらの高い評価は、私が毎週水曜と金曜に誘われる合コンにもいかず、接待と体調管理に徹底したお陰の賜物である、とある程度自負させていただいております。 

しかし、悩みが一つあります。 

外資は風通しのよい、透明性のある組織だとばかりおもいきや、上層部の外人同士がかってに社内政治にあけくれているようで、私などのように、見えないところで評価が非常に高くても、ボーナスのアロケーションがぜんぜん回ってきません。 

結局、英語がぺらぺらの、帰国子女や外人社員ばかりが、仕事もろくにしていないのにたくさんの給料や厚遇を受けています。 

今年の年末こそは、思い切ってボーナスの交渉をしようと思っているのですが、どのようにアプローチをするのがもっとも懸命なのか、教えていただけますでしょうか? (長くなって申し訳ございません)

(米系投資銀行株式営業本部 勤務 男性)

外資セミナーからの回答

確かに長い質問ですね。 

しかし、こうして行動に移す前に慎重に質問をしてくれたことに拍手喝采をしたいと思います。 

私が今の貴方にいえることは、「あからさまに押してはいけない。 しかし、間接的なアピールを忘れずに」、という一点に尽きます。 どういう意味なのか、以下解かり易く述べます。

外資系金融では、ボーナスの位置づけは非常に重要です。 我々の世界では、ボーナスは単に社員の評価を部分的に示したり、忠誠心を培ったりするものではありません。 

雇用期間の非常に短いスパンで活躍をせざるを得ないこの業界では、ボーナスとは、社員個人の「価値」そのものなのです。 ボーナスの高い人は、価値のある立派な人間。 

ボーナスの低い人は、その会社に限定していえば、価値のない人間、すなわち「辞めてください」という言葉と同じくらい直接的にメッセージを発信しているわけです。 

我々の業界で、雇用者の立つ立場を再認識しましょう。 

バイサイドもセルサイドも、結局は相場の浮き沈みに密接に業績が連動するこの商売で、しかもプレーヤー(経営陣を含む)のほとんどが1〜5年のスパンで辞職なり転職を繰り返すこの世界。 

個人の真髄としての「価値」は発見・実現されていないだけで、実はその人が非常に成功するポテンシャルを秘めているとしても、雇用者からすればそんなものをいちいち発掘したり開花を待つつもりも暇もありません。 

そう、すなわち、もともと社員個人の「価値評価」のツールであるボーナスは、「辞めてくれ」又は「頼むから居残ってくれ」のうちいずれかのメッセージを発信する、シグナル的な役割が中心になりがちなのです。 

ボーナスの支払いをする経営側は、この役割を誰よりも十分に理解しています。 さて、貴方は「ボーナスのアロケーション」において、自分の取り分を増やす交渉にかかりたい、と言いました。 

社内政治が蔓延り、外資だけに英語をネイティブに話す人間同士だけが得をしているように見えるのも、ある程度事実かもしれません。 

しかし、ボーナスの交渉ほど、慎重にせざるを得ない行動はないのです。 

貴方のキャリアは短い。 一年目のボーナスは、貴方の能力を判断するだけの材料もなかったでしょうから、決まりきった金額が支払われたはずです。 

二年目はすこし増えたかもしれませんが、それでも人生で合計2年しか業界にいなかった貴方にそこまでの支払いはできていなかったはずです。 しかし、三年目は違うかもしれません。 「会社は貴方にシグナルを送ってくる」ことを、貴方が覚悟すべきでしょう。

さて、貴方にできることは何があるでしょうか? 直接、「俺、評価いいんだから、今年は俺にボーナスいっぱいくれるよな?」と言ってはいけません。 

会社にいる周囲の人間からすれば、貴方は所詮、青い子供。 いくら「評価が高」くても、億単位の純利益を貴方一人の力で生み出していない(ちなみにそれは株式営業マンが成すのは至難の業)限り、貴方はただ単に「仕事に精をだす、有望ないいやつ」以上ではなく、上層部と掛け合ってボーナス交渉に及ぶほどの「実弾」をもっていないはずです。  

果たして、上層部が「君の同期も皆君くらい有望で、やる気もだしてるよ。 君は自分の畑しか見てないからそんな生意気なことがいえるんじゃないか」と言ってきたとき、貴方は果たして決定的な業績の数値をもってして、説得力のある反論をできるでしょうか? 

ほぼ100%のケースで、それは新入り3,4年目には難しいはずです。

では貴方は何ができるでしょうか。 間接的にアピールをすることは可能だし、これはむしろ重要でもあります。 

上司もその上の上層部MD幹部たちも、決して貴方のことばかりに目をかけていません。 皆が自分の給料の心配をし、リストラや高額な中途採用の議題に悩み、意味も内容もないけど断りきれないミーティングに一日中終われ、特にこのご時勢、疲れています。 

貴方が本当に人並みならぬ頑張りを見せて業績を上げていても、上層部にはそれは見えにくいことが多くあるでしょう。 いわゆる「社内政治」もその不透明性を悪化させているかもしれません。

ですから、貴方のもっとも信頼する、直属の上司に随時貴方の達成したことを通知するようにしましょう。 

営業項目で、大きな顧客からのランキングがあがった。 ブロックトレードをしたことのなかった顧客が、貴方の営業力のお陰でするようになった。 XXアセットの「XYZ」さんが、今度大手のABC投資顧問に転職するそうで、その際こんな興味深い背景があったことを聞き出した。  

これらのように、一社員が会社に貢献する方法はたくさんあります。 貴方はそれを信頼する上司に随時打ち明け、上司がいざというときに貴方のために、上層部と掛け合ってくれることを期待しましょう。 

上司は、言われなくてもそれはやってくれるものです。 しかも、自然と情報を共有していると、周りもそんな貴方に気がつくものです。 

ただし、ごくたまに、そういう若者による具体的な貢献を根っから嫌い、ましてやそれを同僚や先輩がよってたかってつぶしにかかってくる、という社風の会社も存在します。 もしも、こういう会社にいるひとは、「ボーナス」うんぬんの心配よりも、転職、または人事異動の機会を模索すべきといえるでしょう。

最後に一つの警告を添えて、本文を締めくくります。 それは社内に流すEメール。 いい情報であれば社内に共有すべきものもあるでしょう。 

しかし、上記に述べた「間接的なアピール」をしたいがばかりに、あまり適当でない、または内容もさほどないEメールを社内全体に流す癖をつけると、貴方自身が社内政治の奴隷とみなされ、実際そうでなっている危険があるのです。 

上司に個人的に打ち明けずに、そういうことをするようになると、直属の上司も「こいつはおれを無視し、飛び越すかたちで勝手に上層部と折衝している」、と社内の信頼も失いかねません。 

無差別に回ってしますEメールは、本当に必要で重要なときだけに限定し、最小限に押さえ、あくまでも本業に専念することでプロとして会社の具体的な収益貢献に勤めることがボーナス最大化への王道であることを忘れないでください。

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「トレーダーをしていますが、結婚/MBAを前に解雇のリスクを感じています。」

Question-04

外資で株のトレーダーをやっています。自分では一生懸命にがんばってきたのですが、株式の売買を市場で執行するとき、あらゆるプレッシャーの下で端末の入力ミスを多々引き起こしており、先輩に「次やったらクビだぞ」といわれてしまいました。

秋に好きな彼女と結婚を予定しており、3年後にはMBA留学を計画してます。 

ここでクビなどになったら全てが狂うのですが、どうしたらよいでしょうか?

(米系投資銀行株式トレーダー 男性)

外資セミナーからの回答

結婚は貴方と婚約者が二人で相談すべきでしょう。本セミナーの専門性と趣旨に従い、ここでは貴方のキャリア計画の部分について、私の反応を叙述します。

まず、もっと落ち着いてトレードをしましょう。 巨大な注文を入力するときや、ザラ場が忙しいときには誰でも確かにテンバリます。 しかし、人間には、もともと不注意な人はたくさんいても、本能的にトレードでエラーばっかりを起こす人などはいないのです。 

貴方のミスは、落ち着けば克服できる問題のはずです。 エラーを起こし、ザラ場の引けた後に証券取引所に対し過誤訂正を行い、会社に損害を与え、コンプライアンスと現場の上司に叱責を受けるくらいなら、注文の入力が遅れてもいいから注意深くそれを端末に入力する。 

これこそが貴方を含む全体の利益です。 焦る状況でこそ、数秒の遅れを犠牲にしてでもエラーを防ぎましょう。 (素早く執行しても、エラーであれば貴方の評価は下がるだけです。)

当面は上記のアドバイスに従いエラー防止に励むとして、貴方のキャリア計画自体に問題はないか、ここで見てみましょう。 

まず、貴方の上司は「クビ」という恐ろしい言葉を口にしました。 その上司に本当にその実権があるのか、そして、労働法上それが正当なのかはさておいて、少なくとも貴方の社内評価は決して高くないのが事実でしょう。 辛い指摘ですが、まず信じ込まなくてもいいのでその存在を認識しましょう。

そこで、貴方の採りえるベストの戦略とは何でしょうか? それは、「キャリアの選択肢を最大化すること」です。 

まず、貴方の本当に目指す職責とはどういったものなのか、を考えてください。 現物の株式委託注文の執行ですか? それとも、会社の資金でポジションをとるプロップトレードですか? デリバティブも扱いたいと願っているのでしょうか? 

MBAを考えていることからすると、もしや貴方は株を離れてウォールを越え、バンカーになりたいと考えているのかもしれません。

具体的な将来像を見据えて、社内外でそのポジションを模索することを考えましょう。 直ちに行動するのです。 トレードが好きなら注意して執行するのみでしょう。 しかし、そうでないなら、今からどんどん新しい機会をさぐりましょう。 

結局クビにならないかもしれないし、二度と貴方はエラーを起こさないかもしれない。しかし、それは重要ではないのです。

貴方が外資系証券で危険な立場にいる以上、その一点をもってしても、貴方は今後の選択肢を最大化すべきなのです。 

他の職責を模索することと、今のトレードの仕事のやる気のなさを露呈することとは、決してイコールではありません。  素直に希望と特性を説明し、上司や周りに、誠意をもって相談することからはじめて見ましょう。 貴方の立場を解っている以上、周りも理解するはずです。 人によれば、貴方がそう行動に移すのを待っている人もいるかもしれません。

だからといって何でも他のポジションを探し、MBA留学までの残りの3年間の保身のために移動をするのは感心できません。 それでは貴方が無能であることを、認めることになってしまいます。 

であるからこそ、このプロセスにおいて、「自分が将来、どこで、なにをしていたいのか。 40歳、50歳の自分はどうありたいのか」を自分なりに真剣に考えることが非常に重要です。  

1秒でも早く、選択肢の最大化に勤めましょう。 

そのための最初のステップは、人生そのものに対する最初のステップに立ち返ることです。「自分は将来どこで、なにをしていたいのか。」これを深く自問自答し、信念にしたがって最良の選択をしてください。 

時に、生活スタイルの大きな変化は怖いものです。しかし熟考した上での、他でもない自分自身の将来のための変化への恐れは、今の貴方だからこそ克服すべきです。

最後に、教育の意味で最悪のシナリオを記述しておきます。 

本人しか知りえませんが、案外多々ある事例であると思って結構でしょう。 どのようなシナリオかというと、「最後まで希望的観測と楽観に甘んじ、なにも行動しない」というシナリオです。 

これで予想通り解雇されてしまったら、貴方はどうするでしょう? 不当解雇として訴訟でしょうか? 名誉毀損でやはり裁判所にいくのでしょうか? 相手は自社の知名度を宗教のごとく大切にする世界的大会社です。 

貴方の数億倍の資本力を惜しまず投じ、貴方と戦ってくるでしょう。 この状況に自分を置いては、行動が遅すぎ、成すすべはほぼないといえるでしょう。 

自分や自分の身内の資金力と相談しつつ、あくまでも事前に現実的な行動をとるようにしてください。

貴方のトレードのエラーが、貴方の人生のエラーへの警鐘であることを真剣に受け止めましょう。

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「任される顧客が小さくて、このままでは出世出来ません」

Question-05

私は某外資証券で、株の営業の仕事について2年になりますが、今一つ、うだつがあがりません。

これでも自分なりに朝早起きし、誰よりも早くNY株式市場の動向を探り、海外オフィスともまめにコンタクトを採って毎朝の顧客への電話内容を充実させているつもりです。 

ただ、チームの先輩たちは、僕よりもみんな最低10歳くらいは年配で、大きな顧客を担当させてもらえるとは思えない環境です。

そうはいっても、大きな顧客を担当しないと、セールスとしての自分も伸びないし、巨額のボーナスも得られないと感じるのですが、こんな私はどうしたらいいでしょうか。今のジレンマを打開する術を教えてください。

(米系投資銀行株式営業本部 勤務 男性)

外資セミナーからの回答

まず最初に、私は誰よりも貴方のその悩みを理解している、ということを知っておいてください。

大きな会社で、優秀な先輩がいればいるほど、新卒の「若輩者」の立場は、ひたすらモドカシイものになりがちです。 実際、私がアメリカ留学から帰国後就職したときには21歳、他のみんなは全員28〜45歳と、とてもじゃないけど頭があがりませんでした。

ここでは、貴方が、貴方のような状況にいるからこそ、してはいけないこと、そしてすべきこと、の2点を解りやすく述べたいと思います。 

まず貴方だからこそしてはならないこと。それは、貴方のその望みを口にだして本当に上司と掛け合うことです。 これだけはしてはならない。 逆効果をうみます。 もう学生生活を離れて2年以上経った貴方は、「自分を他人の目で見る能力と余裕」を身に付けるべき段階に達しています。 

貴方の所属するような優れた会社のチームの先輩・上司の方たちは、貴方の考えていること、仕事ぶり、などなどすべてを解っていないようで、実はしっかりとみています。 

そうして貴方の「値踏み」をしている最中に、貴方から「でかい客をもたせろ」といってしまえば、周りの貴方に対する評価と信頼・尊敬心はどうなるでしょうか? 貴方も頑張っているに違いありませんが、周りも、年上だけに、より一層責任をもって必死に仕事をしている方たちです。 

昨今の景気不安を鑑みれば、さらにそうだといえるでしょう。 自分から野心や欲を持ち出して、「何も知らない、自信過剰なクソガキがなにをいいやがる」と、周りに思わしてしまうようでは、貴方自身がこれから業界で損をすることになるのです。

逆に、貴方が、そんな貴方だからこそすべきことがあります。 それは、周りが見える形で、今以上に、仕事のパフォーマンスを向上させることです。

仕事に対する姿勢、業績、経験値、など等、貴方の、株のセールスのプロとしての資質の凄さを、周りの誰もがもはや公式に認知し、奨励せざるを得ない状況を間接的につくることです。 この状況を、言葉や示談などではなく、いきなり行動をもってして創り上げる。 これこそが、貴方の昇進、顧客獲得、そして昇給を実現するための最大にして、唯一の近道なのです。

今、あなたは心の中でこう皮肉ったはずです:「既存の客が小さいとこばっかりなのに、どうやって業績なんかがあがるんだよ。 努力しても限界があるからこそ質問を投稿したのに。」

この類の皮肉は、不正確であり、未熟です。

いま30歳や40歳の、貴方の上司たち。そして私が21歳だったころに、年配だった先輩や上司たち。彼らも貴方と同じ道を通りました。

貴方がハイテクバブルか、おそらくは2007年前半までの世界的好景気の波に乗る形で優れた会社に入社できたように(貴方がそもそも学歴上優秀であることは明らかなのでそれに対する言及を敢えて略します)、貴方の先輩たちも、過去のバブルに助けられ、過去の不景気に肝を冷やしてきました。 そして彼らも同じように、小さい顧客のみを担当して、着実に生き残り、今日まで成長してきました。 

仕事に対する姿勢、情熱を維持し、小さな顧客から、どんどん仲良くなり、信頼を勝ち得、市場に関する情報をいち早く察知する連絡網を構築していってください。 

今の貴方には、今のままでも充分にまだまだやることがあるし、できることがあるのです。 例えば、その「小さな客」とやらを5〜9社担当しているとして、貴方はその全社から株式営業の項目で不動の1位を得ていますか? 

「今の自分にはまだまだやることがあるのに、自分の未熟さから端を発する不満や怠惰を、客の規模のせいにしてしまっていた。」 

こう気づいた貴方は、その時点でまた一回り大きくなりました。 こういった哲学的な確立と、謙虚さを伴った着実な成長こそが、貴方の本来持ち備える野心や情熱に根拠とバランス感を与え、また一味厚みのあるプロとしての貴方が実現します。 

そんな貴方は、いずれは貴方の会社のみならず、業界中の誰もが否定できないくらいに一目置かれるプロフェッショナルとして、存在感を増してゆくでしょう。

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「海外勤務を希望しているのですが、どのような進路を辿ればよいでしょうか」

Question-06

来年、MBAをアメリカで修了予定の帰国子女です。2年のアメリカ滞在生活の結果、私はどうしてもこちらの生活になれてしまい、就職はカリフォルニアかニューヨークで希望しています。 

ボストンキャリアフォーラムに参加しましたが、それこそ大企業もでそろっているものの東京本社勤務が主のように感じられます。 外資系の金融やコンサルに就職すると、海外に住みやすいものでしょうか?

(米国 MBA 女性)

外資セミナーからの回答

「住みたい場所のためにはキャリアの内容をころころ変えてしまう」というような態度は、面接官側からすれば決して感銘を受ける候補者の態度ではないでしょう。 

いくら身勝手に聞こえても、会社側は「うちにしっかりとした理由と覚悟をもって入社してもらいたい」と願っています。 そうはいっても、私には貴方の言わんとする気持ちが分からなくもありません。 

そもそも仕事なんて、一度もしたことないのだから「どれが好き」とか「確固たる覚悟をもって。。」云々と説かれても、その観念自体が学生からすればいまいちピントはずれでしょう。 

逆に、「ここに一生いる!」と大声で叫びながら面接にくる学生の方が、怖い部分もあるでしょう。

「覚悟」や「目的意識」は、動機付けにはなりますが、常に「あてになる」わけではありません。 人は自分の思う以上に自分の事を知りません。 そして人は、自分の思う以上に時とともに変わるからです。 

私個人の例が適当なので挙げると、私は貴方のようにアメリカで某大学を卒業し、そのままストレートで最大手外資系証券に入社しました。 入社3日後の歓迎会で、私は乾杯の音頭をとりながら「僕は一生xxx(会社名)にいます!!」)と宣言して、周りの上司によく可愛がられたものです。 

2年と半年後、ヘッドハンティングにより他社に転職しました。 今振り返っても、そうするしかなかったし、そうして自分の人生にとってよかった、と思える決断でした。

生涯のコミットメントとしての覚悟は別にいらない。 しかし、貴方の発想が、雇用者にとって危険であることには違いありません。 

貴方にさんざんお金と時間を投資して、結局「アメリカになかなか住ましてくれないから」と突然辞められては、会社は立つ瀬がないでしょう。 故に、貴方のもつような動機は決して評価される動機ではないのです。

自分をどうプレゼンテーションしてゆくか、をじっくり吟味すべきでしょう。 

まず、米国での雇用に関する私の個人的概観を述べましょう。 

外資系に勤めて、そのままアメリカに転勤をする、というのは不可能ではありません。 しかし、それには相当の英語レベルが要求されます。 貴方は、自分がTOEFL満点近くあるからといって、安心しているタイプの留学生ではいけないでしょう。 

英語に加え、さらに貴方はWall Street現地で通用する能力や技術を身につけなければなりません。 日本人が米国現地で仕事をする、ということは、日本人のほぼすべてが寝ている時間帯に起きている人たちと一緒に、またはそれらを相手として収益を稼ぐという行為です。 

バイリンガルで、アクセントがあったとしても十分に難度の高いレベルの会話ができ、しかもfinancial engineerとして実績のあるような人ならロンドンでもNYでもいけるでしょう。 

愛媛県とかで自称個人投資家の自営ガレージオーナーに営業とかしかしたことのない人物が、持ち前のbroken Englishでいきなり単身NYに渡っても、いわゆる存在感は発揮できないでしょう。 

「能力と結果がすべて」という外資系金融における揺ぎ無い鉄則が、ここに垣間見えています。

日系でもよいならどうでしょう? これに関しては、我がセミナーの職分とかけ離れるので極端的に述べると、タイムスパンの勝負になります。 

どういう意味かというと、長く日本で丁稚奉公(でっちぼうこう)に勤めて、将来的に家族そろって海外勤務、という手は十分にあるようです。 実際、私の大学院の友人でも、そのようにして海外留学、家族手当、海外勤務の三拍子がそろった方々が多々いらっしゃいました。 

この場合、海外企業ではないので、ぎりぎりの英語力でも十分重宝されるだろうし、働く相手や同僚も日系の方が比較的多いに違いありません。 しかし、タイムスパンの観点から、貴方には「日本で待つ」という事が要求されるでしょう。

日系企業の米国現地法人に、いきなり就職というのはどうなのでしょうか。 これは、留学生にとっても長らく人気のある方法です。 しかし、デメリットも少なくありません。

まず、給料が非常に安い。 米国に存在するあらゆる日本人留学生たちがこぞって現地就職を志願するので、日系現地法人からすれば「変わりはいくらでもいる」といわんばかりの態度ででてくるのも理解せざるを得ません。 

かといって、現地の米系企業にそのまま就職しようとすると、就労ビザサポートの問題や、英語能力がネックとなって、しかも日本語のできる人材をそこまで欲しがっていない会社がほとんどですから、難しいといわざるを得ません。 

これが簡単であったら、貴方はそもそもここに質問を投稿していないでしょう。 

安月給を呑んで、そのまま日系の現地法人に就職したとしても、数年たって、「結局権限や特典を享受して、貯金もステータスも勝ち得るのは東京本社から2年おきに出向してくる人達だけ」、という現実に泣く日がくるかもしれません。 

私は、やりがいや条件のそろった就職はアメリカでは見つからない、と断定しているのではありません。 私の個人的経験と、私の友人大多数のキャリアや人生体験を総合して「状況は厳しい」と敢えて警鐘を鳴らしているに過ぎません。 

上記のドライな現実と、時とともに変わる経済や雇用状況を逐一照らしあわして、現実的で、地に足のついた計画を今から模索・実行してゆきましょう。 世の中甘くない。 しかし実力のある頑張り屋さんには、必ず道が開けるのです。

最後に、冒頭で言及した「自分のプレゼンテーション」についてのアドバイスを述べます。 

面接官に「私はアメリカに住みたいから御社を受けている」というのは、好ましくないのはすでに述べたとおりです。 たとえ貴方の真意がそうであったとしても、です。 

其の上、貴方を含めて人間は変わります。 

本当にアメリカに住むためならどんな仕事でも良いのか、外資系に就職して東京で勝負してからでは遅いのか、自分の英語力は現実的にどういう企業で通用するか、20年後の自分は、具体的にどこで何をしていたいのか。 

これらのことを自分なりに調査して十分考察しておくと、すくなくとも面接で「NYにある御社でこそ、自分はxxxにチャレンジできると感じた」くらいのことを、嘘臭くない感じで表現できるでしょう。 

そして、それに始まる効果的な自分自身のプレゼンテーションは、有意義な就職への大きな、そして必要不可欠の、第一歩なのです。

将来的に自分自身が変化することを受け入れる見識と余力を残しつつ、且つ今の時点で「到達したい自分」を確立し、効果的にそれを表現する。 

就職、転職そして仕事現場のどの状況においても、この目的意識に基づいて今の自分を捉えるべし、というのが我がセミナーの哲学です。

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「現在投資銀行で働いていますが、将来MBAやロースクールで迷っています」

Question-07

私は、去年大学を卒業し、欧州系の某大手証券会社の資本市場部で仕事をしています。 

といっても、人生本当に何がやりたいのか分かっていなくて、将来の選択肢を広め、人生の視野も広めるためにアメリカでMBAかロースクール留学を考えています。 

漠然とした質問で恐縮なのですが、私のこういう考え方の方向性について御セミナー先生方のご意見やアドバイスをして頂けますでしょうか? 

今の時点で職歴は1年、留学が開始するまでには少なくとも2年はある計算で、いまのCapital Marketsという部門もレジュメ上「つぶし」のきく職歴に該当するのかな、といろいろ曖昧に考えすぎて、迷っております。

(外資系証券会社 ECM 勤務 男性)

外資セミナーからの回答

心配無用です。 貴方は非常に迷っておられる。 しかしそれはとても健全な悩みです。 

将来のキャリアの選択肢を増やす、ということは、人生の中長期的リスクをヘッジすることです。 

「今プレミアム0円で、人生のコールオプションを買っている」という風に捕らえて、これからも堂々と、真剣に悩み続けましょう。

さて、貴方の大まかな悩みについて、私は「何年後にこの学校にいってこうしろ」という答えを差し上げることはもちろんできません。 

貴方の人生、貴方が決めるからこそその決断に責任感を持ち、結果として持続と成功と自信に繋がるものであるはずです。 

しかし、私の外資系証券会社から米国ロースクールへと歩んだ経験を生かし、「考え方」のフレームワークをお伝えすることはできます。 これを踏まえた上で、以下に私の所見を述べます。

まず最初に、自分が本当の本当にやりたい事は何かを考えましょう。 仕事の役職名は思いつかなくとも、好きなことくらいはあるでしょう。 それが大事なのです。 

実は政治家を相手に大きなディールを動かしたい、といったことかもしれません。あるいは、趣味がカラオケと音楽で、自分自身、セミプロで歌手やギタリストを目指していたけど不安定なので金融にきている、という人も見たことがあります。  

こういった興味関心をもっているだけでも、留学先の決断に指針を与えるものです。 

たとえば前者の政治意識の強い元証券マン。 これは筆者である私自身の体験です。 よって、私の場合は、Juris Doctor degreeと呼ばれる、アメリカのロースクールで得られる学位を取得しました。 しばらく米国法弁護士を世界のあちこちでやったあと、故郷に立ち返って政界出馬をもくろんでいます。 

あと、後者に上げた、音楽の好きな証券マン。 こちらももちろん実在の方で、私の金融時代の元同僚です。 肝心なことに、彼も、自分のやりたい事をとても大事にし、それを中心的に考えました。 よって、MBAにもロースクールにもいかず、アメリカのポップアーティスト育成で名のある某音楽大学に脱サラ・社会人留学を果たしたのです。 

そこで、一流のカリキュラムをマスターし、今後日本でファンド形式でお金を集めて全国規模で質の高い音楽学校を設立するとのことです。 ここでもまた、金融の素養と、個人的な情熱が融合し、留学とキャリアの独自の選択肢へと具現化がなされています。 

以下は二次的な議題になりますが、その中でも重要なのは貴方の資力。 アメリカ留学は、学費や生活費、一切合財を含めて年間800万円を覚悟しましょう。 

ただ、博士課程ならば学費がタダに近かったり、奨学金の機会が多いと聞きます。 自分が支払いきれるプログラムの類を、じっくり調べて見極めましょう。 貴方があと何年間働いてから留学をすることになるのか、にも影響します。

そして年齢も重要なファクターです。 いくら優秀でも、歳をとりすぎていればキャリア転換はむずかしいものです。 管理職の年齢の人がいきなりMBAを取得しても、会社からすれば雇い辛い候補としかいいようがありません。 勉強は、特段の理由が無い限りにおいて、早いにこしたことはないと考えましょう。

最後に貴方の能力です。 英語力など、ピンからキリまでありますが、いかがでしょうか。 

ロースクールでは、TOEFLで最高点近くをとっていても歯が立たないくらい、非常に高度な読解力とspeakingのスキルが要求されます。 その他の学校では、一般社会人がPrinceton Review やKaplanなどの予備校にかよってGMATなどの点数をあげるだけで、現地の留学先でも十分やっていける方が多いと思います。 

学校にいってからも競争社会は一緒。 全米ランキング20位以下とか、あまり知名度の低い大学院にいくと、それだけ速やかな就職が難しくなることにも留意しましょう。 

この「能力」の項目を最後に記載したのには特別な理由があります。 能力は努力次第であげられる。 だから、本気でやる気があるなら、能力とは貴方のやりたい事への制限事項ではなく、これから身に着けることのできるプラス事項であると認識しましょう。

私の主たるメッセージは、貴方の質問にあるように漠然と、留学を視野にいれた将来を思考する際、「これまでの自分」を考えのスタート地点にするのではなく、「これから成りたい自分」から始めて上記の条件などに照らし合わせて具現化・現実化してゆく、というプロセスを是非歩んでほしい、ということです。

貴方の真剣で有意義なるその悩みを、我がセミナーは支持しています。 

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どのレベルのコンサルファームに入社すべきか

Question No. 8

外資コンサルのOBの方に、コンサルの就活は実際10社受けて一社でも受かれば儲け物という世界で、転 職も頻繁なのでまずは業界に入ることが大事だ、といわれたことがあります。

この意見自体にはコンサル就活の難しさを知った自分も納得できるのですが、実際 問題コンサルファームといってもピンからキリまであります。

学歴と同じでいくら個人の実力で評価されるといっても他のファームに転職するに当たり評価され るファームというのはある程度決まっているのではないでしょうか?

転職にあたりどのレベルのファームなら他社でも評価されるのか(できれば具体的に社名まで)を教えていただきたいです。

一橋大学法学部 Iさん

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回答

私が働く外資系プライベートエクイティの業界では、マッキンゼー出身者が一番多いように思います。古巣でのネットワークも強く、10年前にロンドンオフィスで一緒に働いていた、、とか、その後ハーバードMBAで同じクラスだった、、等の長期的人間関係のネットワークが強いように思われます。ただ他にもボストンコンサルティンググループやベイン、ブーズアレン、アーサーディーリトル等もトップティアとしてグローバルに認識されているファームです。

これらファームから国内で独立したコンサルティングファームもありますが、人材の質に差が無かったとしても、また国内ではそれなりに認知されていたとしても、グローバルには会社の説明に時間を要してしまい、“レジュメのトップティア感”は少し劣ってしまうでしょう。しかしスピンアウトした上司がマッキンゼーやBCG出身でそのネットワークに深く入り込んだ方であれば、貴方のレファレンス先としても信用力を充分に供与してくれることでしょう。

貴方の御指摘道理、トップファーム10社程度は総じて優秀な人材を確保しており、プロジェクトの内容も、同じようなプロジェクトをやることが多いです。(なぜならばクライアントがこれらトップファーム複数と同時に付き合い、プロジェクトを提供するため。)ただ、売り手のパートナーが食い込んでいる産業によって、化学系が多かったり、自動車系が多かったり、政府系が多かったり、メーカーが多かったり、、と、ファーム毎の差と言うより、パートナー毎の差の方が大きいように思われます。

肝心なのはトップファームの中であれば、(当たり前の話なのですが)どのファームに入っても上司に信頼され、可愛がってもらえ、出世の後押しをしてもらえるような関係が築けるように、社内での信頼獲得に励むことが貴方の転職を結局助けてくれることでしょう。

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コンサル後のキャリアパスに関して

Question No. 9

キャリアパスはどのようになるんですか?コンサルティングをやめたあとは、どのような業界、業種へ転職 が可能ですか?

現在理系の院で研究しています。将来は、日本の技術を世界に発信するようなことをしたいです。それにむけて、いま考えているのは、新たな技術を開発するこ とと(最終的にはビジネス面でのサポートを考えています)、または、いま、ある技術のある会社をビジネス面でサポートすることです。

最終目標を達成するために、ファーストキャリアをどのみちにすればいいのか迷っています。 新卒でコンサル業界にはいるか、それとも、数年メーカーの開発で現場を経験するのか。

コンサルへ転職される方は多いと聞きますが、メーカーの開発からコン サルへ移る人は、マレだと聞きました。メーカーでの開発をファーストキャリアにした場合、コンサルへの転職は可能ですか

東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 Oさん

回答

コンサル後のキャリアパスに関して をご覧下さい。

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なぜコンサルファームを数年で辞める人が多いのですか?

Question No. 10

私はコンサルティング企業への就職を希望していますが、コンサル業界は途中で辞めていく人がとても多い ように感じます。辞める理由は様々だと思いますが、経験を積んだ力の有るコンサルタントの多くが辞めていく事はコンサル業界としての損失だと感じます。

ま た、この疑問に対してコンサルタントの方から、『ポジティブな理由(クライアント企業の重役となる、起業をする)で辞める人が多いからそれは問題ではな い』という答を頂く事が多いのですが、辞める人は結局は移動先よりコンサル業界の方が魅力(待遇、やりがい等)が低いから辞めるのでは無いかと思います。

もし、そうならコンサル業界がもっと多くの人が最後まで働きたいと思い、それが可能となる形を模索する必要があるのではないかと考えています。この様 な、私の認識についての御意見を頂けると幸いです。

京都大学理学研究科 数学・数理解析専攻 Nさん

回答

いくつかのパターンがあります。 よくあるのがアドバイスだけに飽き足りず、会社を実際に経営したくなるタイプ。確かに3ヶ月や6ヶ月、インタビューやデータ分析ベースの絵を描くだけというプロジェクトが続いてしまうと、実際に自分は経営が出来るのだろうか、、とフラストレーションがたまるものです。”どうも、こんな上手いこといくわけないよな、、”という漠然とした物足りなさも感じますし、また最終意思決定権があるわけでもないので、実際にインパクトを感じられないケースも存在します。

また、ファイナンスのキャリアを経験したくなるタイプ。コンサルティングから投資銀行やアセットマネジメント、プライベートエクイティに移る人も多いのは、コンサルティングだけだと金融や財務の知識が欠如するケースが多いためです。また投資家という企業のオーナーの立場で最終意思決定権を持ちたい(、、といってもあなたはしばらくは転職先の下っ端なのですから、当然そんな予想しているような強大な権限は得られないのですが、、)、ディールのバリュエーションやストラクチュアリング、交渉やオペレーションを経験したい、という人も多く居ます。

あとはなんといっても、若いときは平気かもしれませんが、体力的にきつくなるのも確かです。コンサルティングはアセットマネジメントと違い、常に走り続けなければならないビジネスモデルです。自分が必ずしも詳しくない分野で、毎回クライアント企業、産業、テーマが変わる中で、その分野の専門家であるクライアントに付加価値を出さなければ生りません。忙しい時は本当に忙しいですし、夜中の2時までひたすらパワーポイントのプレゼンテーションを作りまくる、、みたいなことも日常茶飯事です。

以上の理由のどれかか、その組み合わせによって、数年でコンサルを離れる人も結構居ますが、総じてコンサルの経験を後悔している人はお目にかかったことが無く、ビジネスの基本や多角的な視点、顧客との折衝やプロジェクトのまわし方を学ぶ上で、また人脈とクレデンシャルを築く上で、総じて実り多いキャリアとして貴方のレジュメを彩ってくれることでしょう。

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グループディスカッションに関して

Question No. 11

GDでのたち振る舞い(結局自分の意見を突き通す人が通っているイメージがありますが、 本当にそれで いいんでしょうか? どんな人でも意見に矛盾点が少しは見受けられ、 それを無理やり押し通す人もGDで見受けられるような気がします。) ・志望動機 一応各社ごとに志望動機を変えているのですが、 一回、最終面接で志望動機の部分で落とされた気がするので、 志望動機を言う上で注意すべき ことを教えていただきたいです。

東京大学工学部 Tさん

回答

グループディスカッションの立ち振る舞いに関しては既に多くの情報がネットで氾濫しています。外資セミナーでは総じて、議論の全体感を踏まえて、分析のフレームワークの軸出し、分析結果に整合性のある解決策の複数提案、また発言できていない人を活性化させ、いい議論の雰囲気を出すチームワーク感を心がけることを推奨しています。

なお面接は大学時代や受験時代のマニュアルのようなものは存在しません。よって無理やり押し通しても通る人は通りますし、協調性があっても落ちる人は落ちます。ただ一般的に常識的に見て、好ましい人と思われるような立ち振る舞いをするのは面接に限らず対人折衝する際の基本要素です。うわずった声で早口でまくし立て、無礼な調子で他人の意見をさえぎったり、逆に相手の意見を尊重している素振りを見せようと必死になってるな、というパフォーマンスも、面接をする側にはひしひしと伝わってくるものなのです。知性を分析の軸とフレームワークの設定で示し、協調性とリーダーシップを落ち着いた感じのいい笑顔を忘れないコミニュケーションと、他者への配慮で示しましょう。これができて一旦”いいやつ”と思われたなら、多少の矛盾や勉強不足があってもご愛嬌。結局、好かれる人が上に上がるのがビジネス社会なのです。

なお志望動機で最終面接落とされた、、というご懸念は、分析的/マニュアル的に考えるようプログラムされてしまった日本のいわゆる”いい大学”の学生に典型的に見られる思考の罠と言えます。実際は、志望動機の一つや二つ悪かったところで、他の要素が素晴らしかったのに落ちる、ということはありません。(といっても変わった面接官も居ますので、断定はできませんが。。)ただ外資セミナー配布のテキストにも強調してありますが、志望動機を言う際は産業レベル、企業レベル、部門レベルで、”確かに将来ビジョンと合致していて、君の強みを活かせて、他の職業を選ぶより弊社にとっても君にとってもいいな。。”と思わせるよう、これらの要素を意識した上で準備されることをお勧め致します。

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コンサルの忙しさと今後の先行きに関して

Question No. 12

私は、外資系コンサルティング会社への勤務を希望していますが、それに関して、2点確認したいことがあ ります。一つはスケジュール、今ひとつは経済状況とコンサルタントの相関性です。 

まず一点目は、所謂仕事の厳しさについてです。証券会社などは、四六時 中動き続けるマーケットについていかなければならないため、睡眠時間が極端に少ないなど、容易に想像できます。一方で、コンサルタントは、自分が関わって いる案件の山場の時だけ徹夜が2日3日続くというような「甘い」イメージしかもてません。私はある程度規則性をもって生活できるならば、睡眠時間が少なく なっても働いていける自信がありますが、実情を教えてください。 

次に、経済状況とコンサルタントの仕事量についてです。一般に、コンサルティング代は、 非常に高く、企業にとって大きな負担になると考えられます。特に今日のような、金融危機に際した、長期的な不況が想定される場面では、勿論この不況を勝ち 抜いていくために、多少の費用を払ってでもコンサルタントを雇う会社も存在するかもしれませんが、私は多くの企業が、コンサルタントの利用を控えるように 感じます。この点に関して、実感などありましたらご教授ください。

東京大学教養学部 Iさん

回答

仕事の厳しさは上で述べましたので簡単に付け加えます。私は投資銀行のあとに戦略コンサルに移ったのですが、IBDに比べたら時間は短いです。比較する対象のIBDが異常といえば異常なのですが。なお証券会社でも、マーケット部門は意外と労働時間が少ないのです。市場が開いている時間が限られているのですから、香港などで複数の市場を見させられてる人でも無い限り、また東証の昼休みが無くなるという話も少し停滞しているだけに、予想していたより結構休めることに驚かれることでしょう。(ブロックリーブといって、二週間連続の夏休みをとる義務のある会社もありますし。)なお、コンサルについて付け加えますと、プロジェクトの合間などは暇な時は本当に暇で、出社時間も多くの会社で10時(ないし更に遅く)出社が許されていることもあり、総じてカチカチの日本企業よりもプライベートの時間はとりやすかったと記憶しています。

なお経済状況との関係に関しましては、貴方の仰るとおりです。リーマンショックの後、予算は大幅に削減され、人員削減が行われたファームもあります。2011年ようやく慎ましいながらも経済回復が見えてきた中で、再び巨大地震によって経済が萎縮してしまったのは誰もが知るところです。こういう時、企業は真っ先に広告費などを削るのですが、コンサルプロジェクトも総じて削られるか、フィーの低下が避けられない状況となります。ただディストレスドディール(倒産企業の再生案件)は顕在化してくると思われますが、これもお金の無い企業を買収してコストカットしまくるのが典型であるため、大手ファームに何億も払って、、というケースには繋がりにくいのが実情です。

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能力のアピールと、“一緒に働きたい”と思わせるコツ

Question No. 13

面接において、業務上実際に必要とされる能力のアピールと、「コイツと一緒に働きたい」と思う内容の バランス。 多くの内定者と話すうちに述べられていたことが、「コイツと一緒に働きたい、と思わせることが内定の秘訣」ということです。

しかし例えば、投 資銀行で必要とされる能力として「スケジュール的、肉体的に限界な状況でもミスを無くして作業する能力」が挙げられると思うのですが、面接でそのよう な長所を例えアピールしたところで面接官は上記のように思うのでしょうか?

そんなミクロなことではなく、青臭くてもいいから可愛げがあることを述べた方が 印象はよいのではないでしょうか?そもそも上記のように思うことが面接官の意向なのでしょうか?実際に面接に関わっている立場の方からお聞かせ下さると幸 いです。

京都大学 経済学部 Sさん

回答

能力のアピールと、一緒に働きたいと思わせる内容は排他的な関係ではありません。能力も、当然一緒に働きたい大切な要素の一つです。ただ仕事の能力の捉え方には幅広い要素があり、それらが”一緒に働きたい”を形成します。それらは総じて、誠実さ、正直さ、真面目さ、といった性格的な部分も含みますし、仕事が正確で早く、コミニュケーションも迅速で確実、という点も含まれるでしょう。そしてなにより、笑顔で積極的にオフィスの誰とでも打ち解けて話すという特質が、意外と非常に重要な出世の要素であったりもします。

あなたが挙げておられる投資銀行で必要とされる能力は、特にジュニアバンカーの頃にかまさしくあてはまります。しかし2011年現在では面接対策のトレーニングを受けてくる人があまりにも一般化したため、自然さをこころがけないと鼻につく白々しい自己アピールになってしまうことでしょう。同様に、”可愛げを出そう”と必死に演じている様も、見る人が見たら不快感とともに深く面接官の胸に刻み込まれるでしょう。

なお面接官の意向は一般化できません。所詮人であり、重視する要素も感性も、面接その時の体調や機嫌によっても評価が大き変わって来るからです。逆に”面接ではこうあるべき””やってはいけない6つの失敗”等のマニュアルチックな助言は、大半が的外れな虚言に過ぎないことが多いと御忠告させていただきます。

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ケース問題を友人同士で練習する場合のポイント

Question No. 14

ケース問題を友人同士で練習する場合に気をつけるポイントについてお伺いしたいです。 ・よく言われる、新卒でコンサルに入社し数年経験を積んでいざ起業をした時に、自ら生み出す事をしてこなかったコンサルタントは事業を実際に自分でやる時 に苦労する、という事があると思いますが、今から新卒でコンサルに入社し、将来起業を志す場合、仕事に取り組む上でのポイント、注意点などお伺いしたいで す。

現在の日本経済、世界全体の経済不況を考えた時、やはり真っ先にクライアントがカットするであろうコストはコンサルタントフィー、広告料などの間接的な ものだと思われます。このような状況を考えた時に、この経済不況の煽りを受けるのは他業界よりも何よりコンサル業界なのではないかという思いがあります。

そんな中であえてコンサルタントを志望する理由(志望動機にプラスするもの)として「こんな経済状況にさらされている、大きな問題を抱えているからこそ、 この状況を変えるべくクライアントの問題解決をしてきたい」というような答えしか用意できずにいます。実際にそう思っているのが事実なのですが、この理由 では他の学生との差別化が謀れないと思っています。この現在の経済大恐慌の中であえてコンサルを志望するアピール力のある理由、今の経済状況におけるコン サルのあるべき姿などの話も踏まえてお聞きできればと思っております。

早稲田大学Tさん

回答

複数の御質問を頂きましたので、分けて答えさせていただきます。

ケース面接を友人同士でする際、どうしても限界があるのは、いくら賢くても学生さんの視点と実際に面接をするコンサルタントの視点は違うという事です。学生さんはどうしても受験カルチャーの影響か、”命題を定義すべき””MECEになってるか?”など、教科書的なマニュアルに沿って互いを採点しがちです。しかし実際は面接官によっても、場の空気によっても、お題に関して一般的な人が答えられるレベル感に関しても対応は異なります。マッキンゼーのパートナーの中でもケース面接をしない人もいますし、受かった内定者の中にも”ケース面接が苦手で、何故受かったかわからない”という人もいます。この視点や感覚の違いは実際のコンサル経験からくるものなのでいかんとも説明しがたいのですが、総じて”貴方の友人が言う事も、一つの参考程度に捉えておくこと”を忘れてはなりません。逆に様々な人からの意見を反映させようと、文脈や空気の流れを無視して”さて、ここでどの解決策が一番有効か、数量的に把握しませんか?”とか突然言ってしまうのが最大のリスクかもしれません。

さて、起業をする上で苦労するのはコンサル上がりに限らず、事業会社出身者でもベンチャー出身者でも当然苦労します。コンサルタントとしてのスキルは企業経営のスキル(産業や分野、規模にもよりますが)と異なる点も多いのです。なにより、”ぶつぶつフレームワークとか分析の軸とか200ページのレポートつくる前に、とにかくお客さんに会ってハートをつかんでこい!”という点がすぐに思いつく違いの一つです。よってコンサルで仕事に取り組む際は、クライアントが将来独立した時のお客さんになってくれるように直接的な人間関係を築けるよう信頼を勝ち取ることが重要ですし、ファームを離れた後も個人として相手にしてもらえるよう、社内での名声を高めることも大切です。プロジェクトに関してはできれば営業系や、現場に送ってもらってクライアント先の名刺を貰って一緒に現場でオペレーションをする、系のプロジェクトに入れてもらえれば、相当起業に役立つことでしょう。当然組織改革系や人事制度、報酬制度設計系のケースもあなたのマネジメント能力を高めてくれます。

最後に貴方の思慮深いコンサル志望動機について回答させていただきます。同じような志望動機を皆が言ってくる中で差がつけるには、志望動機の原体験(こんな体験をしたから、コンサルを目指している)やそれにまつわる具体的なリーダーシップ、チームワーク、そこからの教訓の質と納得感の高い具体性がものを言います。http://www.gaishi-seminar.net/book/bookList.html のサンプルに具体例がいくつか示されていますので、そのレベル感を御参考頂ければ、と思います。

なお、経済恐慌の中でのコンサルと言う意味では、困っているからこそ経営インフラがより必要だという点は挙げられると思います。既にバランスシートやヘッドカウントのコストカットは随分進展していますが、10年後のビジョンや事業の取捨選択、新規サービスの立案など戦略的意思決定の正しさの積み重ねがまさしく国の命運を左右する時代です。国債も積み上がり、原材料も高騰し、アジアのライバルに次々と追いつき、追い抜かれる今だからこそ、そして政府があてにならないからこそ、企業がよりしっかりとした戦略的意思決定をするのをアシストしたい、というのは時流にそった御考えだと思います。

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リストラのある外資に入るメリット・デメリット

Question No. 15

外資系は入社するときに志望部門を絞るので、プロフェッショナルを育てるという特徴を持っていると思います。しかし、外資はリストラが多くあるイメージがあるので、キャリアデザインの観点から外資系に入るメリット、デメリットを教えていただきたいと思います。また、英語面接に関して、どの程度英語の受け答えができればいいのか教えていただきたいと思います

東京大学 修士一年 Wさん

回答

外資と言っても産業によって日系との違いのレベルが異なりますので一概に言えませんが、ここではサイトの性格を鑑み、投資銀行について書きたいと思います。

野村證券がリーマンを買収し、新卒の採用時から一部の枠をグローバルプロフェッショナル採用(名称は失念しましたが)で投資銀行他社と同等の650万スタートで採用を始めるなど、日系と外資の差は一部では随分縮まってきています。これは、金融は人材ビジネスであり、ベストパフォーマーに高い給料を払うためには、そうでない人の給料を下げるか、会社を去ってもらわざるを得ないからです。モルガンは三菱モルガンに(東京では)なりましたし、シティは日興の名前こそ消えましたがこれも日系との合併を経て現在に至ります。野村がリーマンを買ったのはご存じのとおりです。結構みずほの某国のトレーダー採用の報酬パッケージが某米系トップバンクより高かったりと、人材によってはやることも報酬レベルも時に差が無くなっているのも事実ですし、日系と外資系で人材の行き来も以前より活発に行われています。

この”縮まる違い”に加えて、外資系投資銀行の中でもトップティアとサードティアでは違いますし、日系でも野村や大和と、地方証券会社とかでは随分内容が異なり、外資と日系と言う違いのみならず、外資間、日系間の違いも多様です。御自身のキャリアに関する影響と言う意味ではケースバイケースでしょう。当然外資で1年そこいらで解雇されて次の仕事が見つからなければ、多少給料は低くても、取り扱い金額は少なくても、英語を使う環境が少なくても日系の方がいいかもしれません。しかし日系でも香港やシンガポール、ニューヨークオフィスに派遣してくれる場合もありますし、提携先の外資系ファンドやアセットマネジメント会社に数年出向させてくれるケースもあり、これも一概に言えません。

ただ総じて貴方のキャリアにとって大切なのは、一流のお客さんからプロジェクトを貰えているのかどうか、尊敬できる上司とチームの中で働けているかどうか、給料水準はどうか、将来のビジョンに繋がっているかなど、貴方の価値観の各要素に対するウェイトによって変わってきますので、やはり結論的には外資・日系という比較ではなく、上記要素の本質的な比較をされることをお勧めいたします。

PS.英語に関しては、東京で下っ端の方で働く分には下手な英語でもやっていけますが、やはりイギリス人、アメリカ人、そしてユダヤ人のグローバル上司の方々から使えるなと思って貰うには、流暢極まりない英語が出世を大いに助けるのは自明の慣わしです。

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熱く語るべきですか?それとも論理的にでしょうか?

Question No. 16

コンサルの面接において志望動機を伝えるときは熱く伝えるよりも冷静に理路整然と伝えるほうがいいと聞きましたが、実際にはどちらのほうが好印象なのでしょうか。

東京大学法学部 Kさん

回答

面接官のタイプと理路整然、熱い、の中身次第だと思いますが、総じて論理だけでなく、人間味、温かさ、誠実さ、可愛げの伝わるコミニュケーションが望ましいのは言うまでもありません。また貴方のキャラクターによっては路線の向き/不向きがありますので、これは一概に言える問題ではないでしょう。受かっている人は総じて、賢いだけでなく穏やかさ、成熟さを感じさせる人が多いです。バックグラウンドが確かな方であれば(=経歴に文句のつけどころの無い人)、結構面白みのある、快活な体育会系の人もボストンコンサルティンググループ等に就職しています。

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ジョブに受かったら、何に注意すべきですか?

Question No. 17

JOBへの参加が決定したとして、JOBにおいてはどのような点が評価され内定へとつながるのでしょうか、教えて下さい。

東京大学法学部 Iさん

回答

インターン/JOBは当然選考過程です。早期採用だ、や、招かれていない大学の学生から文句を言われるのを避けるために”採用とは関係ありません”と謡うところが多いですが、それは信じてはいけません。

さて、JOBの最中は当然、ランチでの振る舞い方、同期への振る舞い方、働いている人達との打ち解け方、彼等からの評価、時間の正確さ、会話の節々での感じの良さ/面接で話してきたこととの整合性等が見られています。ただ、見られているというよりは後で振り返って内定者を選定する時に、リーダーシップ、コミニュケーション、チームワーク、業務への理解等などの評価項目への○×評価シートに私たちは書かなければならないので、上記事項に注意されると実り多いJOBになることでしょう。(当然、そこに入社することが本当に自分に向いているのかを見極める機会でもあります。実際私の後輩でゴールドマンに内定後、インターン中に不向きを悟り、他業界を選んだ人もいるのですから。)

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コンサルと投資銀行業務の比較

Question No. 7

1 コンサルでは、ケースのアフターケアまで行うと認識しているのですが、投資銀行ではM&A、企業再 生の後、どこまで業務を手がけるのかわからないので教えていただきたいです。

2 投資銀行では入社後ひたすらエクセルなどで書類作成の業務を行うというイメージがあるのですが、実際にはどのくらい証券業務の本質に触れられるのか、教えていただきたいです。

3.同様の質問が記載されていましたが、金融に関するコンサルの業務は投資銀行と同じような業務なのか、教えていただきたいです。

京都大学大学院 農学研究科 Wさん

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回答

投資銀行部門はM&Aのエクセキューションまでであり、いわゆるPMI(Post Merger Integration)は企業が別個、コンサルティングファームを雇うことが多くなります。企業再生に関しては、投資銀行部がやる仕事ではありません。財務構造のリストラはブローカーとして担いますが、案件成立後の事業のオペレーションはスポンサー企業が行いうます。ただファンドの中には例えばアドバンテッジパートナーズのように多くのコンサル出身人員を擁し、投資先企業に送り込んでオペレーションをガリガリ行うケースも見受けられます。再生オペレーション内容は新規顧客の開拓、アジア市場への展開、小規模同業者のadd-on-acquisition、ノンコアアセットの売却、ワーキングキャピタルの効率化等が一般的です。ただファンドによっては基本まかせきりで、コーポレートガバナンスや計数管理のところだけ改善し、あとは月一の取締役会に出席して質問してるだけのケースも多いのが実態です。

多忙のさなか業務の本質に触れられるかどうかは、貴方の問題意識と吸収力、向上心に依存しているといえるでしょう。同期でも3年たってもいわれたエクセル作業しか出来ない人もいれば、いつのまにやらシニアアソシエイトやVPクラスの仕事を任されている人もいます。

なお、金融に関するコンサルの業務は投資銀行のそれと異なります。コンサルティングファームはM&Aの実行やエクイティファイナンスの仲介は行いませんし、行えません。(機関投資家へのアクセス以前に、そもそも金融関連の諸々の規制があるためです。)コンサルが金融関連で行う業務は、例えばファンドに委託されたデューディリジェンスで買収の是非を判断したり、投資後の戦略を立案したり(多くの場合的外れですが)、、といったものが挙げられます。

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小規模コンサルファームのメリットは何ですか?

Question No. 19

私は、業界ベースではコンサルを第一志望としてそれ以外は考えていないが、その中でどのファーム を第一志望とするか、についてはまだ決めかねている。

そこで、BCGやMckのような大規模ファームと、ADLのような小規模ファームを比べた場合のメリット・デメリットについてお伺いしたい。特に、 大規模ファームと小規模ファームに受かって、あえて小規模ファームを選ぶことのメリットはどこにあるのか、という点について詳しくお聞きしたい。

東京大学 法学部 Hさん

回答

大規模、小規模で分けることはこれも一概に言える話ではないですが、いくつか述べさせていただきます。グローバルには大きくても日本でのオペレーションが比較的小さいファームは、シニアの数も少ないので早期にプロジェクトに全面的に参加させてもらえる可能性があります。(小規模所帯なりにケースが十分あればの話ですが。)中間層が少ない程、下作業以外に参画できる機会が多いのは事実です。また小規模ファームは特定の分野に特化するブティックファームとして存在感を増しているケースもあり、例えばリテールの再生ものなら元ユニクロのマネジメントとブーズのコンサルタントが一緒に独立したどこそこ、、といった具合に、”特定分野に特化したコンサルを目指す”のであれば、実はそちらのほうが実り多いキャリアになることもあるでしょう。

デメリットとしてはプロジェクトの売り手が比較的少ないので、クライアントの産業やプロジェクトの種類が大手ファームに比べて限定される可能性はあります。(特定のシニアパートナーのエキスパタイズエリアにケースが集中するため。)また、やはりマッキンゼー、ボストンコンサルティンググループ、ベインの3社はグローバルのプレゼンスが特別に高い印象が有ります。(ただし、ブーズアレン、アーサーディーリトル、ATカーニーも立派にグローバルで尊敬されている名前です。)

ただ、より本質的な切り分けは大規模か小規模かではなく、どんなプロジェクトがあって、どんな上司/同僚/顧客と働くことになるか、だと思います。

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新卒社員の退職理由及び転職先に関して教えて下さい

Question No. 20

新卒社員のうち、3年未満で退職する人の割合が多いと聞きます。その理由は、業務のハードさより もむしろ解雇によるものであるという情報は正しいのでしょうか。

社員の退職の理由、またその後の再就職先などの情報を教えていただければと存じます。

京都大学大学院 経営管理教育部 Oさん

回答

再就職先や退職の理由に関しては先のコラム(http://www.gaishi-seminar.net/bankers_consulting/index.html#04 や http://www.gaishi-seminar.net/midCareer/midcareer-message.html#09)で回答されておりますので、そちらをご参照ください。

解雇に関しては、市場環境に依るところが多いです。リーマンショック当時は部門がそのまま吹き飛んだり、チームが半分になったりもしました。それでなくても、毎年定期的に組織の一部は新陳代謝の一環として解雇されていきます。なお私が在籍した投資銀行では、大半は自発的にやめて行きました。しかしドットコムバブルの崩壊やリーマンショック等、節目節目で優秀な同僚が上司からの覚えがめでたくなかったために、不当とも思えるやり方で解雇されたのを見たことが有ります。

なお、業務のハードさから半年そこいらで早期に見切りをつけ、比較的楽なバイサイドに移ったり、社内で有望視されるニューヨーク行の女性慣れしていない真面目な若手上司を捕まえて早々と結婚したり、コスメ会社に転職したり、持ち前の美貌を活かしてアナウンサーやモデルになったり、、と、早期に自発的に退職される方も結構いらっしゃいます。

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父が外資金融で過労死しました。過酷な労働環境を選んでいいものか、不安です

Question No. 21

自分の父親が以前、外資系証券会社に勤務しており、面接等で投資銀行に興味を持ったきっかけとし て、話すことがあります。父は私が高校2年の時に、過労が原因で亡くなっており、おそらく仕事が忙しすぎたことが原因になっていると考えられます。

この事情を話すと、必ず、「自分も同じ道に進んでいいの? 仕事はほんとにきついよ。」という質問が飛んでくるのですが、これに関する明確な答えが 用意できません。

確かに、長期インターン中も平日の睡眠時間は4時間前後で、正直体に無理を強いる仕事だと切に感じました。しかし、仕事の面白さ、やりがい、成長の 実感などには大きな魅力を感じました。

このような悩みを抱える中、本採用の面接に進んでも大丈夫なのかと思っています。実際に働く社員の方はどのように考えているのかご意見を拝借したい です。

東京大学 経済学部 Sさん

回答

御尊父様のご逝去、お悔やみ申し上げます。実際私の以前の職場の投資銀行で非常に優秀だった上司が30半ばで過労死しており、生真面目でサボり方を知らない人にとっては時に過酷なまでの労働環境になりえるのは事実です。以下ではやりがいと辛さのバランスについて述べましょう。

辛さに関しては、労働時間の長さと作業内容の意味の乏しさが最大のポイントです。業務の多くは一見、意義を見出しづらい無意味に思える下作業であり、労働時間も長時間にわたります。これは投資銀行部のビジネスモデルに問題がありますが、常にマーケティング、常にピッチブックをつくるビジネスであり、常に走り続けなければならない業態なのです。またそれらに耐えてきた上司が効率を無視して深夜・明朝まで部下を働かせるカルチャーが根付いており、生真面目な所謂エリート学生を採用するため彼等は粉骨砕身その無駄な要求に応じてしまう、というのが実態ではないでしょうか。

勿論時にはよい勉強もできます。新卒で一年目に1カ月以上、ロンドンやニューヨークでグローバルトレーニングを受けられますし、英語を自然に学ぶ環境という意味でも恵まれているでしょう。下っ端のメモとりとはいえ、顧客企業の上層部とミーティングに参加できますし、過労にもめげず日々の業務外でファイナンスを勉強しようとすれば優れた人材リソースも揃っています。総じて出世する人も多いので、彼等と人脈を築いておけば10年後の転職市場で大きな力になることを後に知るでしょう。

私の推奨ですが、何も投資銀行部のみを目指すことはありません。ファイナンスの勉強と言う意味では特に投資銀行部よりエクイティリサーチの方が勉強できますし、企業のトップどころと話す機会、機関投資家と話す機会という意味でもパブリックマーケットの方が優れています。勿論M&Aのディールプロセスや交渉、エクセキューションを学びたいのならば投資銀行部ですが、その際も二年と区切って一番面倒なことの多いM&Aプロダクトチームできっちりエクセキューションを学び、次に移る、、という時間的区切りのイメージを持ったうえでなさるのであれば、耐えられる投資となることでしょう。実際私の投資銀行時代の最も優秀な同期は2年程度でプライベートエクイティに転出しました。驚いたことに彼はその2年の間に上司から尊敬すら受けていたので、今でも公私にわたって生産的な関係を築いているようです。過酷な投資銀行業務ですが、貴方がこの業界と正しい付き合い方をすることで、命と人生を危険にさらすことなくスキル的にも人脈的にも大きなステップとすることができるでしょう。

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社会の格差を拡大させないような金融のあり方について教えて下さい

Question No. 22

私は金融に興味があり、あらゆる企業活動の基礎となる財務面を支え、さまざまなアプローチによっ て社会に貢献することに関心があります。

例えばM&Aや事業再生によって企業の建て直しを図り、その企業の社員の方々の生活を救うことは大変意義のある貢献であると考えます。しかし、 M&Aによる事業の効率化や企業の再編によってリストラされる人々や衰退する競合企業などは経済的に恵まれない立場に置かれ、弱者と強者の溝が深まり、経 済格差が広がってしまうような気がしてしまいます。(そのため志望する際や将来のキャリアを考える際に悩むことがあります。)

私はこれまで発展途上国でのボランティア活動や一人旅で貧困や経済格差を目の当たりにしてきました。そのために世界、あるいは国内での格差問題を是 正し、多くの人々にチャンスを提供する手助けがしたいと考えています。

そのためには広い分野で金融の知識が役に立つと考えており、例えば国内外の支援団体で財務を担当することも大変有意義なものだと思います。しかし、 金融業界に身をおきながら国内の経済を活性化することにも興味があり、上記のような格差を拡大させてしまうことよりも格差問題に有効に取り組んでいけるの であればぜひどのような貢献の仕方があるのか教えていただければと思います。よろしくお願いします。

東京大学 農学部 Tさん

回答

貴方の様な立派なお考えの大学生の方に、私は心から拍手を送りたいと思います。金融から国内経済の活性化に関心があり、また個人的体験から世界の恵まれない人々の経済格差是正や機会の提供に取り組みたいという想いは、実は毎年外資セミナーに寄せられる典型的な御質問の一つです。以下ではその金融が格差を拡大するかという問いと、上記ビジョンの融合方法について書かせていただきます。

まず、金融の全てではないですが、一部は確かに格差を拡大します。格差の拡大を許容しつつ全体のパイを大きくして最低賃金層が受け取る実質所得を上げるのがよいのか、所得を分配して格差を縮め、全体のパイは小さくなっても結果の平等を目指すのか、といった問いは、最終的には資本主義と社会主義といった社会の在り方に関する哲学に行きつきます。

過去の歴史を鑑みるに、既に行き詰ることが見えていて、税金で国民の負担の上で生き残っている産業はサステイナブルではありません。そこで働く人にとっては過酷ではあってもリストラした方が、今後伸びる分野にお金を回せて、潰れる分野に継続的に資金と人材を投入しなくて済むという意味で経済全体にとっては必要な金融の機能です。

ただし私は別に、競争に負けた人や企業を社会的に放置してよいとは言っていません。それは民間の金融が担うべき機能ではなく、福祉や社会保障で担うべき役割だと申し上げています。

金融で金持ちをさらに稼がせる仕事に就きつつ、プライベートでは貧者の為に働きたいというのは、欧米のお金もちが巨額の寄付を慈善事業に回すのと似通った自然な欲求かもしれません。例えば多くの投資銀行やプライベートエクイティファンドの上級幹部は、NPOのアドバイザリーボードに名を連ねて運営やファンドレイジングを手伝ったりしています。また30そこそこで金融を引退し、そこで培ったノウハウとスキル、人脈で効率的な強いNPOを運営している人達もいます。彼は金融出身ではなくマイクロソフトの創業メンバーの一人でしたが、Room to Readを創ったジョンウッド等はその好例でしょう。

その際、金融で働く間にファンドレイジングのノウハウや資金提供者に対する説明責任、事業計画の立て方や資金の透明性のあり方等を金融の世界で学び、将来的に非営利組織で活かすというのが一つの考えうるケースだと思います。

人生の序盤戦で経済格差を広げることに携わった分(必ずしもそれが悪い事だとは限りませんが)、そのノウハウを人生の中盤以降で社会の貧者の為に役立てるというのは、立派な人生の時間配分であるのみならず、健全なself-identity確立にも寄与することでしょう。(現在、NPOでの問題の一つに、ノウハウの無い素人集団が寄付金を無駄に浪費している、と指摘されることも多いので、貴方のプロフェッショナルとしての成熟は日本のNPOを発展させるステップストーンになるかもしれません。)

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リーダーとは何でしょうか。どのようにして社会に貢献していくべきでしょうか

Question No. 23

私は、大学を卒業後、二年間海外にてベンチャー会社の立ち上げに参画していました。それは、ビジ ネスリーダーとしての自分の成長を考えたときに、国際感覚や行動力といった ある種感覚的要素(衝撃)を若いうちに体得したかったからです。 しかし、今になって新たに考えさせることが二点ありました。

1つ目は、そもそもビジネスリーダーとは何か再定義する必要があると思ったことです。 当初感覚的な要素を身に付けた後は分析やエスタブリッシュされたビジネス力を身に付けて・・・などと考えていたのは、ビジネスリーダーと銘打ってい たものは「何でもできる理想のスーパージェネラリスト」といった枠に収まっていたような気がします。 しかし、厄介なのは「リーダー」よりも「ビジネス」という部分で、会社とは何か、結局ビジネスにおけるリーダーとは何か(社長である、と簡単に銘 打っていいのか)少しわからなくなっています。

2つ目は、仮にビジネスリーダーを再定義できたとして、ビジネスリーダーになってどうしたいのか、そもそもビジネスリーダーになりたいと思う所以は どこにあるのかを考え始めたことです。 今までは内なる成長、つまり自分の人間的な成長に焦点が当たっていたように思いますが、最近はやはりどうやって今の社会の問題点を解決していくかと いう外的要因が強くなっています。 海外で真剣に人生を考える機会を得たのがよかったと思いますが、逆に社会にどう貢献していくべきかまだあまり検討がついていません。大前研一さんみ たいになるのか、実業家になるのか、政治家になるのか。。どういった切り口でこういう問題に対処したらよいでしょうか。

東京大学 法学部 TJさん

回答

ビジネスリーダーのあり方と、社会貢献する際の立ち位置のタイプについて良い御質問を頂きました。

金融やコンサルティングの仕事で見てきた銀行の頭取、投資銀行のパートナー、ファンドの創業者、上場企業の社長、ベンチャーキャピタリスト、の方々と接してきた経験からビジネスリーダーの特徴を書きます。まず、彼等はピンからキリまであり、一概に言う事はできません。中には創業社長の息子として労せずして社長に座っている人もいますし、前任の社長の傀儡として座らされている調整役のリーダーもいます。失敗が無かったから無難に上にあがってきたという伝統的日本企業タイプの迫力に乏しい社長が多かったのも事実です。

ただ以下では私が感心したリーダーについて述べたいと思います。例えば某最大手ハウスメーカーの社長は、企業の利益、株主への配当、従業員の給料のみならず社会が必要なことに対し、会社が何を出来るかという視点で常に私に熱く話して下さり、やはり他のステークホルダーの納得を得られる範囲で社会貢献の在り方を追求されていたように思います。 ユニクロの柳井さんも、既存の小売業の多くが倒産に追い込まれましたが、良質の服を安価で提供するという意味で日本のアパレル業界に大きな足跡を残されました。また早期に海外市場に進出し、外国人採用を勧めるなど、社会として必要な方向性に真っ先に舵を取るという意味で、フォロワーではないリーダーシップを感じさせます。ソフトバンクの孫社長に至っては言うまでもありません。

共通するのは既存の政治的・法的・商業的フレームワークにとらわれず、また既存の市場に甘んじず、社会に必要とされるサービスを市場に必要とされる前に提案し、実現していく姿ではないでしょうか。なお補足的に書きますと、私が尊敬するビジネスリーダーは総じて人間関係の構築に優れており、信頼を獲得し、自分の仕事に厳しく、スケジューリングがしっかりしており、厳しいですが相手の心に要所要所で気を配ります。要するに人心をつかむのに長けており、自分をサポートしてくれる人の力を借りるのも上手いように思います。

社会貢献の立ち位置は、貴方の強み/弱みによって変わってます。竹中平蔵氏のように、政治を経験した学者という立場からメディアを通じて社会の正しい意思決定・政策評価に関してリーダーシップを発揮する人もいますし、御自身の経済への理解はいまいちでも政治における才覚から優秀なブレーンで周囲を固めて大きな経済改革を成し遂げた小泉前総理のような方もいらっしゃいます。また大前さんや堀さんのように、自分で事業をやるよりもアドバイザーとしての関わり方で力を発揮するタイプもいらっしゃれば、孫さん、柳井さんのように事業を立ち上げて成長させて、、というプレーヤ―の立場で輝く人もいます。これらの違いは総じて、何をしているときに一番面白いと感じるか、興味を感じるか、追求したいと感じるかという個々人のタイプの違いによりますので、これはご自身の自己分析と照らし合わせて考えて行く問題でしょう。ただし学生の今から悩む必要はありません。プレーヤーとしてもアドバイザーとしても社会人経験が無いわけですから、約10年程かけて様々なタイプの経験をされてから、御自身の強みを発揮できる立ち位置を悟られるのがよろしいかと存じます。

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金融商品を作ることは社会貢献や企業の為になっているのでしょうか

私は、現在大学院でPFIという社会資本(電力会社や道路などのインフラ)整備に民間資本を活用する方法について学んでいます。

というのも、フランスへ留学したときの経験から、人や社会を動かす仕組みについて勉強したいと思ったからです。現在では、社会の仕組みについてだけ ではなく、証券化や金融商品の組成についても興味を持っています。

私は、金融商品を作ることが社会や企業のためにもなっているのではないか、という風に思っているのですが、実際に働いている方々がそういう気持ちを 感じることはあるのでしょうか。

人によってまったく違うと思うのですが、特に金融機関で働くことが与えてくれる喜びややりがいについて、お話を聞いてみたいと思っています。

京都大学大学院 経営管理大学院 CKさん

回答

金融の喜びと、金融商品が社会の役にたってるか、という御質問を頂きました。

金融の喜びは、私の個人的なものですが、余剰資源を成長分野・資源を必要としている分野に振り分けられるという金融のそもそもの機能を大変有意義で面白いと感じるのに加え、幅広く産業・企業を知り、トップマネジメントと直接対話し、人脈を築ける点です。 ただし中にはお金を簡単に儲けられるからという人もいれば、金融商品を開発するのが面白いという人もいますので、貴方が仰る通り、一概に金融の喜びも語ることはできないと思われます。

さて、金融商品が社会の役に立っているかという意味では、これもケースバイケースです。どう見てもこんなデリバティブいらないだろ、とつっこみたくなる商品もありますし、このストラクチャードプロダクト、構造をややこしくしているだけで全然リスクヘッジになってないから、と突っ込みたくなる商品もあります。ですが、異なるリスク許容レベルの投資家に、そのリスクに応じた異なるリターンアップサイドレベルの商品を提供するのは、リスクマネーをリスキーではあるが成長する可能性のある分野に誘導する上で重要な意義があると考えます。

肝心なのは、その異なるタイプ(リスク・リターンバランス)の市場が十分に発達することです。残念ながら日本では豊富であった資金が、国策から国債に振り分けられるように制度設計されており、結果財政規律は崩壊し、国際を買う国内マネーに甘えてリスクマネー市場が発達せず、企業のリストラや再生が大幅に遅れたという経緯を持っています。

とにかく伝統的な銀行が貸してくれない企業、株式投資家が手を出さない企業でまだ伸びる余地、再生の余地のある企業に、様々なダウンサイドプロテクションやアップサイドオプションを組み合わせることで資金を融通することが、社会の役にたつ金融商品の共通項目だと思います。(逆に言えば、エキゾチックで難解なストラクチャーで無知な投資家から高いフィーを搾り取るだけのためにしか思えない商品が、悪い金融商品と言う事ができるでしょう。)

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外資と日系の違い及び、今後の外資の展開に関して

Question No. 25

A.私が日本金融機関と外資系金融機関の違いということを考えた場合には、1蓄積されているノウハ ウの差、2会社の文化の違い、にあるのではないか、と考えています。

1に関しては、ファイナンスの理論自体は日本の金融機関も高いレベルまで研究しているのだとは思いますが、それを実際の顧客のニーズや現実の商品ま で落とし込むまでのノウハウに差があることが、外資系金融機関の強みなのではないか、と考えています。

また、2に関して、インターンや社員の方々と話していて感じたことは、日系と外資系では文化の違いがあり、結果を出すために猛烈に仕事に打ち込むこ とやそれに報いる責任と裁量、待遇を提供することで、優秀な人材が集まってきているのではないかと考えています。

今回セミナーでは、この認識が正しいかどうかということや入社後になって分かるような特徴があれば教えていただきたいです。

B.外資系金融機関の今後の展開

現在、日本のマーケットの伸びに比べて、アジアのマーケットの成長が著しいと思います。様々な金融機関の説明会でも、そのことが強調されているので すが、私は、そのことが直接日本を拠点とする金融機関の利益に直結しているとは思えません。

もちろん、アジア全体のマーケットの成長は、日本企業のアジア展開を加速させ、M&Aや資金需要は増えるのだと思います。しかし、アジア全体を見回 したときに、シンガポールや香港というアジアの中心になりうる国やマーケットが存在しているわけで、そちらを核に成長してしまって、日本が取り残されてし まうのではないか、と考えることができると思います。

この考えが正しいのかどうか、また正しいとするならば、どのような方法や戦略で、アジアにおいて、日本を拠点とする金融機関が他の国や地域よりも利 益を得ていったらいいのか、ということについてお考えを聞かせていただきたいと思います。

京都大学大学院 経営管理大学院 CKさん

回答

外資、日系の違いについては上述してありますので、ここでは少しだけ補足をして、二つ目の御質問である外資金融の今後の展開についてお答えします。

外資系、特に米系のトップバンクが新規商品の開発に先行しているのは事実です。破格の報酬で世界中からタレントを集めますし、それは世界からタレントを集める教育機関と分厚く多様な投資家層によって支えられています。公的年金ファンドの資産内容を見ると、国債だらけの日本に比べてヘッジファンド、プライベートエクイティ、ストラクチャードプロダクト、リアルエステート、コモディティ等多様な資産を、多様な国で投資しています。顧客が様々な金融商品を買ってくれるので、開発でも先行するというのは一定の事実だと思われます。

アジアマーケットの拡大が日本の金融機関に与えるインプリケーションは甚大です。既に香港やシンガポールが核となっており、東京が取り残されつつあるのは事実です。成長するインドと中国市場を背後に抱え、潤沢な英語ネイティブ人材に加え、税制でも東京を大きく突き放しています。これに地の利も合わさるものですから、外資金融のアジア拠点の多くが東京から香港・シンガポールに流出しているのはご存知の通りです。また外資嫌いの風潮が日本には強く残っていますので、ビジネスを拡大できなかった金融機関が、日本の改革の遅さもあいまり、次々と国内市場から撤退しました。2011年初頭にはこの流れに、東関東大震災が追い打ちをかけています。

そんなアジア市場における日本の金融機関の戦略としては、例えば大和証券が香港での拠点を急拡大しているのに見られるよう、アジアの成長拠点で顧客層を拡大し、ローカルのタレントを取り入れる必要があります。また日本の資本市場が弱っているので、日本企業の顧客が海外市場で資金調達したり、M&Aしたり提携したりするのを助ける機能に需要が高まっています。実際にアジア企業とのクロスボーダー案件が、円高も追い風になり急増していますし、近年では日本企業の上場が、東証ではなく香港やシンガポールで行われる事例が見えるようになってきました。これらを受け、日本のメガバンクや独立系のMAファームも、インドなどへの拠点拡大を活発化しています。

今後は中国やインドに留まらず、インドネシアをはじめとする、若く巨大な人口を抱える東南アジアの成長を取りこめる体制を早急に築くことが、国内の貸与比率70%にあえぐ日本の銀行にとっても喫緊の戦略課題といえるでしょう。

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企業再生・ターンアラウンドマネジャーを目指すには?

Question No. 26

1.私は、将来、日本の企業再生に関わる仕事がしたいと考えております。特に、小売り、消費財、ホテルといった、より消費者に近い産業で活躍するターンア ラウンドマネージャーを目指しています。

企業再生には、財務面と経営・業務面の二つの側面からの改革が必要であると考えています。M&Aや証券化などの投資銀行業によって、財務面から再生インダ ストリーに貢献する方法や、戦略立案という形で経営面から再生インダストリーに関わる方法があると思います。また、その2つの融合としてPEファンドとい う道もあると考えています。

企業再生という軸で就職活動を行った場合、志望先としては投資銀行、戦略コンサル、商社、不動産を考えております。それぞれ事業内容やリスクの取り 方は違うと思いますが、ターンアラウンドマネージャーになるということを考えたとき、どの職が最適であるとお考えになりますか。

2.人材が商品である以上、独自の特色を出すことは難しいと思うが、コンサルティングファームはどのように他ファームとの差別化を図っていくのか。

早稲田大学 国際教養学部 KNさん

回答

思慮深く、準備の行き届いたご質問、ありがとうございます。貴方が書かれている内容はほぼ正しく、また小売り、消費財、ホテルといったテーマの選定の仕方も的を得ています。実際これらの産業は再生ファンドが多く取り組む対象であったりもします。

ターンアラウンドマネジャーを目指される際の最適のキャリアですが、これはどの分野での再生を目指すのかによって推奨キャリアは変わってきます。ただし貴方が挙げられた選択肢の全てが所謂事業再生ファンドで働く方々のキャリアと整合しています。以下では各キャリアが、事業再生のどのような場面で活かされるのかを説明致します。

投資銀行は特にM&Aが事業再生での必要ノウハウの多くを教えてくれるでしょう。バリェーションや交渉もそうですが、将来のお客となる企業群との関係構築や、将来のサービスプロバイダーとなるバンカーとの人間関係の構築にも役立ちます。また貴方が幸運であれば複数のディールクロージャーを体験できますし、様々なディールのストラクチュアリングも勉強することが出来るでしょう。

戦略コンサルも再生ファンドで働く人々の主要な前職の一つです。近年の事業再生はバランスシートリストラクチュアリングと資金注入で何とかなる問題ではありません。コストカットのみならず、事業の選択や市場の拡大、ワーキングキャピタルの効率化や社員/経営陣の動機付けなど、戦略的・オペレーション的に様々なバリューアップが必要とされています。実際ターンアラウンドマネジャーとして最も評価される指標の一つが、過去の案件でどれだけEBITDAを伸ばしたか、という点であったりもするのです。この意味でコンサルでこれらのプロジェクトを経験することができれば、貴方の事業再生キャリアの大きな礎となることでしょう。

商社出身者も事業再生ファンドで頻繁に目にします。これは近年の商社は自己資本投資をする投資家としての側面を擁し、かつ実際に事業を回すプレーヤーとしての側面もあり、様々な事業パートナーを探しディールを締結するという意味で、コンサル・投資銀行・事業会社の融合的な役職も中には存在する為です。ただし大手商社ですとどうしてもグループの縛りで出来るディールと出来ないディールがあり、また全社戦略の中での位置づけになってしまうため独立性の観点から独立系のファンドを目指される方がよくいらっしゃいます。

最後に不動産ですが、これはバランスシートリストラクチュアリングのいい経験を貴方に与えてくれるでしょう。しかし上記3つに比べれば、貴方が不動産関連の再生を目指すのでない限り、スキルの汎用性と言う意味ではある種限定的かもしれません。なお、日本の事業再生は総じてノンコア不動産の売却がセットで来るため、事業部門だけを請け負うファンドと、切り離された不動産だけを請け負うファンドに分けられたりもしています。当然この時、不動産ファンドが不動産価格のリスクを取ることになり、事業会社に特化するファンドは不動産リスク(ダウンサイドもアップサイドも含め)を切り離すことができます。

以上御参考頂ければ幸いです。

なお、コンサルティングファームの他ファームとの戦略分化に関しましては、テーマがそれ自体大きなものであるため、次回以降のコラムで随時回答させて頂ければと思います。

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将来は環境関連のビジネスをしたいと思っています

Question No. 27

私は将来、漠然とではありますが、環境関連の仕事をしたいと考えています。特に新エネルギーには とても興味があり、今後エネルギー需要が急激に伸びる可能性のあるBRICSを始めとする発展途上国において、いち早く新エネルギー発電システムを導入 し、世界のCO2排出量削減に少しでも貢献する、というのが私の(今のところの)人生の目標です。

2003年、浜岡原発のひび割れ隠蔽事件が内部告発されたのを契機に、当該原発が数基停止したため、当時受験生として毎日自習室にこもって勉強して いた私は、サウナのような環境で汗をダラダラ流しながら勉強せざるを得ませんでした。

この事件以来、日本のエネルギー政策や環境政策に興味を持つようになり、アメリカへ留学した際には、コンプライアンスから新エネルギーに至るまで幅 広く勉強しました。帰国後も、環境ベンチャーで数ヶ月間インターンシップに参加したほか、日々環境関連の情報収集に努めています。

しかし現時点では、日本が環境問題に対して積極的に取り組んでいる、とは言いがたい状況であると思います。そもそも日本政府は環境問題に取り組みに 消極的であり、国民の環境に対する問題意識も低く、なにより企業は、一部の企業(シャープなど)を除いて、環境市場に参入する動きが欧米諸国と比較して鈍 い、というのが現状です。

そこで私は、日本の環境市場に対して意図的にお金を流しこむことで、環境に関する日本企業の活動を根本的に活性化できないか、と考えました。つま り、環境ファンドを創設するということです。そのために、大学卒業後は一旦金融機関に身を置き、資産運用について学びたいと考えています。

ただ、そもそもこの筋書きが現実的なのか、仮に現実的だとしても新卒で資産運用に携われる金融機関が存在するのか、資産運用ではなく他のより重要な スキルを身につけるべきなのか(それが何なのか、今はまだ明確にわかりませんが)といった疑問に、いつも悩まされています。この話について、率直にご意見 頂ければ幸いです。

慶應義塾大学 商学部 MHさん

回答

ユニークな御質問ありがとうございます。自習室で電力不足で空調が聞かなくなった体験が、BRICSでの新エネルギー発電システムへの志望動機になった、というのが事実でしたら、貴方の類まれな問題意識とグローバルパースペクティブに心から拍手を送りたいと思います。またその後の学業やインターンの内容とも整合性が取れており、一貫した行動に裏打ちされた問題意識に敬意を表したいと思います。

環境ファンドについてのお問い合わせですが、これは多くの環境consciousな学生の皆さまから当セミナーに寄せられる御質問でもあります。回答から申し上げますと、そのようなファンドは既に存在していますが、特にパフォーマンスがよいわけでもありません。一部環境に優しい、エネルギー効率のいい商品を製造する企業、例えば燃料効率のいいダイキンや水効率のいいToToなどは資源不足の海外で大きく市場を拡大していますが、彼等は環境に優しい商品が実際市場拡大と利益向上に結び付いているから買われているだけで(尤も、国内の停滞に引っ張られて会社全体では停滞している時期もありますが)、環境にいいものを作っている、という褒めるべき理由でミューチュアルファンドが買っているわけではありません。

ファンドの中には環境にいい商品を作っている企業にだけ投資する、というファンドもありますが、中身を見てみると“環境にいい”とこじつけの理由であまり関係なさそうな会社も結構はいっています。これは、環境だけに特化して、さらに利益が上がっているという基準で厳選すると、投資対象規模が極めて小さくなり、ファンドとしてペイしないことが挙げられます。しかし将来、環境市場は更に大きくなっていきますし、貴方が巨大ファンドで巨額のボーナスを目指すことを資産運用キャリアの目的にしないのであれば、このようなキャリアを目指されることは、またそのファーストステップとして株式運用の資産運用会社等を目指されることは決して非現実的ではありません。

なお資産運用会社はバイサイドであり、大抵はセルサイドの投資銀行のエクイティアナリスト等を経て転職しますが、生命保険会社など国内保険会社の運用部門に入ることもできますし、近年では大手の資産運用会社も各社数名のアナリストを募集していますので御参考頂ければ幸いです。

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コンサルファームの違い・評価方法・勤務時間の実態・コンサル後、政治への転身に関して

Question No. 28

就職活動をしている中でコンサルティングファームごとの明確な違いが見えにくく思われます。社員 の方々のお話、人柄を通じて多少の雰囲気の違いは感じられますが、定量的、具体的な指標でファームごとのコンサルティング業務における実力の違いを説明し て頂きたいです。

先日のベインアンドカンパニーの説明会にて、今後コンサルティングファームはコンサルティング業務に止まらず、自身も投資をした上でコンサルティ ングを行うといったリスクを取る業務をしなければ生き残れないというお話がありました。一方で近年日本企業の収益が改善され、事業拡大への投資が増加する 中でコンサルティング業務の需要が高まっており先行きは明るいと聞きますが、今後コンサルティング業界の業態、市場がどのように変化していくか聞きたいで す。

コンサルティングファームにおいて個人の評価はどういった形で行われて、どのように昇給に結びつき、初任給からどう変化していくのかお聞きしたい です。

いくつかのファームの説明会で近年勤務環境に変化があって、世間で思われているほど激務で無くなった、土日行くことはあまりないような話をよく聞 きますが本当でしょうか?

コンサルティングファームを経て政治の世界に進む方はいるのでしょうか?コンサルティングファームでは、素早く的確な問題把握解決能力に加え、幅 広い企業、業界、社会の成り立ちへの知識、人脈が身に付くと考えており、これらの能力は政治家に必要な素養の一部だと思います。このため私は仮にコンサル ティングファームに就職することができた場合に、遠い未来に政治の世界も有りうるかと考えているのですが、現実的でしょうか?過去にそのような事例があり ましたら教えていただきたいです。

東京工業大学大学院 理工学研究科 STさん

回答

コンサルティングファームの分化に関してまずお答えさせていただきます。正直申しまして、ジェネラルマネジメントを扱うトップファーム数社では扱う領域・幅も同様に広く、様々なセクターの企業・政府機関・国際機関からケースを請け負っています。よってファーム間の差別化というより、パートナー間の差別化が大きいように思えます。これはコンサルも金融と同じく人を売る商売であり、売り手であるパートナーと顧客企業の個人的な信頼関係からプロジェクトを請け負う形態だからです。

ですが、ファームによっては製造業のADL,オペレーション向上のATカーニー、プライベートエクイティのデューディリならベイン、金融関係はマッキンゼー、医療関係はブーズアレン、、といったように、伝統的に強い分野が存在します。これは特定の分野で強いというブランドイメージが無ければ最後は価格競争でフィーが低下してしまうため、各社共に住み分けの必要性を認識しているためでもあります。なお価格帯が少し低いところで三菱総研など日系コンサルティングファームと競争する時もありますし、地方自治体とかのコンサルでしたら、野村総研が企業へのコンサルと同様、大きな存在感を有しています。またリテール関係の再生に特化したブティックファームが現れたり、元外資コンサルタントが個人で独立して得意分野で営業を始めるなど、ファームレベルのみならず、コンサルタント自身も差別化戦略を進める方向にあります。

なお、近年の流れではコンサルティングファームと株主の利益相反の観点からか、投資ファンドが社内で自前のコンサルティング部隊を持つことが増えてきています。アドバンテッジパートナーなどはマッキンゼー、ベイン、モニター、ボストンコンサルティング、アーサーディーリトル出身者がその多くを占めますし、KKRなどはキャップストーンという社内コンサルティングユニットを保有しています。ドリームインキュベーターが当初コンサルティングフィーだけではなくコンサルティング先のストックを貰うことで利益のアラインメントを企図したのもその流れといえますし、ベインがベインキャピタルを運用するようになったのも、保有者と経営者、コンサルタントの利益をアラインメントさせる流れの一環だと言えるでしょう。(ただしいくつかのファームは失敗し、エクイティでの参画をやめてコンサルティングに回帰したところもあります。))

コンサル業界の今後は上記で述べた利益背反への対処に加え、各顧客企業が社内に元コンサルタントを多く有するようになったことからくる“コンサルタントの使い方をよくわきまえた顧客”との折衝がより増えてきていますし、リーマンショック後の緩やかな経済回復が震災で再度不透明化した今、再度絞られるコンサルティングバジェットのパイを各ファームが奪い合う競争の激化が展開しています。

コンサルタントの勤務実態・休暇の程度に関しては既に他の質問で回答しましたのでそれを参照して頂ければ幸いです。昇給は基本的に毎年5%〜15%程度アップし、2−3年(早い人で1.5年)ごとに次のランクに昇進することで、20%〜40%の昇給が望めます。

なお政治に関するキャリアに関しましては、実際に存在しますし、企業経営をトップマネジメントの視点で幅広いセクター・経営機能を経験することは政治家としても絶好のトレーニングを提供することでしょう。(実際政治家の子息がコンサルティングファームや投資銀行・投資ファンドで働いているケースも多いのです。これは日本の政治家に限らず、中国共産党の幹部にしても、アメリカの政権担当者がゴールドマンやシティと政府の間を行き来していることからも見て取れます。)

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外資をファーストキャリアにすべきか迷っています。

Question No. 29

外資系をファーストキャリアにするか内資経由で外資に行くべきかどちらの方が成長できるか悩んでおります。 外資系の説明会に行くと必ず教育プログラムが整っているということを強調されます。しかし一年目から高額の年俸を頂くということは裏返せば当然、そ の年俸に見合う結果を求められていると思います。 ということは外資の成長とは結果がすぐに出る分野でのみ考えていると思います。

また、私は外資系戦略コンサルタントを第一志望としておりますが、会社説明会などに行くと離職率は20%〜30%であるとの事でした。対して野村総合研究所などは離職率が4.5%であることを考えると本当に成長できるのはどちらなのか?是非実際に働いている方に、会社説明会ではないこのような機会に教えていただきたいと考えております。

東京工業大学大学院 理工学研究科 KTさん

回答

本コラムの随所で述べさせていただいておりますよう、外資といっても一括りに出来かねますため、ここではマッキンゼーやベインアンドカンパニーなど、外資系コンサルティングファームに関して書かせて頂きます。なお正確な解答は当然ご相談者の方の適正やマーケット環境、生き残るか解雇されるか、直属の上司と相性がいいか、といったシナリオにも依りますので一概には決して言えないのですが、どちらがよいといった判断とは中立的に、良い点と悪い点を書かせて頂きます。

良い点としましては、やはりグローバルブランドとそこで培われる人脈です。今後金融やファンドのグローバルファームに転職される際、野村や三菱という名前は国内では通りがよくても、ニューヨークやロンドンから見ればやはり(マッキンゼーなどに比べ)日本ののローカルファームといった印象を受けてしまいます。勿論野村や三菱にも非常に優秀な方は沢山いらっしゃいますので、この点語弊の無いようお願い申し上げます。ただ総じて、優秀のみならず最も野心的な人がコンサルのグローバルトップファームを目指すため、グローバルタレントとの人脈という意味でもマッキンゼーやベインは心強いリソースを提供してくれることでしょう。また、もしも貴方が英語ペラペラでグローバルオフィスのボスから気に入られれば、入社早々にフランスや韓国や中国のプロジェクトに入れられるケースもありますし、高々一年後にロンドンオフィスに転勤になった人も私は知っています。ファームによってはこのようなグローバルトレーニングの機会も潤沢にあり、外資コンサルがトレーニングに関し近視眼的であるというのは実感とは合わない気がします。

悪い点としましては、一概に悪いとは言いませんが日系にはアップアウトが無いことがキャリアのダウンサイドサポートという意味では際立った違いと言えます。一時実力主義、成果主義に大きく振れた日系企業も、商社が寮を復活させたり、某商社が一定の年齢まで給与の差をつけないと宣言するなど、成果主義からの反動が見受けられています。 また、実は総合商社なども外資系に大きく遅れを取っていたコンサルティング機能や投資機能を拡充しており、毎年選ばれた人は会社のお金で海外に駐在させてもらったりMBAに送ってもらえることを考えれば、総合商社も(配置部門によっては)非常に魅力的なキャリアパスだと思います。(と申しましても、商社から外資コンサル・金融に行く人は多数いても、その反対は至極小数しか見たことが無いですが。。)あと付け加えるとするならば、これは外資に限らずコンサル全般に言えることですが、やはりキャリアのどこかで事業会社の運営を一度経験して会社がどのように回るのか、現場でどのように動くのかを一通り経験しておくことは、コンサルタントとしてのキャリアに“現場で実現可能な施策のアドバイザー”という重みを付加してくれることでしょう。

なお、離職率で成長の可否や職場の良し悪しを図るのはよくありません。たしかにどこかの産業のとある企業のように(名前を出すのは控えます)年間80%とかいう恐ろしいターンオーバー率だと問題ですが、コンサルティングや投資銀行といったプロフェッショナルファームで年間2割程度のターンオーバーがあるのはある種巡航速速度かと思います。5%から10%が解雇され、同じくらいの比率の人がMBAに行ったり、競合他社に引き抜かれたり、金融や事業会社に転職したり、独立したり、という具合なのですから。仮に2割3割が全て解雇だと問題ですが、ターンオーバー率の中身を見ることが大切だといえるでしょう。

最後に年棒に見合う結果という言葉を頂きました。当然これらは意識すべきことですが、コンサルティングファームの年坊は次のポジションに上がる前は550万〜750万程度で、その高額のフィーと労働時間に比べれば決して旨みのあるものでもありません。日系企業に比べれば入社後数年は年棒の差が大きいでしょうが、これも30歳前後になれば総合商社などと大して変わらなくなり、一部外資金融に比べるとはるかに見劣りする給与です。よって、この点だけを見るならば、解雇されるダウンサイドリスクに見合った有意な差は、人によっては見出し辛いと言えるでしょう。(ただ人脈や経験、プロジェクトの質やレジュメ上の輝きといった諸々のパッケージを考えれば人によって判断は変わると思います。)

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日本をの科学技術立国に資するようなキャリアを選択したいのです

Question No. 30

現在、理工系の大学院で原子核工学専攻に所属しております。 私の専攻の人は多くの人がメーカーに進みます。私自身も科学技術立国 の日本が発展して欲しいと考えております。その意味で今までメーカーを志望しておりました。 しかし科学技術立国になるためにはビジネスの仕組みも必要と考えて戦略コンサルタントを志すようになりました。しかし最終の目的である日本を科学技 術立国にしたいという夢に違いはありません。 以上のように考えた時にはたして技術の道に進むべきなのかそれともコンサルタントになるべきな のかどちらの方が日本に貢献出来るのか知りたいです。

東京工業大学大学院 理工学研究科 KTさん

回答

問題意識溢れるご相談、ありがとうございます。どのアプローチがベストかを語るキャリアを経ていませんが、コンサルタントや金融の観点から技術立国というコンセプトに何が出来るかを語らせていただきます。

まず日本の科学技術政策の問題点として、研究開発投資が巨額に上るものの、その効率性が疑問視されています。特許の数は確かに多いですが、それが収益に繋がっていないケースがあまりにも多いからです。これは市場の需要とは隔離された、いわゆるガラパゴス携帯の例もその一つかと思いますが、せっかくの高度な技術力がお金に繋がっていないのです。逆に、お金に繋がる戦略的特許を米IBMなどは巧みに押さえているため、彼らは知財収入だけで2000億を超える年を何度も記録しました。彼らから特許侵害で訴えられる企業は多額のライセンスフィーを払う羽目に陥っています。

技術力の資金化という意味ではメーカーの研究室で偉大な発明目指して研究に励む道もあれば、政府で科学技術振興政策を推進するというパブリックポリシーの道もあれは、ベンチャーキャピタルで有望な技術を有する日本企業をビジネスとして成り立たせ、海外に打って出るというインキュベーションの道もあれば、アーサーディーリトルなど知的財産戦略に強いとされるコンサルティングファームでクライアント企業の特許の棚卸→評価→収益化などの戦略を補佐するという道もあるでしょう。

ただしこれらは向き不向きの世界ですので、ビジネスや組織の戦略など商売要素を配した純粋な基礎研究に没頭したいタイプの方は研究者がその特性を生かせると思いますし、逆にビジネスとして回る仕組みを作って有望な技術をサポートしたい、というのであればコンサルティングの方が向いていますし、自分でお金を張って、人脈を駆使してポートフォリオ企業の技術力で稼ぎたいというのであれば(日本だとVCは大変厳しいのですが)ファンドへの道を目指すのも考えられます。

なお医療分野などは単なる金融バックグラウンドの人では製品の理解がおぼつかないため、医薬分野でのドクターを持っている人たちがヘルスケアファンドなどを立ち上げ、活発にビジネスを展開していますので、これもご参考頂ければ、と思います。

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故郷の過疎化を防ぎたいのです

Question No. 31

私の将来の夢は故郷の過疎化という社会問題を解決したいというものです。また、そういったバック グラウンドもあることからあらゆる社会問題を意識するようになり、それらの解決に少しでも貢献できれば、と思っております。

大学では法律を学んでいましたが、弁護士や公務員になったとしてもできることは限られているということに気付き、早い段階から就職を意識していまし た。

当初は実際に社会問題を解決する活動を行っているNPOなどに入るのも一つの手段と考えておりましたが、ボランティア活動などを通して考えてみれば それはただ社会問題の表面上の解決にしかならないと感じました。

そして、今では社会問題を解決するには多くの人々の共感とエネルギー、巨額の資金、卓越した問題解決能力をもったリーダーなどが必要ではないかと考えております。

そういった意味で人々に社会問題の現状を伝え奮起させたいという思いからマスコミ、巨額の資金を扱うという面からは金融、問題解決能力を養うという 意味では戦略コンサル業界に進むのが適当ではないかと思っています。

そして特に若いうちからある程度の裁量権を与えられ、通常のビジネスパーソンとしての能力+高度の専門性をもった知識、能力を養えるという点、そし てたとえ私が上記の夢を達成する道へ進むことにならなくとも、自分の可能性を拡大できるという点から外資系の金融、コンサルへの就職を希望するようになり ました。

果たして私の夢を達成する上でのファーストキャリアとして、外資系金融/コンサルという選択肢は適当なのでしょうか?それとも違った道を選ぶべきな のでしょうか?よろしくお願い致します。

慶應義塾大学 法学部法律学科 UTさん

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回答

的外れな外資コンサルへの志望動機に注意

今回は志望動機とコンサル志望の整合性について書かせて頂きます。残念ながら優秀な外資コンサル志望の皆様の中で多くの方が、コンサルに入ることと将来やりたいこととの間に大きな乖離があり、結果的に"的外れな志望動機”で面接で損をしているケースが多いためです。

就職活動中の皆さんは社会的問題意識と正義感が強いことが多く、将来はアフリカの貧困を解決し、アマゾンの森林伐採を食い止め、北極の氷が解けることを防ぎ、小さなジュートのかばん屋さんをミャンマーにつくってマイクロファイナンスで村人を豊かにすることを夢見ています。そして“問題解決能力をつける”という(やや)無理やりな一言でコンサル志望を正当化しようとしてしまうのです。

ここでの問題は、コンサルはあくまで金儲けでありファームにとってはビジネスセンスのある人なの?という懸念が持ち上がってしまう点です。また問題解決能力というのはあまりに漠然としており、コンサルになっても“別に問題解決能力がつくわけではない”と実感してしまっている多くのコンサルタントにとっては、この志望動機は青臭く退屈に聞こえるでしょう。また環境問題、社会問題、貧困問題系のコンサルケース等(一般的な大手外資ファームでは)ほぼなく、むしろコストカットで人を切ることが多い点を考えれば資本家と労働者の貧富の格差を拡大するのに寄与してしまってるかもしれません。

志望動機は面接時に必ず問われる質問であるため、面接回答の軸となる重要なバックボーンですが、ここで上記のようなことを口ずさんでしまっている方は、もう一度考え直されることをお勧めします。なお、上記の夢に繋がらなくても、、、という但し書きつきで“そして特に若いうちからある程度の裁量権を与えられ、通常のビジネスパーソンとしての能力+高度の専門性をもった知識、能力を養えるという点、そし てたとえ私が上記の夢を達成する道へ進むことにならなくとも、自分の可能性を拡大できるという点”と書かれていますが、これも残念ながら極めて平凡に聞こえます。志望者の圧倒的大多数がこのように、何ら差別化にならないジェネラルな志望動機を語ってしまっていることを知っておくとよいでしょう。

さて、最後に故郷の過疎化に関してですが、この郷土愛溢れるビジョンには個人的には共感を覚えます。しかしながら東北大震災を受けてこのような志望動機を語る方も急増しており、“本当なの?”とすれた社会人からは訝しがられるかもしれません。最近では歌手の浜崎あゆみさんが離婚理由として“震災後、日本を離れたくなった、、”等と言い出すようになりましたが、幾ら私がFly Highのファン世代であったとしてもこの白々しさにはがっかりです。

穿った話はさておきご質問にダイレクトに答えれば、将来故郷の過疎化をなんとかしたくてコンサルを志望する、というのは相当的外れな志望動機でしょう。まぁ、コンサルの仕事はどの仕事にも応用できる“プロジェクトマネジメント”を体得できますが、過疎防止というテーマにはかなり程遠い感じが否めません。むしろコンサル的に考えれば現在の日本の状況を鑑みた時、日本が経済的に生き残る道は、過疎を促進して都市/生活圏の統合を図ることなのですから。(*あくまで筆者の私見であり、外資セミナーの見解を代表するものではありません。)

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外資コンサルは中途転職の方が入りやすいですか?

Question No. 32

外資系の戦略コンサルは、新卒より中途のほうが入りやすいのでしょうか?また中途ではいるため、どんな能力が評価されるのでしょうか?

東京大学大学院 経済学研究所 Kさん

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回答

外資コンサルにしても外資金融にしても、新卒も転職もご存知のよう非常に狭き門です。ただ総じて新卒の時の方がコンサルファームにとってより買い手市場なのは間違いありません。(数人のポストに、数千人の所謂良い大学の学生が殺到してくるのですから。)

しかし転職となると入社しやすいか、というとこれは市場環境次第となります。新卒採用はよっぽどのことがあっても採用が続けられます。これは一旦採用を凍結すると、新卒市場でのイメージが急落する上、社会的に“困っている”というメッセージを送ってしまいブランドイメージが後退するためです。逆に中途採用は市場環境次第で完全凍結されてしまう期間も存在します。一応表向きは各社ともに“いい人がいればいつでも採りますよ。”とか言うケースが多いですが、これは“今、わが社は人を採用できないほど苦しい”というメッセージを市場に放たないための苦肉の言い回しなのです。

さて、中途市場で戦略コンサルに転職するにはどのようなスペックを兼ね備えておく必要があるでしょうか。現実的に申しますと、(所謂)一流大学を出ている必要がありますし、最低(比較的はいるのが簡単とはいえ)東大大学院卒、といった学歴が望まれます。また海外MBAでトップ10校に入ることで学歴的に再チャレンジできるポジションにご自身を置くことが可能です。(実際、日本の”そう有名ではない女子大”や所謂一流校でない大学出身の方で、奮起してスタンフォードやウォートンを経て、コンサルマーケットに転出してくる方も数多くいらっしゃるのです。)

では、そもそも学歴を満たしている方が大半の競争環境の中で、中途転職に向けて職歴でどのように差別化をするかを語りましょう。まず事業会社でPLに責任を持ってビジネスをまわした経験は非常に役立ちます。大企業で意思決定がどのような機関を通じ、どのような根回しを経て、どのような社内政治を踏まえて下されていくのか、また戦略をオペレーションに落とし込む上でどのような泥臭い作業が必要なのか、また多くの人員を束ねるリーダーシップ、コミニュケーション能力、信頼を勝ち取る方法、など等を経験している方が、コンサルタントになっても地に足の着いた提言を掛けますし、社内でも使い勝手のいい人になります。またご自身がいらっしゃった産業や職能分野でのコンサルティングプロジェクトで、御自身のイニシアティブを発揮しやすくなります。

具体的に私の知っている事業会社出身者で外資コンサルで大活躍されていた先輩増を紹介しましょう。例えば国内大手通信会社で若い頃からマネジャー職を任され30前半でコンサルファームのマネジャーポジションで入社し、ご自身の古巣から着実にケース(プロジェクト)を獲得してファームの収入に貢献していたYさん。化学素材メーカー大手から転職してきたSさん。あと私の所属していた米系戦略ファームには伊藤忠出身者が複数いました。他にもトヨタやホンダ出身者の方もいらっしゃいましたし、GEや他のコンサルティングファーム出身者、また大手官公庁出身者、PEファーム出身者(大抵所属PEファームが解散するか、解雇の憂き目に遭ってコンサルに舞い戻ってきたケースが多かった気がしますが。。)、会計士、異色なところでは自営業から20代後半で見事外資コンサル転職に成功された稀有なケースもありました。

ともあれ外資コンサルへの転職に有利になるキャリアとしては、ブルーチップの大企業の、出来れば財務部や戦略企画部など全体を見渡すポジションにいつつ、現場でプロジェクトを回すといったオペレーションの経験がミックスされていれば、当該業界への転職の際に有利に働くと言えるでしょう。(総じてコンサルしかやっていないコンサルタントで、現場でゴリゴリ顧客と膝を突き合わせて汗を流すプロジェクトに長期で送り込まれた経験が無い場合、いつまでも戦略のインプリメンテーションの部分で非現実的な、“浮ついた提言”しか出来ずに終わるケースが多いものなのですから。

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志望動機の重要性に関して

Question No. 33

投資銀行や戦略コンサルの本音として、学生の志望動機の中身とかはどれほど重要なのですか?

東京大学 教養学部 Sさん

回答

面接官によりけりですが、総じて面接において、極めて重要な位置を占めます。コンサルティングファームの面接官の中にはケース面接ばかりする人もたまにいます。“どうせ志望動機なんて、適当につくりあげるんでしょ”くらいの冷めた見方をしている人たちもいるのは事実です。ただ大半の面接で志望動機は聞かれます。これは面接の準備をするのが面倒な面接官にとって、手っ取り早い質問だからです。また志望動機を聞けば業界への志望動機、特定企業への志望動機、その部門への志望動機、と絞り込むために複数の関連した質問をできますし、その回答の過程でどれだけ志望者が準備し、考えてきたかを簡単に知ることが出来ます。

端的にお答えすれば、志望動機の中身で、志望先の絞込みのロジック及び、その元となる情報収集への努力、思考の幅の広さや深さが見て取れるため重要ですし、何より大半の面接で問われることが分かっているトピックだけに、この質問への周到な準備は貴方の就職活動を大いに助けることになるでしょう。

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投資銀行各部門で求められる資質に関して

Question No. 34

投資銀行に関して、各部門での、求められる素質や向いている人材を教えてください。

京都大学大学院 経営管理教育部YMさん

回答

投資銀行で求められる資質に関しては既に上記のコラムで書いていますので、ここでは追加的にいくつかの情報を加えたいと思います。ジュニアとシニアでは求められるものが大きく異なりますが、新卒対策のコラムという主旨を鑑み、ジュニアとしての資質について書きたいと思います。まず投資銀行部は正確で迅速で1日14時間、リアルに働けること(しかも連日)が大切です。また上司には決して反抗しない従順な姿勢も求められます。株式調査部も同様ですが、この部門は特にセールスチームや機関投資家との接点が多いため、彼らに好かれ、上司であるシニアアナリストが彼らにまた好かれるようアシストできるような人が有難がられます。セールスに関しても似ており、彼らは機関投資家と自社のアナリストの関係を良好に取り持ち、かつ機関投資家にサービスをしてポイントを貰うことが仕事ですので、とにかく人好かれすることが重要な仕事です。

投資銀行部でもそうですが、仕事の質や投資のアイデアなどでは、一部のスーパースター的存在を除き、同じようなレベルの人が競争に凌ぎを削る当業界では実際のところ、差がつきにくいのが実際なのです。上司、同僚、部下、セクレタリー、顧客、ビジネスパートナー等、多様なステークホルダーとの良好な関係構築を忘れず、目下の人に威張りたくなる慢心を戒め、結局腰の低い人が最後は笑うことを肝に銘じて日々の業務に励まれることをお勧めいたします。

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外資で働く上での必須のスキルに関して

Question No. 35

外資企業で働く上で必須のスキルと学生の内に勉強しておくべきことは何でしょうか

東工大学 大学院 社会理工学研究科

回答

外資という大きな対象に対し、また必須のスキルという大きな括りのご質問ですので的確な回答が困難です。ここでは当コラムを読まれる方に多い投資銀行部門志望者の方にお勧めの事前勉強について書かせていただきます。まず英語が重要なのは言うまでもありませんが、必要とされるレベルの英語、つまりマンツーマンで話せるのみならずネイティブが5人で議論しているときに割って入って意味のある発言をして一目置かせるレベルの話をするには相当な努力が必要です。アイフォンから少女時代とKaraを消し去り、CNNやBBCのみならず極力早口で話されている英語の映画をダウンロードして移動時間を生産的に過ごしましょう。

次に会計/財務/金融/バリュエーションの知識ですが、これは大学や市販の出版物に効率的に“必要な知識に絞って”“初心者にも分かりやすく”書かれているトレーニング書籍が極めて限られています。外資セミナーの宣伝になり恐縮ですが、当サイトでは外資金融実務研修セットを投資銀行の現場で使用されるファイナンシャルモデルとともに提供していますので、是非ご参考下さい。

最後に、様々な国の人、様々な性格の、特にとっつきにくい人を加えた環境でグループワークを上手くマネッジするスキルは投資銀行、コンサル、外資/内資を問わず極めて重要です。学校で気の会わない人、つまはじきにされている人、煙たがられている人が学校にいたら、格好のグループワークマネジメントの教材だと思って積極的に仲良くなるよう努力してみるのも、貴方の人間的成熟を大いに助けてくれるでしょう。

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潰しが利かない仕事のリスクに関して

Question No. 36

トレーダーを志望していますが、潰しがきかなさそうで心配です

東京大学工学系研究科 男性

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企業再生に繋がるキャリアに関して

Question No. 37

将来は企業再生に関わりたいのですが、コンサルか金融、どちらが最適のキャリアでしょうか

京都大学大学院 経営管理教育部 Sさん

回答

企業再生の為にコンサルと金融、どちらのスキルが最適と言う質問への答えはありません。 企業再生にはいくつかの段階があり、コンサル、金融ともに必要なスキルだからです。ただ、どのようなキャリア出身者の方が再生ファンドで働かれているかを、企業再生の大枠とともに紹介させていただきます。

まず最初に銀行との交渉がありますが、これは金融の、特にM&Aの過程で学ぶスキルが必要となります。銀行にどれだけ債権カットしてもらうか、どのような交渉戦術で臨むか、規制当局とどう折衝するか、経営陣の心をどう掴むか、私的整理の時は各ステークホルダーをどうまとめるか、民事再生の時は所謂プレパッケージ(長くなりますので割愛します)にどう持ち込むか、、などなどは、特定の金融業務でなければ学ぶのが難しいでしょう。ゴールドマンサックス出身者が多いですが、東京三菱銀行など邦銀出身者の方も企業再生業務にあたっておられます。

次にディールストラクチャーをまとめた後に企業に入っていてバリューアップの為のオペレーションを行うのですが、これはコンサルティングファーム出身者が重宝されます。中でも実際企業のマネジメントを経験したことのあるコンサルタントはこの点強いでしょう。例えば再生ファンドにはマッキンゼーやベインアンドカンパニー出身者が多く活躍されています。

なお、コンサルティング経験がなくとも再生ファンドに携わる方は多いですが、総じてオペレーションへの見識が無いため、コンサルティングファーム出身者や他の事業会社から適切な方をチームに引き抜き、自身はディールストラクチュアリングや銀行との交渉、経営会議への月一回の参加などガバナンスへの参画、といった形で携わる方も多いように思われます。企業のオペレーション、マネジメントスキルは再生ファンドで非常に重宝されますので、仮にコンサルティングや投資銀行に進まれなくても、不採算部門を抱えるコングロマリットで事業部門の再生や売却、リストラクチュアリングの経験を積まれると、再生ファンドへのキャリアに大きなプラスとなることでしょう。

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会計士を経てバンカーを目指すべきでしょうか?

Question No. 38

投資銀行にいきなり入るか、会計士を経てバンカーを目指すか、迷っています

東京大学経済学部 Mさん

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セールスにやりがいってあるのでしょうか

Question No. 39

外資金融のセールスを目指していますが、性格は合っても、やりがいを感じられなさそうで心配です

東京大学農学部 男性

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コンサル後のパブリックサービスに関して

Question No. 40

コンサルタントから公的な仕事を目指すキャリアパスは成立するのでしょうか

東京大学教養学部 男性

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投資銀行を目指すのは、実家の両親に申し訳ないです

Question No. 41

大学で生物を専攻していましたが、投資銀行に惹かれてしまっています。ただし博士になれと応援してくれ た実家の両親に申し訳ないと感じています

東京大学農学部 大学院 男性

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投資銀行で案件に参加できるようになるまでの時間

Question No. 42

投資銀行で一案件に参加できるようになるまで、どのくらい時間がかかるのでしょうか

京都大学大学院 経営管理教育部 Sさん(女性)

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金融面も手掛けるコンサルファームのサービスに関して

Question No. 43

金融面も手がけるコンサルファームでは、どのような業務を行うのでしょうか。投資銀行と同じような業務 も行っているのですか。

京都大学大学院 男性

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戦略コンサルで得られるスキルと得られないスキルに関して

Question No. 44

戦略コンサルで、将来の起業の ために得られるスキルと得られないスキルを教えてください。

一橋大学 男性

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コンサルでの顧客との利益相反に関して

Question No. 45

顧客の利益とコンサルファームの利益が相反するような場合はどのように対処するのでしょうか。

京都大学大学院 経営管理教育部 女性

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「司法試験合格しましたが、外資コンサルを志望しています」 

Question No. 46

私は司法試験に合格しています。なぜ、そのような私が法曹の道を志望せず、外資コンサルを志望しているのか。その理由は3つあります。

1. 将来の進路

まず一つ目に、私は事業再生に興味があり、それにビジネスの側面からアプローチしたいと考えていることがあります。

某大学経済学部の女学生だった私が弁護士を目指したのは、今は亡き兄のためです。たしかに弁護士という職業に憧れていた面はありますが、私の兄は司法試験学習中に不慮の死を遂げたので、その夢を叶 えてあげたいと思ったからです。またバブル崩壊後に父の不動産業が失敗し倒産した経験から、私は弁護士の中でも、法務だけでなく、更生管財人や再生債務者代理として経営者的な視点も磨くことので きる倒産弁護士を志望するようになりました。

しかし、現代の倒産事情は、バブル世代のように多角化経営が原因となるものは多くなく、アジアやIT、 少子高齢化など関して販売力の衰えが原因となるものが少なくないと言われています。倒産弁護士は、これまで多角化経営をリストラクチャリングしてターンア ラウンドすることで活躍してきたため、このままのフィールドに甘んじていれば限界が生じざるをえません。むしろ、法務を基礎に、ビジネスを学び、経営リテ ラシーを身に付けた人材こそが今の日本に必要な人材である考えるようになりました。

こうしたことから、現場のビジネスを肌で感じる必要があると考えたため、グローバルな視点を持つ優れた経営者とのより密度の濃い仕事を求めて、外資コンサルを志望したのです。

2. 弁護士からの転職の難易度

 二つ目に、弁護士として職務経験を積んでから外資コンサルに転職する場合の壁の高さがあります。

私 がこの道を選んだことを弁護士の先輩に話すと、「でもね、まず司法修習行って弁護士をやってみてから考えればいいんじゃないかしら?」とよく言われます。たしかに、弁護 士を経験していない段階で、事業再生について法務とビジネスのいずれのアプローチが自分に適しているかは分かりません。むしろ事業再生が自分に適している のかも分かりません。

し かし、仮に弁護士から外資コンサルに転職する場合、ブランド力のある法律事務所の中で、さらにその所内の競争に競り勝った弁護士しか採用されないというの が実情で、特に女性だとなおさら厳しい状況にあると思っています。他方、新卒であればそうした壁を越える必要がなく、むしろ司法試験合格者という独自性を売りにしてリクルートに取り組むことができますし、女性のコンサルタントも多くの方が経営陣として活躍していらっしゃいます。(し かも、実は司法試験の勉強とケースの勉強にはいくつもの共通点があります。)

このようなことから、決して弁護士に魅力を感じなくなったわけではなく、あくまでも今しかできない選択肢だからこそ、外資コンサルを志望しているのです。

3. 司法修習を見送るデメリット

 三つ目に司法修習を1年見送ることで決定的なデメリットが生じないことが挙げられます。

 司法試験に合格すると、1年 間の司法修習といういわば法曹の教育実習が待っています。これを修了しなければ、裁判官、検察官はもちろん、弁護士登録をすることもできません。しかし、 一度司法試験に合格すれば、司法修習を受けることができる期限に制限はないのです。もちろん、外資コンサルに就職した後、キャリアアップとして修習に行く ことも可能です。

 もっとも、仮に外資の就活に失敗し、1年後に修習に行く場合も十分ありえます。その場合にはデメリットは3つ あります。弁護士が就職難であるにもかかわらず先の合格者の分だけ就職先が埋まってしまうこと、同期との間に実務経験の差が生じること、同期と修習時代を 過ごせない疎外感です。しかし、いずれも大きなデメリットではありません。前二者については、同期よりも法務以外の点で成長すれば良いだけですし、最後の 点についてはほぼ感情論です。

 こうしたことから、修習に行かないとしても決定的なデメリットはなく、それに代わる強みを身に付けることでフォロー可能であると考えたため、外資コンサルを志望しています。

私のこのようなキャリア選択は、実情に合致していますでしょうか。 アドバイスをいただけると幸いです。

回答

進路として事業再生を志す学生・第二新卒の方はたくさんいらっしゃいます。しかし事業再生を行う具体的なキャリアのオプションをご存知でないケースが大半ではないでしょうか。たとえばコンサルティングファームではPwCな どが事業再生に特化したコンサルティングを行っているチームを擁していますし、コンサルティングのみならず、プライベートエクイティファンドで事業再生に 特化してファンドを運用している会社も複数存在します。また企業倒産はいわゆる亀井法案などで銀行の不良債権の処理が進んでいないだけで、潜在的な不良債 権は拡大の一途を辿っているといわれます。これは実際、私がメガバンク複数行と仕事上交わした会話から実感したことですので、事実と思っていただいて結構 です。

さ て、私的整理で話がまとまらなければ民事再生で管財人の弁護士先生の出番になるわけですが、残念ながらビジネスセンスのない弁護士の先生が、スポンサーの 提案するろくでもない提案と、実は隠れているスポンサーが大もうけする仕組みを見抜けず、あまりフェアとは思えない裁定をしているケースが多いのは残念な 限りです。そんな中、あの先生に頼めば再生が上手くいく、というレピュテーションを築けば結構毎回指名されるようになりますが、既にそういう大家の先生は ごまんといらっしゃるため、弁護士が大量供給されるこのご時世、若手の弁護士がそのポジションに上り詰めるには相当な時間とコストを覚悟しなければなりま せん。

そ んな中、コンサルティングファームで経営のセンスを磨きたい、というご決断は、貴方のキャリアプラン次第では一理ありかと存じます。実は私事で恐縮です が、私の親戚にも弁護士事務所の大手ファームで弁護士として勤務する者がおりますが、生まれ変わったら絶対弁護士などやらん、むしろ生きてる間に絶対辞め る、、といい、実際現在、必死に転職活動にいそしんでいます。名声の高い大手事務所、特に海外の大手事務所に限って、長時間勉強と労働に慣れきった勤勉極まりない競合相手が1000万、1500万(=外資金融などに比べ比較的安価な給与)で嬉々として一日18時 間働いてくれるため、労働環境および競争の厳しさも、貴方が予想される以上のものでしょう。弁護士が時に割りに会わないビジネスなのは、入る事務所の質に よっては間違いのない事実だと思います。(大手ファームのパートナーになれば楽して左団扇で何億、という先生も複数知っていますが。。)

将来、法曹での仕事や企業のリーガル部門でのキャリアを目指されるのであれば弁護士資格を取ったほうがいいのは間違いないですが、そもそも法律関係の仕事が肌にあわない、あの契約書を書くのはうんざりだ、リスクばかり筵のように洗い出して果てしないDisclaimerをもっともらしい言葉で書いて悦にひたるなんてまっぴらだ、という理由で弁護士を辞める方もいらっしゃるので、そもそも法律関係の仕事よりビジネス・経営で生きて生きたいのだ、と確信をお持ちなのであれば、どうせトップファームの上部で活躍できなければノキ弁の世界が待っているこのご時世、弁護士という資格にこだわる必要もないのかもしれません。またご存知の通り、司法試験を通ってしまえば、試験合格後3年の実務が必要な会計士と異なり、研修は一年でしかも法律関係の仕事を一定期間こなせばほぼ弁護士の資格を獲得できる身分ですので、いざとなれば弁護士資格を取りに行くことも十分可能でしょう。

長 々とお書きしましたが、最終判断はあくまで貴方自身がされるものです。有名なネットライフの岩瀬さんも、在学中に司法試験を合格したものの法曹には進まず コンサルティングファームに入られました。外資セミナー過去参加者の中にも、司法試験の面接以外は通ったものの、途中でトレーダーというまったく違うキャ リアを選ばれ、結果成功されている方もいらっしゃいます。本コラムでは特にどちらかに肩入れしたスタンスを示すのではなく、キャリアの選択をご判断される 上での複数の視点を提供することを主眼に据えております。本コラムの一部でも、ご相談者の方のご判断にお役立て頂ければ幸甚に存じます。

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金融関連のプロジェクトが多いコンサルファームに転職したいのです

Question No. 47

コンサルティングファームへの転職を希望していますが、バックグラウンドが金融であることもあり、金融関連のプロジェクトが多いファームに転職したいと思っています。どのファームが金融関連のケースが多いとか、もしあればお教え下さい。


(都市銀行勤務 男性)

外資セミナーからの回答 

ご質問ありがとうございます。多くのトップティア・コンサルティングファームにとって金融業界は大口顧客の一つです。一時期長銀が崩壊した際を始め、コンサルティングファームには多くの金融業界出身者がいることもあり、各コンサルタントの出身バンクとのつながりが強いファームもよくあります。(例えばATKに長銀出身者が多かったり、マッキンゼーにもメガバンク出身者が数多く在籍していたり、等など。)

さて、金融業界向けのプロジェクトで特に多いのが(景気やバリュエーション水準、政府や銀行の貸出姿勢にも依存しますが)バイアウトファンド向けのデューディリジェンスプロジェクトや、投資後のPMI(Post Merger Integration)プロジェクトです。マッキンゼー出身者がPEファンドに多いため、出身母体であるマッキンゼーにケースを依頼することも多いのですが、ファンド向けプロジェクトが最も多いコンサルティングファームとなると、ベインアンドカンパニーが挙げられます。

最近ベインのファンド業界担当パートナーの方と直接お話をする機会がありましたので、そこでの要旨を以下に紹介しておきます。

ベインアンドカンパニーはビルベインがBCGから独立して設立したファームで、利益に繋がるコンサルを志向する、というのがファームの設立コンセプトです。

結果的に顧客企業の平均株価はS&P500を大いにアウトパフォームしています(と申しましても、顧客企業がどれなのか開示されないので証明しようがないのですが)。

顧客企業の企業価値を高めてきた実績と自信から、”どうせなら自分でキャピタルを入れよう”、とつくられたのがベインキャピタルで、最近では昨年最大のディールであったベルシステム24の案件を手がけました。

ベインアンドカンパニーの4割の仕事は戦略関係の仕事で、成長戦略の半分はMAプロジェクトです。コーポレートMA の仕事は2500件に迫ります。

ファイナンシャルインベスター(PEファンド等、金融機関投資家の事)の仕事も多く、この業界に特化した仕事を始めたのはベインであることもあり、他社の3−4倍の”ファンド関連プロジェクト”をこなしている、話されていました。(実際私が最近参加した日本のファンド関係の会議及び韓国のファンド関係の会議で、呼ばれていたスピーカーは共にベインアンドカンパニーの東京オフィス、ソウルオフィスのパートナーでしたので、マーケットでの存在感が大きいのは確かです)。

ベインアンドカンパニー某パートナー氏の話によりますと、グローバルで3500件のDD及び1000件の投資後バリューアップの仕事をしてきました。

今では東京事務所の仕事の3割も投資ファンド関連の仕事だったりすることもあり、金融関連、特にファンド関連のコンサルティングプロジェクトを志向されるなら、ベインアンドカンパニーが最有力ファームの一つといえるでしょう。(実際ベインキャピタルを創設し、優れたパフォーマンスを残していますし。)

なお、最近話しました国内の某大手バイアウトファンドのパートナーの方のお話によりますと、”アーサーディーリトルは市場をよく理解した上で戦略を提案してくれるので、信頼できるし、使い勝手もいい。よく働く人たちだ”とのコメントを耳にしましたので、参考にここで紹介させて頂きました。(ただしメインの仕事は製造業関連に強いファームですので、金融関連の仕事をメインに転職を志望される分にはミスマッチかとは思いますので、この点ご注意下さい。)

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ベンチャーキャピタル投資への転職を考えています

Question No. 48

ベンチャーキャピタルへの投資業務に転職したいのですが、どのような業務内容か、またどのようなポイントが転職で求められるのか、お教えいただけますか? (私のバックグラウンドは、外資系の某大手コンサルティングファームです。)


(米系コンサルティングファーム勤務 男性)

外資セミナーからの回答 

ご質問ありがとうございます。ベンチャーキャピタルへの投資ファンドは、ビジネスモデルとして国内外の生命保険や銀行、戦略的投資家から資金を集め、国内のベンチャーキャピタル・マネジャーに投資をします。

もっとも長期間低成長が続き、初期のベンチャーファンドがあまり多くの成果を残せなかった日本市場では、外国人機関投資家の資金をベンチャーに呼び込むのは相当困難な状況です。昨今ではグリーで大成功を収めたグロービスなどが、数少ない成功事例と言えるでしょう。ジャフコなど初期の代表的な日本のベンチャーファンドのリターンに関しては、特に外国人機関投資家を満足させるものではありませんでした。

業務内容としては、ファンドレイジングをしているベンチャーキャピタルファンドの経営陣とミーティングを積み重ね、そのファンドへの“Limited Partner”として投資を行うことになります。

しかし企業への投資とことなりファンドへの投資は、将来のポートフォリオの中身が見えず不確かな要素が多いため、結局のところそのファンドの構成員の信頼性を見極めてその”チームに投資する“という質的な判断が極めて多くなります。

またファンド投資業務の世界は、狭い金融業界の中でもとりわけ狭い人間関係で成立しているため、以下に他人と信頼関係を早期に築き上げれるかが成否の要となってきます。 投資先のファンドや、同業のファンド投資家のコミニュティ内でのレピュテーションが極めて重要になるため、お金だけ出す投資家ではなく、その後もアドバイザリーボードの一員ないし有力な投資家として、様々に建設的なアドバイスをする“一緒に働きたい投資家だ”という名声を築き上げることが非常に重要となります。

また一度投資すると約10年にわたってそのファンドと付き合うことになるため、チーム及び経営陣の特性を見抜く力も非常に重要です。ポートフォリオ企業への投資に失敗すれば数年後に精算したり売却したりすることで関係を短期間で終えられますが、ファンドへの投資をすれば、そこにいる人たちと10年間、一貫して付き合っていかなければならなくなるからです。

さて、転職で求められるポイントですが、やはりブルーチップのコンサルティングファームや投資銀行、プライベートエクイティファンド、ベンチャーキャピタルファンド出身者が大半を占め、また海外有力MBAのネットワークがかなり幅を利かす業界でもあります。

このようなキャリアバックグラウンドに加え、人間関係の形成が最重要事項となる業界であるだけに、話される内容もさることながら、その話し方一つ一つが相手の信頼感を獲得する必要があります。

ソフトかつスマートで、“他人を大切にするコミニュケーションスタイル”(これはミーティング後の丁寧なフォローアップや徹底した情報のディスクロージャー、正直さ、責任感等も含まれます)が当業界で活躍される上で、最も重要な資質の一つといえるでしょう。

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「コンサル出身ですが、バイサイドの資産運用会社を目指しています」

Question No. 49

私は戦略コンサル出身で、その後大手通信会社の戦略企画室にいました。現在MBAの二年で来年からバイサイドの金融機関を目指しています。面接では株式投資のケース面接が出ると聞いていますが、私は金融機関や株式投資の経験がなく、勘所が掴めません。どのようなポイントに気をつければよいでしょうか。

(ハーバード大学 MBA在学中 30歳 男性)

回答

バイサイドの金融機関も面接で、これまた未経験者にそんなこと聞いてどうするの、ということを平気で聞いてくる。

コンサル出身が気をつけなければならないのは、お仕事柄癖になっている200ページの大レポートをイメージしながら、フレームワークがぶつぶつ、、、とか言ってる場合ではないということだ。

資産運用業界では一社あたりのレポートは所詮数ページ、踏まえるべきポイントも以下のポイントに凝縮されるので参考にして欲しい。

1.まずその会社の業績を左右する基本的な経営環境はどうか。

例えばオイル採掘エンジニア会社ならば、オイル価格の動向で将来の業績が大いに左右されるし、日本全国で展開する大手小売ならば日本経済の消費動向が問題となってくる。

銀行ならばイールドカーブの動向が重要だし、海運なら輸送レートの先行きが気になるところだろう。

収益が二桁で伸びると分かっていても、その企業がおかれる経営環境の勢いが悪化すると見られれば、利益関係なく関係セクターの株は売り浴びせられる。

ファンダメンタルだけみていればよかったコンサル時代と異なり、バリュエーションに影響を与えるそのセクターのマクロ環境について方向感を持っていなければならない。

2.次に、PL,BS,CFの財務諸表について議論しておかなければならない。

まずファンダメンタルに関して言えば、?ROEは拡大するのか縮小するのか。それは資産回転率、マージン、レバレッジのどの要素が肝心になってくるのか。

いちいちデュポン分析しなくても、例えばトップラインはどれくらい伸びるのか、マージンはどれくらい拡大/縮小するのかくらいは感覚値を持っておきたい。

3.またあなたの予測が世間一般のコンセンサスとどのようにかけ離れているのか、(これが重要−世の中の予測とあなたの予測が一緒なら、別に貴方の判断がマーケットに勝てる要因にはならない)

ただこれらの議論が重要になるのは、株価がEarningで動く株に関してのみである。どういうことかというと、

4.世の中の株にはアーニングの何倍、みたいな形で動く株と、アーニング関係なく、前出の経営環境のIndicatorがどのように動くかで、アーニングに関係なく連動する株も多い。

理不尽な話なのだが、資源株は資源価格に、不動産株は不動産価格動向に、というよりその動向に対する期待によって株が乱高下するものなのだ。

よってあなたが例えば資源関係の株について議論するなら、なぜ世の中の観測よりあなたのオイル価格への予想、亜鉛価格への予想があたるのかを説得力もって説明する必要がある。

世の中のコンセンサスより利益が10%高い、、、とかいうノンビリしたことをいってる場合ではないのだ。

(5.ただし総じてそんなもの予測できるわけ無いので、もっともな理由をいって、これらの株に手を出さないように薦めるのも一つの議論だ、、、というか私ならそうする。

さて、話を戻すが、?総じてPL(つまり、売り上げおよびマージンの動向) BS(つまり、主にネットデットが時価総額に比してどんな水準か。

もしくはネットキャッシュが時価総額に対してどんな水準か)、

そしてキャッシュフロー(主に追加資金調達がエクイティで起こらないかどうか、今後の設備投資計画など資金需要がデットで調達するのか、それとも公募増資を考える可能性があるのか、また株主への配当、自社株買いなどの還元プランなど)をチェックして、投資へのキャッシュリターンを考える。 

、、、など等と、バイサイドでの面接で出される株式投資ケース面接はいくつかの抑えるべきポイントがあるわけだが、より詳細な内容は、外資セミナーで担当の講師と直接議論してみてほしい。

(応募ポジションと貴方の経歴、銘柄の性質によって、重要なポイントも変わってくるため一概に言えない。ただし上述のポイントは投資会社での意思決定に一般的な論点なので、参考にして欲しい。)

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投資銀行での企業法務弁護士の仕事が性に合わず、コンサルへの転職を考えています

Question No. 50

私は弁護士として企業金融法務に6年程度関わった後、某米系外資系投資銀行でシニアバンカーとして働いています。

ただ、顧客との関係が私の望む関係ではなく、できれば自分の名前を信頼してもらって、お客さんから継続的に仕事を貰える様な仕事を希望しています。

しかしこの点、弁護士、また転職した投資銀行ではなおさら、そのような仕事ではありませんでした。 

現在外資系戦略コンサルを志望しているのですが、顧客から信頼されて、継続的に相談役として企業に貢献する、というイメージにあった、顧客との関係を築ける職業といえるでしょうか。 ご教授願えれば幸いです。 


(弁護士/米系投資銀行勤務 女性)

外資セミナーからの回答 

投資銀行でのサービスが、ある程度顧客にたいして”騙す”ような要素があることは、ビジネスモデル上の欠陥として、勤務経験者のほぼ全員が感じたことのあるジレンマではないでしょうか。これは、トランザクションを仲介することでフィーを得る、という回転型ビジネスモデルである以上、避けられないことです。

本来ならばあまりに度の越えた不誠実なアドバイザリーサービスは長期的関係を損ない、顧客から継続的に仕事をもらえなくなったりもするのですが、既に顧客企業が倒産の寸前でどちらにせよ長期ビジネス関係が成立しそうにない場合など、特にこのエージェンシーコストが働くケースが多いように思われます。

さて、コンサルティングファームの仕事も基本的にはフィーベースの仕事であり、また時間給チャージでもあるため、基本的に長時間プロジェクトを延長しようというインセンティブが働きます。ですから、プロジェクトの最初の”問題発見フェーズ”で膨大な量の問題点をリストアップし、それぞれに対処するにはそれぞれ何ヶ月、、という具合に、ほうっておけば何年もの長期プロジェクトを提案されるのがお決まりなのです。

ただし現在では顧客側にもコンサル出身者が多数いらっしゃり、また顧客の方々もコンサルを使うのに慣れていらっしゃるケースも多いため、顧客の”コンサルの使い方への習熟度”次第で顧客との関係が変わってきたりもします。

本題に戻しますが、コンサルは金融サービス以上に属人的なサービスであり、また顧客との密接な関係がプロジェクト期間中継続するため、顧客にどれだけ信頼されているか、好かれているかがより重要になってきます。

特に最初のプロジェクトはお試しのようなもので安価な短期プロジェクトが多いため、コンサルファームとして稼ぐためには一度食いこんだ顧客からどれだけ継続的にネクストフェーズのプロジェクトを貰ってこれるかがファームの成否を決するのです。

ただ、中にはキャッシュに行き詰った、バジェットが厳しいお客さんから、プロジェクトの値段をつめに詰められることも実際存在します。そんな時、ファームのリソースや利益を度外視してまで付き合うのは、ファームの継続性といった点で問題が生じますが、次年度を見越して戦略的に安値受注をすることがあるのは、コンサル業に限ったことではないと思います。

さて、顧客との信頼関係を継続的に築けるかどうかですが、これはひとえに貴方がどれだけ、顧客の期待を上回るパフォーマンスを出せるかに依存するでしょう。ただ投資銀行のサービスが、M&Aないし資金調達ありきのサービスであるのに対し、コンサルの場合はそれらをしないように進めるのもサービスですので、提案サービスの幅が広いことからも、顧客との利益相反が投資銀行に比べて少ない業務であるのは間違いないと思われます。

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「コンサルファーム選びのポイントは何でしょうか?給与は各社でどう違うのでしょうか?」 

Question No. 51

ビジネススクールにおいて主に戦略系の勉強をしています。コンサルタントの仕事は、ビジネススクールでの経験を生かす最適な場所であると考えています。

一方で3年程度でやめる方もいらっしゃるのが現実であり、他のコンサルタントティングファームに移る方も多数いらっしゃいます。

自分としては、転職するのであれば、長期間同じファームにいたいと思い、ファーム選びに慎重になっています。ファームの特色ホームページで調べたり、大学にリクルーティングに来ていたコンサルタントの方と実際に会いましたが、決め手がありません。

オファーが出た後に、その中からファームを選ぶというやり方もあると思いますが、選考に入る前にファームの実情をできるだけ把握したいと考えています。

そこで、そのための「情報収集方法」、「ファーム選びの決め手」に関してアドバイスをお願いします。

(付随質問)

・ コンサルタントのファームによる年収の違い

・ コンサルタントとして数年過ごした後、他のファームに転職する際に、決め手となることは?例えば、より自分が成長できる、キャリアが積めるファームへ転職するというのであれば具体的にファームを移らないと得られない成長とは何であるか?

官公庁(通産省)、某米国MBA(ご本人通産省勤務中のため、非公表)

回答

情報収集方法に関し、ホームページは調査のきっかけにはなりますが、具体的な真実はあまり得られません。これは、ウェブサイトは、ファームが実情はどうであれ、”このように自社をブランディングしたい”という内容がつづられているケースがほとんどだからです。例えば貴方がMBAのコースをウェブで調査された際、どこの学校も結局同じような宣伝文句に終始したのではないでしょうか。そして入られた後、”なんか、全然違うな、、”と違和感を感じられたことも多いのではないでしょうか。

確かに貴方のように官公庁に勤めながら、留学後にコンサルティングファームに転身される方は大勢いらっしゃいます。私の友人でも某省から最近、マッキンゼーに移り、ヨーロッパオフィスで勤務しており、官僚時代に比べできることの裁量が大きいと喜んでいます。

ただ数年でやめるのではなく長期同じファームにいたい、というご要望ですが、実際コンサルをすると見えてくるものが多く、コンサルティングという第三者的立ち位置に満足できずに、発展的転職を果たされる方も大勢いらっしゃいます。特に株主として決定権を握りながらハンズオン・マネジメントアプローチのできるプライベートエクイティファンドなどは、マッキンゼー出身者、ゴールドマンサックス出身者が大勢を占めているのも事実です。

ただ、中にはコンサルタントの第三者的立ち位置、アドバイザーとしてのポジションが性にあっている方もいらっしゃいます。

その時のためにコンサルファーム選びのポイントを書きますが、正直申しまして、省庁やMBA、大学のネットワークを通じて直に各社の友人に聞くのが一番正確だと思います。

面接や公的なインタビュー、書籍ですとどうしても会社の宣伝にならざるをえないからです。

ただ私が勤務していたコンサルファームと、同期の各社の友人の話を総合すると、やはりトップファーム数社(BCG, マッキンゼー、ベイン、ブーズアレンがそれに当たります)はレジュメ的に強く、アーサーディーリトル、ATK、ローランドベルガー、モニターグループなどもグローバルなクレデンシャルを提供します。

実際にやる内容は各社大して変わらず、むしろどのパートナーの下で働くかという俗人的要因が大きいかと存じます。これは、同じ会社でも一緒に働く他のパートナーやコンサルタントによって仕事の進め方、分析の仕方、提案の骨子、深み、具体性に大きな差が出てくるからです。

なお、年収はジュニア時代は各社大して変わりませんが、シニアコンサルタントあたりからマッキンゼーとボストンコンサルティンググループが他者より多少高くなります。(アナリストからコンサルタントに上がって、600万が1300万程度に変わります。)

シニアのポジションになれば、ご自身がどれだけ単独でプロジェクトを回せるか、そしてご自身がどれだけプロジェクトを売ってこれるかに大きく依存しますので、ファームごとの比較があまり意味を持たなくなります。ただ、顧客にチャージする単価でいえば、マッキンゼー、ボストンコンサルティンググループがブランド代も含まれているのか、仕事内容に関わらず他社より顧客が支払うフィーが高めの傾向があります。

以上を総合しますと、ファーム選びの決め手は将来のクレデンシャルを考えた時のグローバルトップファーム7-8社であれば、その後は会社ごとの比較をするより、個人ベースでどれだけ深い人間関係、信頼関係を築けるかという面接時点での相性、また面接外での接触時にフランクに話し合い、個人ベースでの信頼関係をより築けやすそうな人がいるところ(貴方の相性に依存するのですが、、)を選ぶ、というのが極めて基本的で恐縮ですが、実際のところだと考えます。

(ただ、もしもコンサルティングされたい特定の産業や企業、プロジェクトテーマがおありでしたら、それに応じてその産業に深く刺さっているパートナーのいるファーム、というのが回答になるかとは思いますが。。)

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最先端をゆく国際金融弁護士の内実とはどのようなものでしょうか

Question No. 52

憧れだけはあるのですが、いまいち「最先端をゆく国際弁護士」の内実がわかりません。 毎日なにをして、なにに生きがいを感じ、国際社会にとってどういう意味をなしているのか、法律をまだ知らないせいか、よくみえないのです。 法科大学院やローファームにお金と人生の貴重な時間を投資する前に、一体それが具体的にどんな仕事なのかを、教えてもらえないでしょうか?



私は国際的な大型M&A案件や、その他米国金融規制改革法(いわゆるDodd-Frank法)などのもろもろのアドバイスをする案件を扱ってきましたが、すべての過程において、私は弁護士の仕事を「リスク排除屋の商人」として見なして来ました。 ちょっと金融を知ったひとなら、「それは証券会社のする仕事」、ともっともなつっこみをしてきそうなところだと思います。

それでもなぜ私が企業法務弁護士の仕事を「リスク排除屋」と呼ぶかというと、次のとおりです。 ビジネスの判断をすのはあくまでも弁護士を使う会社や顧客自身です。 顧客の判断とは、「どこどこの会社に敵対的買収をかけたい」、とか、「A社のCEOと相通じるなかであり、競争環境も激化していることから、なんとか経営統合をはかりたい」、とか、または「(銀行である)うちはアメリカの金融業界におおきく布石を築きたいが、 昨今のゴールドマンなどのように米国銀行法の規制化におかれたくない。」など、さまざまなものがあります。 

そんな時に弁護士が、「こうこういってる法律があるので、それは無理だと思います。」といってしまえば、その弁護士のキャリアはおわります。

法律は、ビジネスの実務に照らし合わせると、それを遵守するにも以外と大きな判断を要するところがおおい。 たとえば、「会社にとって重要な企業秘密情報を知るものは、それを事前に世間一般に公開することなしに、その情報をもとにして第三者と有価証券の売買をおこなってはいけない」という法律があるとします。 さて、某大手上場食品会社の職員が、会議中に「中国の現地法人の業績がうまくいっていなかったが、最近政界の強力な後ろ盾をえたので今後は期待できる」という話を耳にはさんだとします。 これは「インサイダー」情報でしょうか。 また、これは、法的にいう「重要」にあてはまるのでしょうか。 これの直接回答する答えは、六法全書や判例には書いてありません。

弁護士は、法律の許す限り、顧客の要望がかなうように最大限の努力をしなければならない。 簡単な例を挙げましょう。 ある日本の会社が、サンフランシスコにある同業他社を買収したいと考えたとします。 ただ、当該サンフランシスコの会社はまだこの事実をしらないかもしれないし、この事実をしったとたん、協力をおしまないかもしれないし、または、買収防衛策を採用して抵抗してくるかもしれない。 さて、ここにおいて、あなたが米国法の弁護士としてこの日本の会社から相談をうけたとします。 あなたには「それ、なんかむずかしそうです」という選択肢がありません。 なにをするべきでしょうか。

両社の経営陣同士が話しあうのことに何の罪もありません。だから、あなたの顧客はこの米国会社にさらりと打診をすることもありえるでしょう。しかし、最悪の場合、さまざまな理由からこの会社は抵抗するかもしれない。とすると、敵対的買収しかありえない。 すると必然的に「リスク」の話にならざるをえません。 敵対的買収をかけたいが、キャッシュもあまりないので自社(日本の本社)の株式をつかいたい。 その際米国証券取引委員会におとがめをうけないための「リスク」はどう排除するか。

また、この対象会社の米国におけるマーケットシェアはけっこうある。 米国の独占禁止法にもとずき米国司法省から訴えをうける「リスク」はどう排除できるか。 日本を含む、海外の会社が米国法人を買収するときには、米国には別途の、国家安全保障に基づく「CIFIUS」という委員会のレビューをうける可能性もあると聞く。 本案件においては、この「リスク」は相当あるのか、そしてそうだとすれば、法的にどう対処すればよいか。 相手がたとえ今協力してくれても、最後の最後にもっとよい条件で第三者の買収者があらわれたら、このサンフランシスコの会社は取締役会決議を撤回・変更するかもしれない。 その暁には、自分はいくらのお金を補償してもらうようにするべきか。

これらのすべてを分析し、当局届出やその他の対応を行い、もっとも安く、早く、そしてベストなプロセスを考える。 両社間での「決め事」を完璧に契約書におとしこみ、たとえいろいろな事情の変化から「気変わり」がおきても、当初の理解と「決め事」から簡単には逃げられないようにする。 すなわち「気変わりのリスク」をも、事前の契約という形で排除する。 これこそ、企業法務に携わる弁護士の役割であり、「案件執行リスク排除屋たる商人」と弁護士の職業名を言い換えてもよいのではないかと察する今日この頃なのです。 

もしあなたが企業法法務弁護士をめざすのであれば、あなたは法を学び、適切な実務も体得し、その上で、この重要な「リスク排除」の役割を、国際金融・商業社会のいたるところで果たしているかもしれません。

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日本法弁護士事務所と外国法弁護士事務所は競合他社なのでしょうか?

Question No. 53

よく耳にするトピックであるが、日本法弁護士事務所と外国法務事務弁護士事務所は総合的にみて補完的関係にあるとみたほうがいい。 日本法と米国法は、法体系からそれらを解釈する諸規則および判例法からしてまったく違う。 また、会社法的にそれぞれの会社が何をどの状況でどうするべきかといった質問(例えば、買収防衛策や議決権争奪戦、または善管注意義務に照らし合わせた経営判断など)は、おのおのの会社が設立された法域の資格をもつ弁護士のアドバイスを仰がねばならない。 また、有価証券の勧誘・販売行為にも、おのおのの法域の法律・規制が適用される。 したがって、海外をまたぐM&Aや、証券のいわゆるグローバル・オファリング(資金調達を目的とした、世界主要国における証券発行)などのケースにおいては、米国、日本およびその他の関連する法域の弁護士事務所が一緒になって働くことになるのが通常である。

それでは日本法弁護しと外国法弁護しがまったく競合しないかというとそうはいいきれないかもしれない。 例をあげるならば、金融機関などと比べ、比較的規制にしばられない業態の会社(例えば環境にもあまり影響のない製造会社など)による国際的なM&Aの案件であれば、英語の契約書を主に誰が作成するか、といった話になり、それではあえてフィーの高い大手の外資にたのまなくても、日本の大手・中堅の法律事務所にまかせよう、となるかもしれない。 一方で、日本など海外に進出するほどの外国法法務事務弁護士事務所のうちでは、旧財閥など大手企業の業界再編や米国法遵守に焦点をあて、それほど単位の小さな案件は積極的に追求しないというスタンスをとっているところもある。 そうであるとすると、ますます「競業関係」ではなく、むしろそれらは「補完関係」にあるといえるだろう。

上記が読者諸君に示唆することとはいったい何だろうか。 それは、「外資」というラベルだけにとらわれて就職先を限定しないことへの重要性であるといえる。 外国の会社や事務所にはいればなんでも国際的にやれる、というわけにはいかない。 逆に、日本の会社や法律事務所が一切海外と関係のないことをしている、というのもおおきな誤解である。

自分は何に本当に興味があり、どういう仕事に情熱を感じ、一体どこにそれをぶつける「マーケット」を見出すか。 この思考回路をへて敢えて「外資」に到達したとき、証券マンであれ弁護士であれ、そこには有意義なチャレンジと無限の成功へのチャンスが待ち受けているに違いない。 

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国際金融弁護士になるための熾烈な競争とは?

Question No. 54

弁護士を目指していますが、日本の弁護士資格をとるか、海外留学をして米系のローファームを目指すか迷っています。 なにかよいアドバイスはあるでしょうか?

この質問はよく受ける、そしてこれは非常に重要なポイントである。日本の法科大学院に進むのであれ、米国のJD DegreeやLLM Degreeを取得するのであれ、数年の時間とお金、そしてなによりも大変な努力、を要する大きなコミットメントである。 日本法の企業法務と、米国法の企業法務のどちらを自分のキャリアとして選択するか。 さまざまな理由(あるいは情報不足)から、この選択をしかねている読者に、まず、今後数回のコラムに渡り、「指針としてはいけない」動機をあげておきたい。

「いわゆる国際弁護士」になったほうが、多くの給料を断然もらえる。 グーグルやwww.abovethelaw.com などのサイトで検索すれば、米系のトップのローファームが大体いくらの給料をアソシエイトに支払っているのかは見当がつく。日本の法律事務所における給料に関しても、ある程度諸君もご存知のことであろう。 しかし、「米国法の弁護士になればお金がたくさんもうかる」というコンセプトは実は以外と危険な目論みである場合が多い。 外資系証券会社や、ほかの事業体でも似たことがいえるが、ローファームで成功するにあったっても、非常に激しい競争の連続である。 

まずは、他人と競争してTOEFLやLSATでよいスコアを挙げ、ロースクールの願書を完璧に仕上げることにより少しでもランクの高いロースクールに入学する。 ジョージワシントンロースクールよりもジョージタウン、ジョージタウンよりもコロンビア、コロンビアよりもハーバードに入りたいと思う受験者が多いことは、一般論として疑問の余地がない。 しかし、そこで終わりではない。 ロースクールに入学するやいなや、家や図書館にこもり起きている時間はひたすら勉強し、学校での成績(GPA)を高め、就職活動につなげるという競争がまっている。 これらすべてに打ち勝って、トップのローファームからオファーをもらった者だけが読者のいう「おおくの」給料を手にすると考えるべきである。また、ローファームで働くこと自体、他のアソシエイトとの熾烈な競争の連続であることも敢えて付け加えておきたい。

  では、これらの競争にあまり勝てなかった人はどうなるのであろうか? 留学生であれ、アメリカ人であれ、トップ以外のロースクールをトップ以外の成績で卒業し、トップ50以外のファームに就職することとなれば、給料はそれほどもらえない。 金額をみたときに、ロースクールという「投資」に見合わないとがっかりする人もおおいに違いない。 もし仮に、この競争をしたくない、あるいは自身がない、という読者がいたのであれば、すくなくとも、本コラムにより、かかる読者の大変な労力と時間そして1千万円をこすかもしれない金銭的なコストを回避できたことと期待するばかりである。(次回コラムにつづく。)

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国際弁護士に求められる“ビジネスセンス” とは?

Question No. 55

ある人が、まあまあの成績で四谷にある上智大学を卒業し、2年間自動車メーカーで勤務したあとに、もともと法学部出身というきっかけから、コロンビアロスクールのLLMプログラムに入学した。 そんな彼は、陽気なブラジル人留学生やもと大韓航空CAの韓国人留学生などと知り合いつつ、充実した勉学生活をおくることになる。 さて、予定通り卒業し、その後無難にニューヨークの法曹資格も取得した彼には、どんなオプションがまっているのだろうか? いやこう言い換えよう: 彼は、彼の学歴と資格を生かしてどう成功し得るだろうか。

学歴がよくて米国の法曹資格をもちつつ、そして日本語が堪能であれば日本の「法律サービス」マーケットで活躍する条件がととのう。 読者諸君もご存知のとおり、日本では現在少子高齢化、原材料価格の高騰、そして国際競争の激化などの要因により、いわゆる業界再編がつづいている。 第一製薬と三共製薬が統合したことも、日本興和と損保ジャパンが統合したことも、すべて記憶にあたらしいばかりである。 より最近の例としては、住友信託と中央三井信託が統合を完了した。 この環境下において、上記の仮説的「A君」には、何ができたであろうか。

一般論として、会社が(どこの国で設立されていようが)株式交換の手段を用いて経営統合をする場合、そしてその対象会社が米国投資家に投資されやすい銘柄であること等の理由により米国人の保有比率が10%を超えるとき、その取引は米国証券取引委員会(SEC)に対し、発行される証券に関する登録届出書を提出しなければならない。 いってしまえば簡単に聞こえるが、これがUS GAAPあるいはIFRSの会計基準に遵守した財務諸表を作成したり、日本では考えられないほど詳細な開示を要求されたりと、数ヶ月から一年単位の膨大な作業になることが多い。 米国法弁護士として、A君はまっさきにこの業界再編を先取りして、この類の証券登録の案件を勝ち取りたいところである。 それは、A君にとって、何を意味するか?

理論上、米国においてまったくビジネスをしておらず、米国に一切の駐在事務所や支店などがない会社においても、定義上の「米国保有者」が10%をこえていれば上記の株式登録義務が発生する。 日本の経営者には理解しがたいかもしれないが、米国としては、「わが国の投資家の利害が十分な程度絡んでいることにより、米国基準での開示を通じて米国投資家の保護を追及する必要がある」といった理屈が通ることになる。 この状況下において、A君はただのインテリのもったいぶった弁護士「先生」であってはいけないかもしれない。 大手の米系ローファームのパートナーがそれらの案件に着手するまえに、A君としてはそれを嗅ぎ付けて、営業もし、丁寧に信頼も勝ち得つつ、その案件をとりたいところである。  米国証券取引委員会に対し証券登録をおこない、その登録届出書の効力が発生すると、その時点によりその発行会社(すなわち日本の業界再編の渦中においてキャッシュを使わずに株式交換による経営統合をおこなった発行体側の会社)には米国における適時開示義務が発生する。 証券登録の作業を通じて会社のあらゆる部門の人と知り合いになったA君は、おそらくこの適時開示の作業もまかせられるだろう。 とすると、毎年米国証券取引委員会に提出する年次報告書(Form 20−Fとよばれる)の作成作業の案件が自動的に舞い込んでくることになる。 米国SOX法のアドバイスも別途求められるだろう。 そしてその後経営統合が一段落し、米国における適時開示義務の負担をなくしたいと会社が判断したとすると、その証券登録抹消に関する作業をA君はまかせられるだろう。 かつ、さらなる国際競争激化などにより、この顧客会社が米国などにおいて会社の買収を図るとすると、A君はその案件をいち早く嗅ぎ付けて携わることになるかもしれない。 日本同様、米国においてもM&Aとは公開買付やあらゆる付随的な開示義務に関し、A君のようなバイリンガルのLawyerによる米国法務サービスが役立つ非常に大きな作業である。 さらに、この顧客が実は銀行だったとすると、米国連銀(The Board of Governors of Federal Reserve System)に別途の届出・交渉が必要になることがある。 これも非常に大きなビジネスである。

米国の資格をもちつつ、業界再編の渦中にある日本で活躍できるポテンシャルをもつA君は、まさに米国法務サービスを提供する「商人」として、好機を迎えているのかもしれない。

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社内恋愛に関して

Question No.56

某大手外資系投資銀行につとめて1年になります。 御セミナーのご趣旨とは関係あるのかないのかわかりませんが、社内にとても美人で、本当に好きになってしまった人がいます。 彼女のほうも、大変気さくで、僕の仕事ぶり(必死に働いてます)も評価してくれているようで、たまに木曜とか金曜に食事に行く仲です。 

この際将来も考えて、アタックをしようとおもっているのですが、外資系で社内恋愛をするということは、どれほど危険なことですか? 

(米系投資銀行 投資銀行本部 男性)

外資セミナーからの回答

基本的にやめておくことを強くお勧めします。

外資系といえば、多くが米国WallStreetに本社を置く、日本のそれとは対照に開放的な実力社会というイメージがありがちですが、それと社内恋愛の是非を混同して考えては大火傷を負いかねます。 

単に付き合いたい、憧れの人がいる、という程度なら、社内恋愛は避けるべきです。理由は3つ。 

まず、周りの目は隠しきれません。 貴方がいくら仕事を頑張っていようが、社内で人気のあるはずの美人社員を独り占めし、よろしくやっているようでは、社内のメンバーの貴方を見る目ががらっと変わるでしょう。「アイツ、新入りのくせにうらやましいな」で終われば貴方は幸せ者です。 

しかし、それでは終わりません。 

「アイツは、仕事を犠牲にして、女にはしってだらしない」、とあらゆるところで攻撃される危険が非常に高いでしょう。 その一点をもってしても、貴方の仕事はやり辛くなってゆくものです。

恋の罠にお嵌り中の貴方は今こう思っているかもしれません:「僕はうまくやれる」と。 都内のレストランを避け、できるだけ郊外か自宅で待ち合わせをすれば誰にも知られないで交際ができる、と確信に近いような感覚をもっているかもしれません。 

私は、都内の最大手外資系証券で貴方の立場にいた若かりしころ、同じフロアで計4人と順番に付き合いましたが、全部バレました。 0.0001秒でも浅草の浅草寺で手をつないで歩いているところを見られると、それでフロアの全員が知ることになるのです。 社内恋愛は、隠しとおせません。 相手を愛していればいるほど、それだけボロはでやすいことも理解しましょう。

上記では、社内での知名度・信用度リスクを挙げました。 

第二番目の理由は、貴方の業務自体へのリスクです。これまで、世の中いくつのカップルが離別し、いくつの夫婦が離婚をしたでしょうか? 頭がポーっとなっていて、一緒にいるだけで全てが新鮮で、幸せに思える時期は、今の貴方でなくても人口全体が必ず経験する高揚感にみちた人生の一チャプターです。

しかし、貴方が自分の業界、会社で成功したいなら、本当にトップにのし上がり、どんどん偉くなりたいのなら、「社内恋愛の破局」を迎えるリスクをわざわざ自分からとるべきではありません。 

破局しないかもしれません。 しかし、私の言っているポイントは別のところにある、と理解しほしいと思います。 

今は幸せでも後で悲惨な破局に終わる恋愛が大多数なら、その統計的に実在するリスクを自分から好きこのんでとらなくてもよいのです。 

私は4つの社内恋愛をし、4つが破局しました。 最初の1つは半分ヤクザ沙汰になり、2つ目と4つ目は比較的平和に振られたものの、3つ目はやはり社内での大揉めになりました。 

普通に付き合っている期間中に、彼女が私が接待を理由に合コンにでかけていたとある日思い込み、嫉妬のあまり私のデスクまでつかつかと歩いてきてみんながみているまえで大声で私を攻め立てたのです。 

これが私のいう、否めない「リスク」なのです。 そして、貴方はいまそれをとりつつある、ということを再認識しましょう。 

上記2つの理由だけでも充分なのですが、社内恋愛を避けるべき最後の理由としては、「社外のほうが実は楽しい」という事実があります。 

貴方は仕事を頑張っているに違いない。 しかし、同じように充実した仕事をしている若く、情熱と夢に満ちた男女が、貴方の会社や貴方の業界の「外」にうじゃうじゃいることを知りましょう。 

その気にさえなれば、出会いも多く、破局しても社内のだれにもお咎めをうけず、うまく交際している間もだれにも嫉妬や陰口をされません。 

いつも奥の、ガラス張りの部屋にとじこもっている偉そうなパートナーやMDたちも、影で貴方に嫉妬したり、仕事に対する集中力を疑ったりするリスクが一切ないのです。 

貴方は、貴方自身が強くいきるために、一流大学を受験し、一流会社に入社しました。 にやにやと愛ややすらぎを追求するのは、その踏み外せないレールの「外」にしておくべきでしょう。 

若かりし頃の私のように、レールを走りながらそれらを追求すると、4回中2回は失速し、残りの2回は脱線するのです。

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外資セミナー講師陣

外資系戦略コンサルティングファーム、外資系投資銀行、株式調査部、資産運用、プライベートエクイティ、企業金融弁護士等からなる外資セミナーボランティア・講師陣。

ロンドン・ニューヨーク・香港・東京各地にて勤務中。

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