外資金融サバイバル・コラム
外資金融でのキャリアを生き抜くためのヒント
外資系戦略コンサル/投資銀行面接対策セミナー( "外資セミナー”)のボランティア講師陣は、コンサルタント、IBDバンカー、プライベートエクイティプロフェッショナル、バイサイドアナリスト、弁護士と多岐に渡っています。
ここでは複数の外資系投資銀行のマーケット部門で活躍された後、現在米国留学中の外資セミナー講師の方に、外資金融でのキャリアで大切なポイントについて執筆して頂きます。
「一度外資金融を引退して独立したのですが、再び金融に戻りたい気持ちが強いです」
Question-09
某日系最大手の商社を経て、次に外資系証券で株の法人営業に5年携わりました。
会社でも非常に評価されて、給料も一番もらっている方だったのですが、野心に事欠かない私にはそれも次第に刺激がうすれ、退職して昔からの友人と都内でレストラン経営に乗り出しました。
しかし、経営はそれほどうまくいかず、しかも小さな会社を黒字に持っていくことが以下に苦しく孤独な作業であるかを思い知り、いろんな意味で人生の勉強をいたしました。
そんな経験があったからこそ、今現在再度証券会社に挑戦したくなりました。
会社の経営陣の心境が私には個人的経験として理解できますし、また、私には大企業で大きなディールと大勢の人々を動かしてゆく仕事のスタイルも向いていると再認識できたのです。
今度はただの営業ではなく、どんどん事業法人の資金調達活動に関わってゆき、投資銀行部門と一緒にプライマリーサイドで活躍したいと考えています。
ざっくばらんに御セミナーのご意見をお聞かせ願えますでしょうか?
(米系投資銀行株式営業部門 男性)
外資セミナーからの回答
貴方の質問は二つに分けられます。 まず「今私事業法人とプライマリー。。。。の仕事をしたいと考えている」。 そして「こんな私は、外資系証券に戻れるだろうか」。
前者は純粋なビジネスモデルと相場観の判断に関する事項なので、我がセミナーの本分を鑑みて意見を控えます。
しかし、後者の質問は非常によくあります。
貴方が「天才的」に優秀で、毎日外資系証券各社から「業界に戻ってこい」とエールを送ってもらってこなかった限り、必ず直面する現実を申し挙げたいとおもいます。
貴方が業界に戻ろうとするや否や、周りはこう思う人が多いでしょう:
「ああ、こいつ、威勢よく独立したくせに失敗して、結局華やかな世界にもどりたいんだな。」、と。
貴方が再就職するプロセスの時点から、将来圧倒的業績をもってして皆の尊敬を勝ちうるまでの間、貴方はこの蔑視と言い知れないプレッシャーと戦いつづけなければなりません。
一方で、貴方はこんなものに負けるくらいなら、いちいち我がセミナーに質問を投稿しなかったかもしれません。
貴方は貴方なりに考えて、純粋に戻りたいと確信しているのかもしれません。
それでも、周りはどう思っているのかを理解しておき、自分の気持ちがしっかりと伝わるように表現や振る舞いに常時気を配ることは大切でしょう。 「悪気がないなら許される」のは子供の世界。
「周りに分からせて初めてうまくいく」のが大人のビジネスのダイナミクスです。
私の個人的経験を言えば、ある大手自動車企業にいってからまた外資系証券に戻ろうとして一蹴された人をみましたし、貴方のように一度飲食経営で独立してから戻ってきて、そのままかなりうまくいった方もいらっしゃいました。
両方のケースでの共通点は、うまくいく前も、うまく転職ができた後も、いずれにせよ常に相当周りの目は厳しい、ということです。
貴方には、「そんなプレッシャー、望むところだ」という勢いで、且つ冷静沈着に転職を果たし、できるだけ早い時期に実力と結果をもってして貴方の復帰を飾って貰いたい限りです。
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「上司と反りが合わず、成績はいいのに解雇に追いやられようとしています」
Question-06
某大手の外資で株のアナリストをやって2年と半年になります。
仕事は非常に楽しく、成績もかなりあがっているのですが、どうも直属の部門ヘッドに嫌われています。
今から思ってみれば、確かに私にも落ち度がないとはいえず、「外資系なんだから、仕事で結果さえだせばあとは好きにしていいんだ」という態度で、新米らしからぬ仕事の姿勢を見せていたと反省しています。
ただ、最近になって、本当にこの上司が本当に私を会社から追い出そうとしているようで、執拗に人事部の人も巻き込んで、いかに私の「評価が低い」かを記録に残そうとしてきます。
全体の数値をみれば、私のセクターにおける分析・投資判断推奨能力はむしろトップ上位に位置していて、評価をもってして私をクビになどできないはずですし、この上司はもはや私にたいする個人的憎悪のみでこういう行動にでているとしか考えられません。
私の名誉を守るのも重要ですが、もうこの嫌な状況が3ヶ月もつづいており、とにかく正義を晴らしたいと望んでいます。 どうしたらよいか教えて頂けますでしょうか?
(外資系金融機関 勤務 男性)
外資セミナーからの回答
この質問を読む限り、貴方のケースはかなりユニークな方だと感じます。
普通、外資系金融の会社を「追い出される」人は、成績が悪いひとです。 ただ、貴方の場合は成績はいいが肝心の直属の上司と小競り合いを繰り広げてしまっている事実が、質問の文体の端々から伝わってきます。
こういう状況に陥った社員は、すぐに「労働法問題だ。 弁護士だ。」と、闘争モードになり勝ちかもしれませんが、私個人の経験からするとそれ以前により直接的な状況判断を迫られているのではないか、と考えます。
法律問題は、気になることがあれば弁護士に相談なさればよいでしょう。 ここでは、外資系金融における、雇用者と被雇用者の関係上のダイナミズムを再認識することを、貴方に提言したいと思います。
まず、いくら外資系金融といっても、「結果さえよければ」うんぬんという態度は、よほど業界随一のスーパースターでもない限りとってはなりません。
とくに貴方はこの仕事で2年と半年。 貴方の周りには、業界歴20年、30年の大ベテランが結構いらっしゃるはずです。
少々上位の成績を収めていても、貴方の会社がまさに「貴方のみの力によって食いつないで」いない限り、傲慢さは貴方の命取りとなるだけなのです。 調子のよいときほど、立場をわきまえる見識をすぐに身に着けましょう。
さて、会社や上司が部下を「評価」するとき、何が基準となりうるでしょうか? ここで重要なのは、何が基準である「べき」か、は問題ではないということです。
一人の若い有望な部下が、いくら2年連続で優れた投資判断を披露したとしても、貴方が仮にチームワークのない、毎日副業や遅刻をする、大人としての常識やマナーのない所謂嫌なやつであれば、貴方の評価は下がるに決まっています。
貴方は「おれはこんなにいい株を当てたじゃないか!」と反発しても、会社からすればそれと貴方の傲慢さや、チーム全体の働きやすさを秤にかけざるを得ないのです。会社は法人ですが、それを運営するのは人間そのものです。失敗をしたら謝罪し、気をつける。
致命傷的なミスや無作法は、決して1度たりとも起こさないように自分を戒める。 それでもそれが起こってしまえば、土下座でもなんでもして貴方の真剣さ、誠実さを必死で相手に伝達してゆく。
一人の人間が、周りの前において「評価を上げる」ということは、これらの人間的なマナーや社会の掟に最低限従った上で、自分と会社全体を高めてゆく包括的なプロセスなのです。
逆にそれができなければ、貴方の、特に短いそのキャリアにおけるいくつかの優秀な成績は、決してその包括的な評価プロセスにおいて役に立たなくなるのです。
貴方は今こう言いたいかもしれません:「この一人の上司だけが私を嫌っていて、後のみんなとは十分うまくやってきたし、高く評価してくれている」と。
しかし、ここで立ち止まってみましょう。
貴方の会社は大手の外資系です。 会社経営陣の質は、たとえ大手といえども浮き沈みがありますが、常識的に考えて、上司一人の独断で貴方をこのように扱うことは非常に考えずらいのです。 いいかえるならば、しっかりした会社であればあるほど、貴方が総合的に優秀である限り、上司の独断など無意味に阻止されるはずなのです。
金融は、製造業などと違って虚業です − 何も形に見える製品を造らないのです。 ということは、優秀な社員を引き止めることが何よりも大切です。 会社の部門やレポートラインの形態がどのように組織されていようが、貴方に真の確固たる後ろ盾があれば貴方は無事のはずです。
これが外資系金融のダイナミズムです。
貴方の質問の文体からして、貴方にはこの後ろ盾がないようにも聞こえる。 これは、必ずしもその上司個人の感情による独断的嫌がらせではないのかもしれない、という危険信号として受け止めるべきでしょう。
さて、貴方は名誉を回復して正義を晴らしたいといっている。 しかし、これは会社側からすれば、「正義を晴らしたいのはこっちだ」といってくるに違いないでしょう。
会社で尊敬されていて、実績もあるフロントオフィスのプロの方で、貴方も個人的に信頼を置けそうな方を見つけ出してください。 その方に、今の状況をくまなく正直に打ち明けましょう。
その方がもしも、「もう遅い」というような悲観的なアドバイスをくれたなら、基本的には貴方は最悪の事態を覚悟すべきでしょう。
貴方がどうしても今の仕事を続けたい、というのであれば、今の時点からでも他社への転職の可能性も模索し始めましょう。
ドライな法律問題からかけ離れた、外資系人事問題特有のダイナミズムを踏まえてこそ見えてくる、戦略的判断材料がここには山ほどあるのです。
ただし、ここで強調しておきたいのは、私は決して弁護士に相談にいくな、といっているのではありません。
業界における今後の知名度や、周囲からの見えない圧力などという、法律条文とはかけ離れているが重要な判断材料を無視しては、結果的に自分で自分の選択肢を狭めることになりかねない、と問題提起をしているのです。
上記全てのことに気づいた貴方は、自分の探す答えは結局自分自身の中にあることに気づくかもしれません。
貴方は上記の知識を踏まえて、あらゆる視点からみてもやはり自分が不当にいじめられていると感じるでしょうか?
それとも、貴方は「自分も悪く見られても仕方のない存在であってしまった以上、これは追求してもらちがあかないイタチゴッコ」と感じるでしょうか。 ちなみに、会社と喧嘩をすると、会社も言い分があるでしょうから、とことん喧嘩をしてくる可能性があります。
このときに裁判を口にする人がでてくることもあるでしょう。 さて、このような発展は、貴方の将来計画にかならずしもプラスとして働いているでしょうか?
もう一度、冷静に考えましょう。 何が自分の今後の人生にとって一番の利益になるか。
それを最後に決めるのは、もちろん貴方です。
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「官公庁で働いていますが、将来は外資系法律事務所への転職を夢見ています」
Question-07
御セミナーは、外資系の金融やコンサルを中心に扱っていらっしゃいますが、外資系の「法律事務所」への転職はどれくらい難しいものでしょうか?
日本のそれとは違い、米国における司法試験は遥かに合格率が高いと聞いております。 私はこれまで某政府官庁に勤めており、国家公務員試験1種の資格を有しています。
この際渡米して、米国の弁護士の資格もとれば、東京や世界各地において外資系法律事務所でかなりのステータスと給与が得られるとみこんでいるのですが、お考えをお聞かせ願えますでしょうか?
これまでの官庁におけるキャリアのお陰で、私には「Government of Japan」を背負っているという自負心もあり、LLMという米国ロースクールのプログラムに一年通って司法試験も通ればきっとトップの外資系事務所に入れるとみこんでいるのですが。
(官庁勤務 男性)
外資セミナーからの回答
日本に最近できた「法科大学院」のいくつかにも、米国ロースクール一年留学を通じてこのLLMという学位を取得することをあたかも「日本の難しい司法試験を回避する裏技」のように推奨しているところが散見されるような印象があります。 これは当事者にとって重大な影響を及ぼす危険な発想なので、これを機会に私見を述べます。
まず、外資系法律事務所の雇用マーケット。 貴方はきっと米国のウェブサイトを通じて、大手の弁護士事務所が日本円に換算して2000万円に近い金額の年収を若手弁護士に支払っているのを知ったでしょう。
しかし、海外のリーガルマーケットを考察する以上、日本独自の感覚を捨て去る(あるいは克服する)必要があるのです。 そう、この立派な年収は、その米国弁護士が「弁護士」だから得ているのではないのです。 すくなくとも、それが主要な理由では到底ありません。
価値ある資格は、それだけ得るまでに苦しさが伴っていることに気づきましょう。 これは国内外を問わない普遍的法則です。 誰もが得られる資格なら、まさに文字通り誰もが取得して、供給は一挙に飽和状態となり、社会一般通念上「価値」は下がるでしょう。 いうまでもなく、ここで我々のいうその価値とは、社会的ステータスと年収です。
では、司法試験の合格率が高い米国で、どうして外資系法律事務所はあれほどの「価値」を被雇用者に提供できるのでしょうか? それは、「資格」の焦点が、司法試験の合否におかれていないからです。
米国で最も優秀なロースクールに入り、JD degreeと呼ばれる3年間のプログラムを終了し、しかもその中でも優秀な成績で卒業する。 これらの要素の総合体に外資系法律事務所は「価値ある資格」を見出します。
日本の「僕は難しい司法試験に受かり、弁護士の先生になったのだ」的な発想は、あっちからすれば意味不明です。 米国の優秀な弁護士も、日本の弁護士も、価値ある資格を手にするまでに、結局最低一度は普遍的法則に従います。 そう、「死ぬほど苦しい思いをする」のです。
貴方が、もしむやみにどこぞやのロースクールで1年間のプログラムに入り、米国の司法試験だけ受けて「私はGovernment of Japanを背負った国際弁護士の先生だ。だから年収1800万と仕事をよこせ」みたいな態度をとったら、先方は顎の骨をはずしてびっくりするでしょう。
LLMという学位は確かに価値があります。 一年でも法律を勉強して、無駄なわけはないでしょう。 しかし、貴方の質問にあるような道は、簡単に開かないと考えましょう。
優秀な人にも会社にも理由があります。トップクラスのそれであればなおさらです。 外資系法律事務所は、十分にトレーニングを受け、あらゆる選考過程で厳選されたピカピカのサラブレッドで、しかも若くてこれからどんどん成長してゆけそうな、そんな弁護士だけを集めようとします。
では、そういう人以外の外国弁護士たちは一体どこでなにをするのでしょうか? 中堅クラスの事務所で弁護士をしたり、まったく法律と無関係のビジネスをしたり、あるいは日本で騒がれているような「軒弁」に近いような存在もあります。 無職も多い。 しかし、このダークな部分を今掘り下げても、貴方の質問の答えにはならないので、これらは以後のトピックとします。 まずはとにかく現実をしっかりと知る。其の上で、覚悟をもって計画を立てるべきでしょう。
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「転換社債のプライシングをしていますが、競合大手に高額のオファーを貰い、転職で悩んでいます。」
Question-06
某大手外資系証券の株式・債券部門で、転換社債(CB)のプライシングの仕事をして3年になる者です。言うまでも無く、まだ自分のキャリアは浅いと解っておりますが、どうしてもこれまでの自分のボーナスの額に納得がいきません。
そんな中、最近ある競合他社からヘッドハンティング(私は申請すらしていないのに向こうから打診してきました)を通してオファーを提示されました。
非常に高額のギャランティ−報酬と、近い将来に、私がどんなに若かろうがチームのヘッドのタイトルをくれると言っています。
外資系に転職は付き物でしょうが、ただ一つ引っかかっていることは、私が現在在職している会社が私の分野でも、そして総合的にもトップレベルを占めている、という事です。
現在のような停滞気味のマーケットで、魅力的なオファーをドブに捨てるようなことも避けたい気持ちなのですが、究極的にどのような事項を判断材料とすればよいのか教えてください
(米系投資銀行転換社債発行担当 男性)
外資セミナーからの回答
同じ外資系金融をとっても、個人がそれに求める究極的なものは、驚くほどちがってくるものです。
「2億円なんとか稼いで、あとは金利だけでハワイで生活したい」という若者もいますし、「支店長や社長になって、将来は地元から出馬し、自民党の議員になりたい」という人もいます。
「ただ単に、金融が俺にはむいている。 このまま好きなことをグローバルの規模でどんどんやって、世界の金融を自分の力でひっぱってゆきたい。 自分の金融モデルを実践してゆきたい」と、本気で思っている賢い方も、たまに見かけます。 貴方は、今も、そしてこれからも、会社に何を求めてゆくのでしょうか。
それさえ解ればあとの判断は簡単のはずです。 大きなビジネスをして、業界で名を馳せること自体が重要な目標なら、揺るがぬ会社のブランドほど便利なものはないでしょう。 また、しっかりしている会社ほど、長期的なビジネス判断を重視します。
少々景気が悪くなっても、(仮になったとして)ヘッドの貴方をすぐ解雇したりしないでしょう。 もちろん、その前提には、貴方が優秀な人材であり続けることが重要です。
これらとは逆に、もし究極的な目的がお金であるならば、貴方個人の戦略は変わるでしょう。
いくら欲しいのでしょうか? 1〜3億なら、手っ取り早いかもしれません。 30億とかほしいなら、長期業界にいて、しっかりした勝ち組の会社で頑張るのもいいでしょう。 いずれにせよ、お金がそこまで重要なら、報酬体系を気をくばって交渉しましょう。
貴方の最良のビジネスの判断として、今後2,3年はいくらなんでも景気が悪いと思うなら、2,3年連続のギャランティ−を今のうちに交渉するのも妥当です。
これから転職先で大きくビジネスを伸ばせると思えば、1年でもギャランティ−をもらうのを拒んで、その代わりとして成功報酬の計算方法についての一定の合意を定めるのも一案でしょう。
貴方のビジネスマンとしての相場観が問われます。 同時に、お金に汚いと、すぐに業界での知名度に影響します。 よって、どこまで押して、どこで引くか。 貴方の人間的なセンスも問われるでしょう。
「外資系金融にはつきものだから」などという考えは捨てましょう。 付き物なんて関係ないのです。 関係あるのは貴方自身の利害です。自分の相場観とセンスを一生懸命吟味して、何よりも自分が会社に求めるものとは何か、そしてそれを得るためにはどう行動するのが最良か、を判断しましょう。
最後に強調しておきます。 貴方がいくら若かろうが、業界での知名度は死守してください。
人や会社を裏切るのも、裏切りとみられても仕方ない行動をするのも、貴方にとってダメージです。 「お金に汚い」と周囲に思わせるのも同じです。
結局転職するにしても、「真なる実力があり、あくまでその実力を発揮するべく環境を変えた。」という印象を作り上げたいものです。
もちろん、一度行動にでた以上、 1,2年以内にある程度の結果も誇示できるように頑張りたいものです。 結局、外資系金融で唯一「付き物」として考慮すべきものとは、「圧倒的実力と結果を前にしては、誰も何も文句を言えない」という真理なのです。
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「評価は高いのに、ボーナスが少なくて、今年こそ交渉しようと思っています」
Question-05
某大手外資証券の株式部門で営業をして2年と半年になります。
決して長くはないキャリアですが、私はこれまで必死に仕事をしてきました。尊敬する先輩たちからの評価も非常に高く、「お前は株式営業の世界の松井選手みたいな素質をもっている」、と身に余るお褒めの言葉を頂きました。
これらの高い評価は、私が毎週水曜と金曜に誘われる合コンにもいかず、接待と体調管理に徹底したお陰の賜物である、とある程度自負させていただいております。
しかし、悩みが一つあります。
外資は風通しのよい、透明性のある組織だとばかりおもいきや、上層部の外人同士がかってに社内政治にあけくれているようで、私などのように、見えないところで評価が非常に高くても、ボーナスのアロケーションがぜんぜん回ってきません。
結局、英語がぺらぺらの、帰国子女や外人社員ばかりが、仕事もろくにしていないのにたくさんの給料や厚遇を受けています。
今年の年末こそは、思い切ってボーナスの交渉をしようと思っているのですが、どのようにアプローチをするのがもっとも懸命なのか、教えていただけますでしょうか? (長くなって申し訳ございません)
(米系投資銀行株式営業本部 勤務 男性)
外資セミナーからの回答
確かに長い質問ですね。
しかし、こうして行動に移す前に慎重に質問をしてくれたことに拍手喝采をしたいと思います。
私が今の貴方にいえることは、「あからさまに押してはいけない。 しかし、間接的なアピールを忘れずに」、という一点に尽きます。 どういう意味なのか、以下解かり易く述べます。
外資系金融では、ボーナスの位置づけは非常に重要です。 我々の世界では、ボーナスは単に社員の評価を部分的に示したり、忠誠心を培ったりするものではありません。
雇用期間の非常に短いスパンで活躍をせざるを得ないこの業界では、ボーナスとは、社員個人の「価値」そのものなのです。 ボーナスの高い人は、価値のある立派な人間。
ボーナスの低い人は、その会社に限定していえば、価値のない人間、すなわち「辞めてください」という言葉と同じくらい直接的にメッセージを発信しているわけです。
我々の業界で、雇用者の立つ立場を再認識しましょう。
バイサイドもセルサイドも、結局は相場の浮き沈みに密接に業績が連動するこの商売で、しかもプレーヤー(経営陣を含む)のほとんどが1〜5年のスパンで辞職なり転職を繰り返すこの世界。
個人の真髄としての「価値」は発見・実現されていないだけで、実はその人が非常に成功するポテンシャルを秘めているとしても、雇用者からすればそんなものをいちいち発掘したり開花を待つつもりも暇もありません。
そう、すなわち、もともと社員個人の「価値評価」のツールであるボーナスは、「辞めてくれ」又は「頼むから居残ってくれ」のうちいずれかのメッセージを発信する、シグナル的な役割が中心になりがちなのです。
ボーナスの支払いをする経営側は、この役割を誰よりも十分に理解しています。 さて、貴方は「ボーナスのアロケーション」において、自分の取り分を増やす交渉にかかりたい、と言いました。
社内政治が蔓延り、外資だけに英語をネイティブに話す人間同士だけが得をしているように見えるのも、ある程度事実かもしれません。
しかし、ボーナスの交渉ほど、慎重にせざるを得ない行動はないのです。
貴方のキャリアは短い。 一年目のボーナスは、貴方の能力を判断するだけの材料もなかったでしょうから、決まりきった金額が支払われたはずです。
二年目はすこし増えたかもしれませんが、それでも人生で合計2年しか業界にいなかった貴方にそこまでの支払いはできていなかったはずです。 しかし、三年目は違うかもしれません。 「会社は貴方にシグナルを送ってくる」ことを、貴方が覚悟すべきでしょう。
さて、貴方にできることは何があるでしょうか? 直接、「俺、評価いいんだから、今年は俺にボーナスいっぱいくれるよな?」と言ってはいけません。
会社にいる周囲の人間からすれば、貴方は所詮、青い子供。 いくら「評価が高」くても、億単位の純利益を貴方一人の力で生み出していない(ちなみにそれは株式営業マンが成すのは至難の業)限り、貴方はただ単に「仕事に精をだす、有望ないいやつ」以上ではなく、上層部と掛け合ってボーナス交渉に及ぶほどの「実弾」をもっていないはずです。
果たして、上層部が「君の同期も皆君くらい有望で、やる気もだしてるよ。 君は自分の畑しか見てないからそんな生意気なことがいえるんじゃないか」と言ってきたとき、貴方は果たして決定的な業績の数値をもってして、説得力のある反論をできるでしょうか?
ほぼ100%のケースで、それは新入り3,4年目には難しいはずです。
では貴方は何ができるでしょうか。 間接的にアピールをすることは可能だし、これはむしろ重要でもあります。
上司もその上の上層部MD幹部たちも、決して貴方のことばかりに目をかけていません。 皆が自分の給料の心配をし、リストラや高額な中途採用の議題に悩み、意味も内容もないけど断りきれないミーティングに一日中終われ、特にこのご時勢、疲れています。
貴方が本当に人並みならぬ頑張りを見せて業績を上げていても、上層部にはそれは見えにくいことが多くあるでしょう。 いわゆる「社内政治」もその不透明性を悪化させているかもしれません。
ですから、貴方のもっとも信頼する、直属の上司に随時貴方の達成したことを通知するようにしましょう。
営業項目で、大きな顧客からのランキングがあがった。 ブロックトレードをしたことのなかった顧客が、貴方の営業力のお陰でするようになった。 XXアセットの「XYZ」さんが、今度大手のABC投資顧問に転職するそうで、その際こんな興味深い背景があったことを聞き出した。
これらのように、一社員が会社に貢献する方法はたくさんあります。 貴方はそれを信頼する上司に随時打ち明け、上司がいざというときに貴方のために、上層部と掛け合ってくれることを期待しましょう。
上司は、言われなくてもそれはやってくれるものです。 しかも、自然と情報を共有していると、周りもそんな貴方に気がつくものです。
ただし、ごくたまに、そういう若者による具体的な貢献を根っから嫌い、ましてやそれを同僚や先輩がよってたかってつぶしにかかってくる、という社風の会社も存在します。 もしも、こういう会社にいるひとは、「ボーナス」うんぬんの心配よりも、転職、または人事異動の機会を模索すべきといえるでしょう。
最後に一つの警告を添えて、本文を締めくくります。 それは社内に流すEメール。 いい情報であれば社内に共有すべきものもあるでしょう。
しかし、上記に述べた「間接的なアピール」をしたいがばかりに、あまり適当でない、または内容もさほどないEメールを社内全体に流す癖をつけると、貴方自身が社内政治の奴隷とみなされ、実際そうでなっている危険があるのです。
上司に個人的に打ち明けずに、そういうことをするようになると、直属の上司も「こいつはおれを無視し、飛び越すかたちで勝手に上層部と折衝している」、と社内の信頼も失いかねません。
無差別に回ってしますEメールは、本当に必要で重要なときだけに限定し、最小限に押さえ、あくまでも本業に専念することでプロとして会社の具体的な収益貢献に勤めることがボーナス最大化への王道であることを忘れないでください。
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「トレーダーをしていますが、結婚/MBAを前に解雇のリスクを感じています。」
Question-04
外資で株のトレーダーをやっています。自分では一生懸命にがんばってきたのですが、株式の売買を市場で執行するとき、あらゆるプレッシャーの下で端末の入力ミスを多々引き起こしており、先輩に「次やったらクビだぞ」といわれてしまいました。
秋に好きな彼女と結婚を予定しており、3年後にはMBA留学を計画してます。
ここでクビなどになったら全てが狂うのですが、どうしたらよいでしょうか?
(米系投資銀行株式トレーダー 男性)
外資セミナーからの回答
結婚は貴方と婚約者が二人で相談すべきでしょう。本セミナーの専門性と趣旨に従い、ここでは貴方のキャリア計画の部分について、私の反応を叙述します。
まず、もっと落ち着いてトレードをしましょう。 巨大な注文を入力するときや、ザラ場が忙しいときには誰でも確かにテンバリます。 しかし、人間には、もともと不注意な人はたくさんいても、本能的にトレードでエラーばっかりを起こす人などはいないのです。
貴方のミスは、落ち着けば克服できる問題のはずです。 エラーを起こし、ザラ場の引けた後に証券取引所に対し過誤訂正を行い、会社に損害を与え、コンプライアンスと現場の上司に叱責を受けるくらいなら、注文の入力が遅れてもいいから注意深くそれを端末に入力する。
これこそが貴方を含む全体の利益です。 焦る状況でこそ、数秒の遅れを犠牲にしてでもエラーを防ぎましょう。 (素早く執行しても、エラーであれば貴方の評価は下がるだけです。)
当面は上記のアドバイスに従いエラー防止に励むとして、貴方のキャリア計画自体に問題はないか、ここで見てみましょう。
まず、貴方の上司は「クビ」という恐ろしい言葉を口にしました。 その上司に本当にその実権があるのか、そして、労働法上それが正当なのかはさておいて、少なくとも貴方の社内評価は決して高くないのが事実でしょう。 辛い指摘ですが、まず信じ込まなくてもいいのでその存在を認識しましょう。
そこで、貴方の採りえるベストの戦略とは何でしょうか? それは、「キャリアの選択肢を最大化すること」です。
まず、貴方の本当に目指す職責とはどういったものなのか、を考えてください。 現物の株式委託注文の執行ですか? それとも、会社の資金でポジションをとるプロップトレードですか? デリバティブも扱いたいと願っているのでしょうか?
MBAを考えていることからすると、もしや貴方は株を離れてウォールを越え、バンカーになりたいと考えているのかもしれません。
具体的な将来像を見据えて、社内外でそのポジションを模索することを考えましょう。 直ちに行動するのです。 トレードが好きなら注意して執行するのみでしょう。 しかし、そうでないなら、今からどんどん新しい機会をさぐりましょう。
結局クビにならないかもしれないし、二度と貴方はエラーを起こさないかもしれない。しかし、それは重要ではないのです。
貴方が外資系証券で危険な立場にいる以上、その一点をもってしても、貴方は今後の選択肢を最大化すべきなのです。
他の職責を模索することと、今のトレードの仕事のやる気のなさを露呈することとは、決してイコールではありません。
素直に希望と特性を説明し、上司や周りに、誠意をもって相談することからはじめて見ましょう。 貴方の立場を解っている以上、周りも理解するはずです。 人によれば、貴方がそう行動に移すのを待っている人もいるかもしれません。
だからといって何でも他のポジションを探し、MBA留学までの残りの3年間の保身のために移動をするのは感心できません。 それでは貴方が無能であることを、認めることになってしまいます。
であるからこそ、このプロセスにおいて、「自分が将来、どこで、なにをしていたいのか。 40歳、50歳の自分はどうありたいのか」を自分なりに真剣に考えることが非常に重要です。
1秒でも早く、選択肢の最大化に勤めましょう。
そのための最初のステップは、人生そのものに対する最初のステップに立ち返ることです。「自分は将来どこで、なにをしていたいのか。」これを深く自問自答し、信念にしたがって最良の選択をしてください。
時に、生活スタイルの大きな変化は怖いものです。しかし熟考した上での、他でもない自分自身の将来のための変化への恐れは、今の貴方だからこそ克服すべきです。
最後に、教育の意味で最悪のシナリオを記述しておきます。
本人しか知りえませんが、案外多々ある事例であると思って結構でしょう。 どのようなシナリオかというと、「最後まで希望的観測と楽観に甘んじ、なにも行動しない」というシナリオです。
これで予想通り解雇されてしまったら、貴方はどうするでしょう? 不当解雇として訴訟でしょうか? 名誉毀損でやはり裁判所にいくのでしょうか? 相手は自社の知名度を宗教のごとく大切にする世界的大会社です。
貴方の数億倍の資本力を惜しまず投じ、貴方と戦ってくるでしょう。 この状況に自分を置いては、行動が遅すぎ、成すすべはほぼないといえるでしょう。
自分や自分の身内の資金力と相談しつつ、あくまでも事前に現実的な行動をとるようにしてください。
貴方のトレードのエラーが、貴方の人生のエラーへの警鐘であることを真剣に受け止めましょう。
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「任される顧客が小さくて、このままでは出世出来ません」
Question-03
私は某外資証券で、株の営業の仕事について2年になりますが、今一つ、うだつがあがりません。
これでも自分なりに朝早起きし、誰よりも早くNY株式市場の動向を探り、海外オフィスともまめにコンタクトを採って毎朝の顧客への電話内容を充実させているつもりです。
ただ、チームの先輩たちは、僕よりもみんな最低10歳くらいは年配で、大きな顧客を担当させてもらえるとは思えない環境です。
そうはいっても、大きな顧客を担当しないと、セールスとしての自分も伸びないし、巨額のボーナスも得られないと感じるのですが、こんな私はどうしたらいいでしょうか。今のジレンマを打開する術を教えてください。
(米系投資銀行株式営業本部 勤務 男性)
外資セミナーからの回答
まず最初に、私は誰よりも貴方のその悩みを理解している、ということを知っておいてください。
大きな会社で、優秀な先輩がいればいるほど、新卒の「若輩者」の立場は、ひたすらモドカシイものになりがちです。 実際、私がアメリカ留学から帰国後就職したときには21歳、他のみんなは全員28〜45歳と、とてもじゃないけど頭があがりませんでした。
ここでは、貴方が、貴方のような状況にいるからこそ、してはいけないこと、そしてすべきこと、の2点を解りやすく述べたいと思います。
まず貴方だからこそしてはならないこと。それは、貴方のその望みを口にだして本当に上司と掛け合うことです。 これだけはしてはならない。 逆効果をうみます。 もう学生生活を離れて2年以上経った貴方は、「自分を他人の目で見る能力と余裕」を身に付けるべき段階に達しています。
貴方の所属するような優れた会社のチームの先輩・上司の方たちは、貴方の考えていること、仕事ぶり、などなどすべてを解っていないようで、実はしっかりとみています。
そうして貴方の「値踏み」をしている最中に、貴方から「でかい客をもたせろ」といってしまえば、周りの貴方に対する評価と信頼・尊敬心はどうなるでしょうか? 貴方も頑張っているに違いありませんが、周りも、年上だけに、より一層責任をもって必死に仕事をしている方たちです。
昨今の景気不安を鑑みれば、さらにそうだといえるでしょう。 自分から野心や欲を持ち出して、「何も知らない、自信過剰なクソガキがなにをいいやがる」と、周りに思わしてしまうようでは、貴方自身がこれから業界で損をすることになるのです。
逆に、貴方が、そんな貴方だからこそすべきことがあります。 それは、周りが見える形で、今以上に、仕事のパフォーマンスを向上させることです。
仕事に対する姿勢、業績、経験値、など等、貴方の、株のセールスのプロとしての資質の凄さを、周りの誰もがもはや公式に認知し、奨励せざるを得ない状況を間接的につくることです。 この状況を、言葉や示談などではなく、いきなり行動をもってして創り上げる。 これこそが、貴方の昇進、顧客獲得、そして昇給を実現するための最大にして、唯一の近道なのです。
今、あなたは心の中でこう皮肉ったはずです:「既存の客が小さいとこばっかりなのに、どうやって業績なんかがあがるんだよ。 努力しても限界があるからこそ質問を投稿したのに。」
この類の皮肉は、不正確であり、未熟です。
いま30歳や40歳の、貴方の上司たち。そして私が21歳だったころに、年配だった先輩や上司たち。彼らも貴方と同じ道を通りました。
貴方がハイテクバブルか、おそらくは2007年前半までの世界的好景気の波に乗る形で優れた会社に入社できたように(貴方がそもそも学歴上優秀であることは明らかなのでそれに対する言及を敢えて略します)、貴方の先輩たちも、過去のバブルに助けられ、過去の不景気に肝を冷やしてきました。 そして彼らも同じように、小さい顧客のみを担当して、着実に生き残り、今日まで成長してきました。
仕事に対する姿勢、情熱を維持し、小さな顧客から、どんどん仲良くなり、信頼を勝ち得、市場に関する情報をいち早く察知する連絡網を構築していってください。
今の貴方には、今のままでも充分にまだまだやることがあるし、できることがあるのです。 例えば、その「小さな客」とやらを5〜9社担当しているとして、貴方はその全社から株式営業の項目で不動の1位を得ていますか?
「今の自分にはまだまだやることがあるのに、自分の未熟さから端を発する不満や怠惰を、客の規模のせいにしてしまっていた。」
こう気づいた貴方は、その時点でまた一回り大きくなりました。 こういった哲学的な確立と、謙虚さを伴った着実な成長こそが、貴方の本来持ち備える野心や情熱に根拠とバランス感を与え、また一味厚みのあるプロとしての貴方が実現します。
そんな貴方は、いずれは貴方の会社のみならず、業界中の誰もが否定できないくらいに一目置かれるプロフェッショナルとして、存在感を増してゆくでしょう。
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「海外勤務を希望しているのですが、どのような進路を辿ればよいでしょうか」
Question-02
来年、MBAをアメリカで修了予定の帰国子女です。2年のアメリカ滞在生活の結果、私はどうしてもこちらの生活になれてしまい、就職はカリフォルニアかニューヨークで希望しています。
ボストンキャリアフォーラムに参加しましたが、それこそ大企業もでそろっているものの東京本社勤務が主のように感じられます。 外資系の金融やコンサルに就職すると、海外に住みやすいものでしょうか?
(米国 MBA 女性)
外資セミナーからの回答
「住みたい場所のためにはキャリアの内容をころころ変えてしまう」というような態度は、面接官側からすれば決して感銘を受ける候補者の態度ではないでしょう。
いくら身勝手に聞こえても、会社側は「うちにしっかりとした理由と覚悟をもって入社してもらいたい」と願っています。 そうはいっても、私には貴方の言わんとする気持ちが分からなくもありません。
そもそも仕事なんて、一度もしたことないのだから「どれが好き」とか「確固たる覚悟をもって。。」云々と説かれても、その観念自体が学生からすればいまいちピントはずれでしょう。
逆に、「ここに一生いる!」と大声で叫びながら面接にくる学生の方が、怖い部分もあるでしょう。
「覚悟」や「目的意識」は、動機付けにはなりますが、常に「あてになる」わけではありません。 人は自分の思う以上に自分の事を知りません。 そして人は、自分の思う以上に時とともに変わるからです。
私個人の例が適当なので挙げると、私は貴方のようにアメリカで某大学を卒業し、そのままストレートで最大手外資系証券に入社しました。 入社3日後の歓迎会で、私は乾杯の音頭をとりながら「僕は一生xxx(会社名)にいます!!」)と宣言して、周りの上司によく可愛がられたものです。
2年と半年後、ヘッドハンティングにより他社に転職しました。 今振り返っても、そうするしかなかったし、そうして自分の人生にとってよかった、と思える決断でした。
生涯のコミットメントとしての覚悟は別にいらない。 しかし、貴方の発想が、雇用者にとって危険であることには違いありません。
貴方にさんざんお金と時間を投資して、結局「アメリカになかなか住ましてくれないから」と突然辞められては、会社は立つ瀬がないでしょう。 故に、貴方のもつような動機は決して評価される動機ではないのです。
自分をどうプレゼンテーションしてゆくか、をじっくり吟味すべきでしょう。
まず、米国での雇用に関する私の個人的概観を述べましょう。
外資系に勤めて、そのままアメリカに転勤をする、というのは不可能ではありません。 しかし、それには相当の英語レベルが要求されます。 貴方は、自分がTOEFL満点近くあるからといって、安心しているタイプの留学生ではいけないでしょう。
英語に加え、さらに貴方はWall Street現地で通用する能力や技術を身につけなければなりません。 日本人が米国現地で仕事をする、ということは、日本人のほぼすべてが寝ている時間帯に起きている人たちと一緒に、またはそれらを相手として収益を稼ぐという行為です。
バイリンガルで、アクセントがあったとしても十分に難度の高いレベルの会話ができ、しかもfinancial engineerとして実績のあるような人ならロンドンでもNYでもいけるでしょう。
愛媛県とかで自称個人投資家の自営ガレージオーナーに営業とかしかしたことのない人物が、持ち前のbroken Englishでいきなり単身NYに渡っても、いわゆる存在感は発揮できないでしょう。
「能力と結果がすべて」という外資系金融における揺ぎ無い鉄則が、ここに垣間見えています。
日系でもよいならどうでしょう? これに関しては、我がセミナーの職分とかけ離れるので極端的に述べると、タイムスパンの勝負になります。
どういう意味かというと、長く日本で丁稚奉公(でっちぼうこう)に勤めて、将来的に家族そろって海外勤務、という手は十分にあるようです。 実際、私の大学院の友人でも、そのようにして海外留学、家族手当、海外勤務の三拍子がそろった方々が多々いらっしゃいました。
この場合、海外企業ではないので、ぎりぎりの英語力でも十分重宝されるだろうし、働く相手や同僚も日系の方が比較的多いに違いありません。 しかし、タイムスパンの観点から、貴方には「日本で待つ」という事が要求されるでしょう。
日系企業の米国現地法人に、いきなり就職というのはどうなのでしょうか。 これは、留学生にとっても長らく人気のある方法です。 しかし、デメリットも少なくありません。
まず、給料が非常に安い。 米国に存在するあらゆる日本人留学生たちがこぞって現地就職を志願するので、日系現地法人からすれば「変わりはいくらでもいる」といわんばかりの態度ででてくるのも理解せざるを得ません。
かといって、現地の米系企業にそのまま就職しようとすると、就労ビザサポートの問題や、英語能力がネックとなって、しかも日本語のできる人材をそこまで欲しがっていない会社がほとんどですから、難しいといわざるを得ません。
これが簡単であったら、貴方はそもそもここに質問を投稿していないでしょう。
安月給を呑んで、そのまま日系の現地法人に就職したとしても、数年たって、「結局権限や特典を享受して、貯金もステータスも勝ち得るのは東京本社から2年おきに出向してくる人達だけ」、という現実に泣く日がくるかもしれません。
私は、やりがいや条件のそろった就職はアメリカでは見つからない、と断定しているのではありません。 私の個人的経験と、私の友人大多数のキャリアや人生体験を総合して「状況は厳しい」と敢えて警鐘を鳴らしているに過ぎません。
上記のドライな現実と、時とともに変わる経済や雇用状況を逐一照らしあわして、現実的で、地に足のついた計画を今から模索・実行してゆきましょう。 世の中甘くない。 しかし実力のある頑張り屋さんには、必ず道が開けるのです。
最後に、冒頭で言及した「自分のプレゼンテーション」についてのアドバイスを述べます。
面接官に「私はアメリカに住みたいから御社を受けている」というのは、好ましくないのはすでに述べたとおりです。 たとえ貴方の真意がそうであったとしても、です。
其の上、貴方を含めて人間は変わります。
本当にアメリカに住むためならどんな仕事でも良いのか、外資系に就職して東京で勝負してからでは遅いのか、自分の英語力は現実的にどういう企業で通用するか、20年後の自分は、具体的にどこで何をしていたいのか。
これらのことを自分なりに調査して十分考察しておくと、すくなくとも面接で「NYにある御社でこそ、自分はxxxにチャレンジできると感じた」くらいのことを、嘘臭くない感じで表現できるでしょう。
そして、それに始まる効果的な自分自身のプレゼンテーションは、有意義な就職への大きな、そして必要不可欠の、第一歩なのです。
将来的に自分自身が変化することを受け入れる見識と余力を残しつつ、且つ今の時点で「到達したい自分」を確立し、効果的にそれを表現する。
就職、転職そして仕事現場のどの状況においても、この目的意識に基づいて今の自分を捉えるべし、というのが我がセミナーの哲学です。
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「現在投資銀行で働いていますが、将来MBAやロースクールで迷っています」
Question-01
私は、去年大学を卒業し、欧州系の某大手証券会社の資本市場部で仕事をしています。
といっても、人生本当に何がやりたいのか分かっていなくて、将来の選択肢を広め、人生の視野も広めるためにアメリカでMBAかロースクール留学を考えています。
漠然とした質問で恐縮なのですが、私のこういう考え方の方向性について御セミナー先生方のご意見やアドバイスをして頂けますでしょうか?
今の時点で職歴は1年、留学が開始するまでには少なくとも2年はある計算で、いまのCapital Marketsという部門もレジュメ上「つぶし」のきく職歴に該当するのかな、といろいろ曖昧に考えすぎて、迷っております。
(外資系証券会社 ECM 勤務 男性)
外資セミナーからの回答
心配無用です。 貴方は非常に迷っておられる。 しかしそれはとても健全な悩みです。
将来のキャリアの選択肢を増やす、ということは、人生の中長期的リスクをヘッジすることです。
「今プレミアム0円で、人生のコールオプションを買っている」という風に捕らえて、これからも堂々と、真剣に悩み続けましょう。
さて、貴方の大まかな悩みについて、私は「何年後にこの学校にいってこうしろ」という答えを差し上げることはもちろんできません。
貴方の人生、貴方が決めるからこそその決断に責任感を持ち、結果として持続と成功と自信に繋がるものであるはずです。
しかし、私の外資系証券会社から米国ロースクールへと歩んだ経験を生かし、「考え方」のフレームワークをお伝えすることはできます。 これを踏まえた上で、以下に私の所見を述べます。
まず最初に、自分が本当の本当にやりたい事は何かを考えましょう。 仕事の役職名は思いつかなくとも、好きなことくらいはあるでしょう。 それが大事なのです。
実は政治家を相手に大きなディールを動かしたい、といったことかもしれません。あるいは、趣味がカラオケと音楽で、自分自身、セミプロで歌手やギタリストを目指していたけど不安定なので金融にきている、という人も見たことがあります。
こういった興味関心をもっているだけでも、留学先の決断に指針を与えるものです。
たとえば前者の政治意識の強い元証券マン。 これは筆者である私自身の体験です。 よって、私の場合は、Juris Doctor degreeと呼ばれる、アメリカのロースクールで得られる学位を取得しました。 しばらく米国法弁護士を世界のあちこちでやったあと、故郷に立ち返って政界出馬をもくろんでいます。
あと、後者に上げた、音楽の好きな証券マン。 こちらももちろん実在の方で、私の金融時代の元同僚です。 肝心なことに、彼も、自分のやりたい事をとても大事にし、それを中心的に考えました。 よって、MBAにもロースクールにもいかず、アメリカのポップアーティスト育成で名のある某音楽大学に脱サラ・社会人留学を果たしたのです。
そこで、一流のカリキュラムをマスターし、今後日本でファンド形式でお金を集めて全国規模で質の高い音楽学校を設立するとのことです。 ここでもまた、金融の素養と、個人的な情熱が融合し、留学とキャリアの独自の選択肢へと具現化がなされています。
以下は二次的な議題になりますが、その中でも重要なのは貴方の資力。 アメリカ留学は、学費や生活費、一切合財を含めて年間800万円を覚悟しましょう。
ただ、博士課程ならば学費がタダに近かったり、奨学金の機会が多いと聞きます。 自分が支払いきれるプログラムの類を、じっくり調べて見極めましょう。 貴方があと何年間働いてから留学をすることになるのか、にも影響します。
そして年齢も重要なファクターです。 いくら優秀でも、歳をとりすぎていればキャリア転換はむずかしいものです。 管理職の年齢の人がいきなりMBAを取得しても、会社からすれば雇い辛い候補としかいいようがありません。 勉強は、特段の理由が無い限りにおいて、早いにこしたことはないと考えましょう。
最後に貴方の能力です。 英語力など、ピンからキリまでありますが、いかがでしょうか。
ロースクールでは、TOEFLで最高点近くをとっていても歯が立たないくらい、非常に高度な読解力とspeakingのスキルが要求されます。 その他の学校では、一般社会人がPrinceton Review やKaplanなどの予備校にかよってGMATなどの点数をあげるだけで、現地の留学先でも十分やっていける方が多いと思います。
学校にいってからも競争社会は一緒。 全米ランキング20位以下とか、あまり知名度の低い大学院にいくと、それだけ速やかな就職が難しくなることにも留意しましょう。
この「能力」の項目を最後に記載したのには特別な理由があります。 能力は努力次第であげられる。 だから、本気でやる気があるなら、能力とは貴方のやりたい事への制限事項ではなく、これから身に着けることのできるプラス事項であると認識しましょう。
私の主たるメッセージは、貴方の質問にあるように漠然と、留学を視野にいれた将来を思考する際、「これまでの自分」を考えのスタート地点にするのではなく、「これから成りたい自分」から始めて上記の条件などに照らし合わせて具現化・現実化してゆく、というプロセスを是非歩んでほしい、ということです。
貴方の真剣で有意義なるその悩みを、我がセミナーは支持しています。
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社内恋愛に関して
Question-00
某大手外資系投資銀行につとめて1年になります。 御セミナーのご趣旨とは関係あるのかないのかわかりませんが、社内にとても美人で、本当に好きになってしまった人がいます。 彼女のほうも、大変気さくで、僕の仕事ぶり(必死に働いてます)も評価してくれているようで、たまに木曜とか金曜に食事に行く仲です。
この際将来も考えて、アタックをしようとおもっているのですが、外資系で社内恋愛をするということは、どれほど危険なことですか?
(米系投資銀行 投資銀行本部 男性)
外資セミナーからの回答
基本的にやめておくことを強くお勧めします。
外資系といえば、多くが米国WallStreetに本社を置く、日本のそれとは対照に開放的な実力社会というイメージがありがちですが、それと社内恋愛の是非を混同して考えては大火傷を負いかねます。
単に付き合いたい、憧れの人がいる、という程度なら、社内恋愛は避けるべきです。理由は3つ。
まず、周りの目は隠しきれません。 貴方がいくら仕事を頑張っていようが、社内で人気のあるはずの美人社員を独り占めし、よろしくやっているようでは、社内のメンバーの貴方を見る目ががらっと変わるでしょう。「アイツ、新入りのくせにうらやましいな」で終われば貴方は幸せ者です。
しかし、それでは終わりません。
「アイツは、仕事を犠牲にして、女にはしってだらしない」、とあらゆるところで攻撃される危険が非常に高いでしょう。 その一点をもってしても、貴方の仕事はやり辛くなってゆくものです。
恋の罠にお嵌り中の貴方は今こう思っているかもしれません:「僕はうまくやれる」と。 都内のレストランを避け、できるだけ郊外か自宅で待ち合わせをすれば誰にも知られないで交際ができる、と確信に近いような感覚をもっているかもしれません。
私は、都内の最大手外資系証券で貴方の立場にいた若かりしころ、同じフロアで計4人と順番に付き合いましたが、全部バレました。 0.0001秒でも浅草の浅草寺で手をつないで歩いているところを見られると、それでフロアの全員が知ることになるのです。 社内恋愛は、隠しとおせません。 相手を愛していればいるほど、それだけボロはでやすいことも理解しましょう。
上記では、社内での知名度・信用度リスクを挙げました。
第二番目の理由は、貴方の業務自体へのリスクです。これまで、世の中いくつのカップルが離別し、いくつの夫婦が離婚をしたでしょうか? 頭がポーっとなっていて、一緒にいるだけで全てが新鮮で、幸せに思える時期は、今の貴方でなくても人口全体が必ず経験する高揚感にみちた人生の一チャプターです。
しかし、貴方が自分の業界、会社で成功したいなら、本当にトップにのし上がり、どんどん偉くなりたいのなら、「社内恋愛の破局」を迎えるリスクをわざわざ自分からとるべきではありません。
破局しないかもしれません。 しかし、私の言っているポイントは別のところにある、と理解しほしいと思います。
今は幸せでも後で悲惨な破局に終わる恋愛が大多数なら、その統計的に実在するリスクを自分から好きこのんでとらなくてもよいのです。
私は4つの社内恋愛をし、4つが破局しました。 最初の1つは半分ヤクザ沙汰になり、2つ目と4つ目は比較的平和に振られたものの、3つ目はやはり社内での大揉めになりました。
普通に付き合っている期間中に、彼女が私が接待を理由に合コンにでかけていたとある日思い込み、嫉妬のあまり私のデスクまでつかつかと歩いてきてみんながみているまえで大声で私を攻め立てたのです。
これが私のいう、否めない「リスク」なのです。 そして、貴方はいまそれをとりつつある、ということを再認識しましょう。
上記2つの理由だけでも充分なのですが、社内恋愛を避けるべき最後の理由としては、「社外のほうが実は楽しい」という事実があります。
貴方は仕事を頑張っているに違いない。 しかし、同じように充実した仕事をしている若く、情熱と夢に満ちた男女が、貴方の会社や貴方の業界の「外」にうじゃうじゃいることを知りましょう。
その気にさえなれば、出会いも多く、破局しても社内のだれにもお咎めをうけず、うまく交際している間もだれにも嫉妬や陰口をされません。
いつも奥の、ガラス張りの部屋にとじこもっている偉そうなパートナーやMDたちも、影で貴方に嫉妬したり、仕事に対する集中力を疑ったりするリスクが一切ないのです。
貴方は、貴方自身が強くいきるために、一流大学を受験し、一流会社に入社しました。 にやにやと愛ややすらぎを追求するのは、その踏み外せないレールの「外」にしておくべきでしょう。
若かりし頃の私のように、レールを走りながらそれらを追求すると、4回中2回は失速し、残りの2回は脱線するのです。
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執筆者プロフィール
外資セミナー講師
外資系投資銀行複数者経験。数年単位でライバル会社を渡り歩き、現在米国トップスクールの一角にて留学中。
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