外資就活セミナー講師陣からのメッセージ
外資系戦略コンサル・投資銀行面接対策セミナー御参加の前に
外資系戦略コンサル/投資銀行面接対策セミナー( "外資セミナー”)ご参加の前に、以下外資セミナー講師陣からのメッセージを必ずお読みになり、十分事前に準備された上で当日のセミナーにご参加下さい。
外資コンサル/外資金融の先にあるもの
Message-01

私は全てに対して迷っている学生諸君に告げる。「テクニックに溺れるな」と。
私は本来は某外資系投資銀行で業界の最前線を走り続けていたが、一時、自分の興味本位で、プロジェクトが特に静かなときにリクルーティングに中心的に関わった事がある。
トップ大学から、何百人という数の学生諸君と対談、面接そして数日にわたるセミナーやインターンシップを催してきた。
しかし何百人と会っても、私が出会う人はいつも「一人」に終始している。
どういう意味かというと、あまりに皆が面接の技術や予備知識に溺れ、同じ台詞や同じ質問しか返ってこないのである。 これでは面接官は仕事の疲れが増し、刺激もなくなり、人材発掘も不毛に終わる。
私は君たち一人一人に本当の自信を抱いて欲しい。
教科書や面接・就職攻略本を熟読して得る感覚は自信ではない。「やることやったから、うまくいくはずだ」という、とても臆病な精神から由来する薄っぺらい安心感なのである。
本当の自信とは、君個人がその根拠や背景を身をもってして把握した、確たる個性的な信念なのだ。
弊社「外資セミナー」を通じて、業界や仕事の内容を把握するのは大変有効である。しかし、私はその上であと一歩大切なステップを経て欲しいと思う。
自分一人の時間を普段から設け、自分の人生を自問自答しつづけるのである。この部分は 我々外資セミナーやその他の勉強会が、助けられる部分ではない。
貴方の真剣な自問に、答えはいらない。あればおかしいといってもいい。
ただ自分はどこから来て、これから人生どこに到達しようとしているのか。 それを本気で考え抜くのである。
自信や個人的な裏づけのない学生が、プロと面接をしても、「将来計画がないのでとりあえず年収800万欲しいから、できるだけネームバリューのある会社につとめておきたい」という本音を暴かれてしまう。
しかし自分の人生の地図の、一体どこに志望企業が位置するのかを少しでも独自に熟考しておくと、面接中のやりとり一言一言に味と誠実さ、そして真剣さが増すことには違いない。
そして、謙虚さと奥ゆかしさを忘れないながらも、その個性的な味を滲み出す貴方という「人間」はすでに、全国その他の、テクニックに溺れた学生とは大きく距離を引き離しているのである。
お金が実際の根拠なら、それでもいい。でかい会社が本気で好きならそれも結構。ただし、それ「だけ」で終わってはいけないのだ。
もっと深く自問自答し、フェラーリとポルシェを買って、モデルの彼女とワイキキのホテルでバカンスを楽しみ、ロスとマイアミでマンションを購入したあとの人生までも一度見据えてほしい。 自分は一体結局どこに到達したいのか?
こう自問すると、いかに人間の「目標意識」とやらが物質的で、短期的なのかが浮かび上がる。
しかし、それに結局退屈してしまう人が最低二人いる。
一人目は、貴方を面接する面接官で、二人目は、その人生をそのまま生きてしまう貴方自身である。
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効率的面接対策に向けて
Message-02
(以下は、米系戦略コンサルティングファームから、外資系大手資産運用会社に転職された講師の方にご執筆頂きました。)

売れ残った就活本をガムシャラに読み漁り、役に立たないOB訪問で先輩に威張られた後、深夜の11時に閉店間際のスタバで、暇なあなたの友人はこう切り出す。
”オレだったら、今のオマエを採らないな”
”オマエの志望動機、結局将来何をやりたいのかわからないヨ”
”オマエの履歴書、オマエっていう人間が浮かんでこないんだよな・・・”
――朝の二時までエントリーシートを(心を込めて)手書きで書く時間があったら、是非とも以下の問いを自問して欲しい。
「私は戦略的な面接対策を行なっているのだろうか?」
1.結局何が聞かれるか、2.受かっているヤツはどう答えているか。3.投資銀行と戦略コンサルの面接官は、何を言われれば/どういう答え方を”賢い”とみなすのか。
――この3点に繋がる対策を、あなたの就職対策法は提供しているだろうか。しかも、投資銀行/戦略コンサルという特殊な業界に限定して――。
これらを2時間に詰めるだけ詰めたのが、当セミナーの特色だ。
20万も30万も払って数ヶ月、通わなければならない”就活塾”は、明らかに忙しい就職/転職活動中の諸君の利益を損なっている。厚さ3センチ、501ページに及ぶ「面接の達人」とかを読んで、「達人」を目指すのも考え直した方がいい。
皆さんが二時間でさらされる知識は、私が230回/10年間外資面接を繰り広げて獲得した外資面接現場のノウハウである。
(以前は180回と言っていたが、今年はさらに6社/50セットの面接を行なった。受かったところに、あやうく勢いで転職してしまうところであった・・・。)
ブーズアンドカンパニーの面接担当が出だしに”成功体験を三つ”聞いてくることや、ATカーニーで趣味は?と聞かれサッカーと答えればサッカーファンを二倍にするには?と聞かれること、GS(ゴールドマンサックス)の不良債権処理チームであなたの賢いポイント3つはと聞かれること、シティグループの調査部でセルサイドアナリストの今後の姿について聞かれること・・・またそれにどう答えれば、合格したのかを皆さんに伝えたい。
当然、アーサーディーリトルに”これは採用に関係ない”とか言っておきながら、ディナー面接でしっかり採否が決定していたことや、BCG(ボストンコンサルティンググループ)が何故か毎年”スキー場の来場者を3倍にする方法”を聞いてくることも皆さんに伝えたい。
この他、膨大な数の各社面接質問内容/ケース面接事例に加え、どう答えて合格したのかも皆さんと共有しよう。
当然共有するのは各社個別のアドホックな面接内容に終始しない。
頻出問題である”なぜこの業界を志望するのか””あなたの強みは何か”といったオーソドックスな(しかし回答者間であまりにも差がでる)質問に対し、コンサルやバンカーがどんな内容をどんな深さで求めているかをあなたは知るだろう。
また当セミナーに参加してくれる諸君が提供してくれる、膨大な量の”直近質問リスト” の集大成もあなたを助けてくれる。
安心して欲しい。「"僕は"と書かずに”私は”と書く」「今まで成し遂げたことを10個メモに書け!」などのメッセージは、紀伊国屋に並ぶ分厚い面接対策本とその熱心な読者にお任せしている。
これを2時間受ければ受かる、などとは言わない。
あなたは知的なトラックレコード(学歴/職歴or相応の資格)を有している必要があるし、将来何をしたいのか、や、自分は何が得意なのか、などの自己分析は言わずもがなである。
論理的思考能力は言うに及ばない。基本的に、「地力はあるものの面接のポイントを知らないばかりに損をしている」志望者が、当セミナーから最大の利益を得るであろう。
逆に言えば、”コミニュケーション能力不足に絶大な自信”があったり、”明らかに自分は論理的ではないという自負”のある方は、5000円と二時間を無駄にしてはいけない。
震災被災地とタイの洪水被災地に5000円づつ寄付をして、早めに他の業界を視野にいれたほうがいい。(とはいうものの、最も競争的な就職活動者による、最難関業界就職対策のコツに触れれば、一般的な就職活動にも役立つとは思うが・・・。)
もしもあなたが、有力な候補だが、”放っておいても一月にBCGとマックに奪い合われる極一部の人々”のレベルに達していない場合、また他の就活セミナーが低レベルかありきたりで役に立たなかった場合、もしくは若手のコンサルやバンカー数人の与太話に辟易としている人(ただし皮肉屋は困るので、礼儀正しく可愛げのある人)は、是非奮って参加して欲しい。
効果は上がっているし、内定者も非常に感謝してくれている。前年度参加の先輩からの紹介が多いのは、当セミナーの誇りである。
外資コンサル/外資金融で内定を得たセミナー参加者の皆さんで例年同窓会を開いているが、その場は蒼々たるファームに行く人々だけに、就職/転職後も有用なコミニュティのきっかけとなっている。
クラスに貢献してくれたセミナー参加者には、通常の配布物以上の特典が提供されている。(ちなみに、実はセミナー前のベンチマークの回答内容でその後のイベントに呼んだり、セミナーで優遇する対象者の目星をつけているので、是非真面目に取り組んでほしい。)優秀な皆さんとの、活発な議論を楽しみにしています。
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"毎日一緒に働きたい”と思わせるには?
Message-03
(以下は、外資セミナーを通じてメディア業界より外資金融に転職し、外資系投資銀行及び日系大手証券を経験された講師の方にご執筆頂きました。)

外資と日経の採用担当者の意識の違い 現役面接官の立場から、面接のポイントを紹介する。外資系の面接で大事なポイントは、ズバリ「コイツと一緒に毎日働きたいかどうか」ということに尽きる。
入社してすぐに、少なくとも3ヶ月後には、コイツがどのように自分や自分たちに貢献してくれるか、ということをチェックする。1.いつ→すぐに、2.誰に→自分(チーム、部門)に 貢献する候補かどうかである。
面接で目の前に座っている候補者に内定を出しても、一緒に仕事をするのはどれくらいの期間だろうか。平均在職年数を5年として、内定を出してから入社までが1年だとすると、長くて4年。短かければ、一緒にその面接が最初で最後の出会いになることだってある。外資系では内定者が入社するまでに、採用を担当した面接官がすでに辞めているというのはよく聞く話である。
また、外資系では部門担当者が採用に大きな権限を持っているケースが多い。現実には、もっと具体的にどのチームの誰が、新戦力を欲しがっている、というようなレベルである。部門の業績のアップ・ダウンで、人を出したり・入れたりする業界である。「余剰人員」という発想はそもそもない。具体的なニーズがある人だけを採る。会社にとって必要になるかもしれない人材、部門にとって必要になるかもしれない人材よりも自分にとって、少なくとも自分のチームにとって必要な人材を採る。
私はかつて大手日系証券会社で採用活動にも携わっていたのでわかるのだが、日本企業では「将来の幹部候補生にならなくもないなぁ」ということが大事なポイントである。私がいた会社は体育会の風土が比較的根強い会社であったので、人がよさそう、元気そう、人付き合いがよさそう、学生時代にユニークな経験をしているらしい、というイメージで評価をしてきた。元テニス選手の松岡修造のような人をイメージしてもらいたい。別に頭脳明晰でなくてもいい、日経新聞を読んで無くてもいい、大学の成績が悪くてもいいのだ。(松岡選手がそうというわけではない)
部門採用を行っていないケースも多いので、面接担当者が考えることは、「コイツを採用しても、自分にいいことも、悪いこともさほどない」というマインドである。そうであれば、会社の風土にになんとなくマッチしそうだとか、いつになるかわからんがいつか貢献しそうだ、というようなボヤッとした基準で候補者をみる。
外資系と日本企業の面接官が重視するポイントの違いはズバリ1.パフォーマンスが期待されるまでの時間(いつ?)2.パフォーマンスが期待される範囲(誰に?)
セミナーでは、1、2を踏まえたうえで、じゃあ実際どうすれば、どのようにみせれば外資系からオファーを獲得できるか、ということを話していきたい。
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夢の仕事と、最初に選択する仕事の”ベクトルのズレ”に注意
Message-04

私は現在、ニューヨークに位置する某大手法律事務所で渉外弁護士として活動し、週末や来日時を利用して日本在住時代から参画していた外資セミナーのボランティア講師を務めている。最近よく米国のロースクールに在学中の生徒たちと面接をし、さらには自分の人生を振り返ってもふと考えるところがあったので、ここで外資セミナーを通じ就活に励もうという皆さんと、それについてシェアしてみようと思う。 内容はずばり、就職マーケットにおける「自分の流動性」について、である。
「え、弁護士っていう資格まであるのに、立派でステータスもあり、さらには資格という壁にまもられた産業なのではないですか。 なぜよりによって弁護士が流動性など気にするのですか?」という声が皆さんから聞こえてきそうである。 しかし、そこにこそ肝心な疑問が内包されているのだ、と私は思っている。
人とは大抵、将来したい仕事と一番最初に「足をつっこむ」仕事にズレがある。 それは、なにをやりたいのか、すなわち「夢」がまだみつかっていないからかもしれないし、または将来したい仕事のイメージはあるがどうやったらそれに携われるかわからない、という理由から、直接関係のない就職につくことからくるズレかもしれない。 しかしこの「将来したい仕事と最初に足を突っ込む仕事のズレ」のベクトルをまちがうと、その後痛い目にあう場合がある。
例をあげよう。 将来米国のような先進国の大統領になり、立派な政治をして祖国あるいは世界の役にたちたいと思う学生がいるとする。 素晴らしい夢である。 しかし、カネもコネもない彼(または彼女)は、何から始めればよいか分らず、多くの米国人大統領の自伝などをよみ、“なるほど、弁護士出身者が多いんだ”ということで、まずアメリカのロースクールにいくことを決意する。ここまでは大いにありえる展開である。
しかし、ロースクールは法律のトレーニングを受ける場であり、就職するならNPOで人権などを擁護するか、政府のリーガル関係の仕事を担うか、またはローファームで渉外弁護士をするということになる。 せっかくなので学生あこがれのトップクラスの法律事務所にはいり、そこで社会経験と法曹知識を蓄えようと考えるに違いない。 さて、この人の夢と情熱が変わらなかったと仮定して、この人は必ずしも自分の夢にちかづいていない可能性があるのである。
かといって、弁護士であれ、役人であれ、「今の仕事」を目指したわけでもなければ、とくに好きになれないかもしれない。 元はと言えば、将来への掛け橋としてやってみた仕事だからだ。 そうなると、今度は転職を考えるようになる。 その時点に於いて、この人の「夢」と、転職マーケットにおける「流動性(つまりその夢に近づく仕事に転職できるかどうか。そのビジョンに沿った業種で、貴方への需要があるかどうか)」のズレは、大きな問題として明るみになるであろう。
すなわち、外資系トップ・ファーム出身の弁護士として転職するのだが、だからといって他の多くの魅力的な仕事からすれば「うちの産業にかんしては無知識の素人さん」でしかないのである。 ビル・ゲイツでさえ明日からすぐに朝日新聞の新聞配達員をこなせない様に、この弁護士の経歴も(まるで私の事を言っている様であるが)他のやりたい仕事に必ずしもうまく結び付かない場合がある。 20歳のあの時、ロースクールにいくことにした決断を起点とする「自分の流動性のベクトル」が、究極の「夢」や自分の将来の選択肢の幅を実は制限したかもしれないのである。
あの時、何をすべきだったのか。 私は早い段階での「自分の流動性」に対する「マーケットチェック」(*外資セミナー注釈:自分が転職したい方向性に対し、自分が歩みつつキャリアセットに市場価値はあるか、需要はあるか)が肝要であると考える。
友人や親や大学の教授、そして当該外資セミナーを通じて巡り会う数々の経験豊富で尊敬に値する人たちに、「自分はどういう人間なので、これをこういう理由で目指したいです。でも、こういうこともできる立ち位置に居続けたいと思っています。 ロースクール(あるいはMBA留学あるいはPhD留学)は、これらの目標の役にたつでしょうか?」と正直に、そして自分自身が整理・納得できるまでぶつけるのである。
経験者に聞く業界の話と、本でよむノウハウ系の内容は、雲泥の差であることが多いのは諸君も薄々ご承知に違いない。 それは、私が生業とする米国法弁護士稼業でも同じであろう。事実、世界中のトップクラスのロースクールの学生の考えているトップ ローファームの仕事と、我々の立ち向かう実際の業務はあきれるほど違っていることがある。だから、転職率も案外高い。(あえて付け加えると、転職したからといっても、悩みやフラストレーションを抱え続ける人も多い。)
よく年上の人たちは「学生は若いんだから将来の可能性は無限大である」というのが口癖である。 正しいのだが、私が敢えて付け加えたいのは「だからこそ、まさに今しっかり自分の目で調査を怠らず、これからのベクトルを誤らずにしておきなさい。 そして、そのためかく恥は自分の将来の流動性への対価だとおもい、堂々と情熱をもって探求しなさい」ということなのである。
医者も弁護士も(そしてビルゲイツも)、資格や立場でまもられたポジションについたからといって、それが「あなた」自身への最終的満足や成功にいたらないかもしれない。 自分が将来死ぬ時、そのまさに断末魔の瞬間に、「自分はこの資格があるから悔いなく死ねる」とは決して思わないかもしれないのである。
こう考えれば“一時的な失敗”に終わるかもしれない就職活動も、今の重要な「自分の将来的流動性のマーケットチェック」の一環だと思えば、それはなかったより遥かに健全な、自分の今後のベクトル設定に助するプロセスなのである。
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公認会計士としてのキャリア開発
Message-05
私は現在公認会計士として働いています。外資セミナーにはコンサルや投資銀行の前に会計士を目指すべきか、という相談をよせられる方がいらっしゃいますので、
会計士としてのキャリアの実態をお話したいと思います。
まず私が会計士をめざしたのは、金融業界で最強の資格でキャリアの選択肢が広がると思ったからです。前職は金融とは関係のない業界にいたので、絶対に一発合格してキャリア・チェンジしたいという想いから職を辞して、猛勉強をはじめました。会計士試験の特性として、難易度が高いのはもちろん、とにかく試験範囲が広いということがあります。財務会計・管理会計・財務諸表論・税務・監査論・会社法・経営(選択科目)と、計算科目のみならず理論科目も相当勉強しなければなりません。テキストを横一列に並べると、うんざりなぐらいです。これだけの範囲をまんべんなくマスターするには、当然ながらそれ相応の時間確保が必要になってきます。
会計士試験受験者は、専門学校を利用するのが一般的です。講義は毎日あるので、まずカリキュラムに遅れずついて行くのが大変でした。授業はどんどん進んでいくので、その日の内容はその日のうちにマスターしないと、たちまち落ちこぼれてしまうのです。現にクラスの人数は時の経過と共にどんどん減っていきました。試験直前期には、それこそ食べて寝る以外の時間は全て勉強に費やしました。朝の7時から夜の23時まで、テキストや問題集、答練を何度も何度も繰り返しては頭の中を整理するという生活をおくっていました。
中には大学1年の時から受験勉強をしているひと、40近くで始めるひと、2度3度と受け続けている人も多かったですが、私は幸いにして、勉強開始後1年半、1度目の受験で合格できました。短期勉強・一発合格の秘訣としては、、秘訣と言うほどのものでもないのですが、自己規律、そして最後の一秒まで諦めない強い気持ちだと思います。
さて、私はその後大手監査法人に入りました。複数の監査法人を受けたのですが、面接の質問で聞かれることは、あなたの強みは何か、5年後10年後にどんな会計士になっていたいか、などなどでした。今の事務所を選んだ理由は、リクルートで出会った若手スタッフの方たちが一番しっかりとしていて好印象を持ったからです。なお会計士は供給過剰で就職が厳しくなったと世間ではいいますが、それは本当です。例えば新たに入れる新入スタッフ数はここ数年で5割減りましたし、合格者が2年間通う実務補習所でも就職先が決まっていないという方が多くいると聞きました。また、わたしの事務所でも会計士を対象にリストラが実施されました。退職した会計士のキャリアは様々で、証券会社、コンサルをはじめ、会計事務所、独立開業などがあげられます。
会計士になるのに結構な時間とお金を投資することになりますが、私が会計士になってよかったと思うのは、非常に責任の重い仕事である一方で経済社会に貢献しているという実感が持てること、会計は全ての経済活動に通じているので、日々のニュースが仕事に直結していて変化と刺激にあふれていること、そしてお手本にしたくなるような優秀で魅力的な先輩上司がたくさんいるといった点です。
逆にイメージと違ったポイントは資格を取ったからといって仕事が転がってくるわけではないという点です。日本のIPO市場は低迷し、上場企業は減少傾向を辿っています。会計士の仕事を会計監査だけに限定した場合、お客さんは減る一方でどの監査法人も生き残りをかけて必死です。このような環境要因もあって同僚の会計士でもせっかく苦労してなったのに転職する人が結構いますが、その理由はたいてい“監査に飽きた”といったものです。
逆に会計士に向いていて、いつまでもやめず、末永く活躍している上司の特徴は、会計そのものが大好きで、クライアントをより良い会社にしたいという情熱を持っていることです。探究心旺盛でアドバイザリーに興味がある人は会計士が向いていると思います。この業界では、職位が上がれば上がる程クライアントに最善のアドバイスを提示することが求められるのです。
私自身、外資セミナーでキャリア相談を受けたのがきっかけでその後、会員として参画させていただいていますが、外資セミナーではコンサルや投資銀行に入ったあとでの士業への転身、また会計士を経てからのキャリア開発といった観点から皆さんからのキャリア相談にお応えさせて頂ければと思います。
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コンサル・外資金融を目指す日本人の相対的特長
Message-06
こんにちは。私は北米西海岸にある某大学でカリキュラム・キャリアカウンセラーをしております。投資銀行やコンサルティングファームを目指す学生を担当することもあり、来日の際にはこの外資セミナーの講師としてお話させていただくのを楽しみにしております。今回はこちらのコラムで、皆さんの主な競争相手である北米学生と日本の学生の就職準備を比較しながら、皆さんへ応援のメッセージを送りたいと思います。
私が勤務する大学では経済・金融専門の学生は学部ではなく「ビジネススクール」に集約されており、高校の平均成績が90%以上の優秀な学生でも入学が厳しいほどの競争率です。余談ですが、このビジネススクールは当大学にとっても看板スクールであり、予算からスポーツチームまで特別編成で大学から独立しているほど、特に重視されています。大学のバックアップだけでなく、卒業生も奨学金や新校舎の建設等で在校生を常に応援しています。
私自身も北米の大学院に進む前は日本の大学院に在籍し、現在は日本人留学生の相談に乗ることもあります。その経験から、優秀な日本人学生がなかなか評価されないことを歯がゆく思っております。端的に、日本の大学生と北米の大学生の一番の違いはコミュニケーション能力です。と書くと、何度も同じようなことを他でも読んだり聞いたりしたことがあるみなさんは、多少うんざりするかもしれません。それでもやはり指摘しないわけにはいかないほど、北米の学生とのギャップがある事実は無視できません。ここで、3点のギャップについて挙げてみたいと思います。
まず、1点目は言うまでもなく、語学力です。日本で学校教育だけで「使える英語」を身につけるのはかなり困難なことです。英語がネイティブであるというだけで、ほとんどの北米の学生は外資金融、コンサル業界で日本人に比べて圧倒的に優位に立っているのですが、それだけではありません。移民、留学生が半数を占める当校では2,3ヶ国語を流暢に話す学生は全く珍しくなく、それに加えてカリキュラムに12単位の語学履修が義務付けられています。単位取得が厳しい大学では、12単位で生活に全く不自由しない語学力が習得できます。例えば、当校で日本語を12単位履修した学生は、洗練された敬語も問題なく使いこなせていることに驚かされます。
例えば、某多国籍商社の一番勢いのある中国支社で日本を相手にこのようなビジネスをしたい、などの具体的な目標をあげ、語学を決しておろそかにはしていません。日本の大学での第二外国語が身についた学生がどれほどいるでしょうか。語学が目的でなく、自分にとって何のための手段であるかを具体的に言うことができますか。英語をただ「知っている」くらいではスタートから出遅れることでしょう。
第二に、グローバル社会においては多国籍企業内で起こりうるさまざまな文化的摩擦が企業間、社員間で問題になることが多々あります。異文化コミュニケーションは日本の大学のカリキュラムで組み込まれていることがあっても表面的な理論に終始しがちであり、就職前に実践する機会がありません。北米の大学生は理論ばかりでなく、様々な文化背景をもつ教授、学生と接触することで、違いを認識した上でのコミュニケーションを自然に学んでいます。母語の影響による英語のアクセントから文化的な価値観の違いを認識することは、将来のビジネスに直接的にも間接的にも有効です。また、トラブルがあったときの実践的な対処方も学んでいます。
第三に、自分を理解してもらえるプレゼン力です。先にあげた2点について、近年特に増えている中国やインドなど、アジアからの移民、留学生は貪欲です。英語の多少の間違いやアクセントを恥じる様子もなく、自分の言いたいことを言うだけではなく、相手にわかってもらえるまで言い続けます。この遠慮のない様子は時に摩擦を生みますが、2番にあげたコミュニケーション力がつくにしたがって徐々にこなれていくものです。しかし、この言い続ける努力は、遠慮を美徳とする日本人にとっては苦手なものの一つであるようです。日本人学生の中には、語学のレベルによっては、ほとんどあきらめているような態度も見られます。このような態度では自分のコミュニケーション力を高めるチャンスを逃すばかりか、クラスや職場にも貢献していないとみなされてしまいます。北米では、アジア人は「モデル・マイノリティー」とかつて呼ばれたほど、従順、受身、勤勉な態度が評価されていました。しかし現代のファイナンスやコンサルの生き馬の目を抜く現場では、従順な「モデル」であることはほとんど評価されません。
以上の理由で、皆さんに二つアドバイスしたいと思います。まず、時間の許す限り短期でも長期でも、英語圏に限らず一度外国に身を置いてみることをお勧めします。もちろん、TOEIC などの計れる英語力は持っていると思いますが、日本語とは違う言語、思考回路で暮してみることは外資系会社で異なった文化背景の上司、同僚、クライアントと仕事をするうえで必ずプラスになるはずです。
また、就職活動を経て卒業後に一斉就職、というシステムになっていない北米では、卒業した学生がよく就職前に数ヶ月バックパックなどの旅に出たり、ボランティア活動などで海外に行くことが多いです。日本の学生が、学生時代の若い一時期を机の上の英語学習と就職活動に費やしてしまうのは残念なことです。
次に、自分の「プレゼン力」をつけるためにも、ファイナンスやコンサル以外の分野で、自分について語れる何かを見つけていただきたいと思います。それは音楽でも映画でも、アニメやゲーム(実際北米ではこのトピックが人気です)でも何でもかまいません。自分が好きなことについて話すのは何語でもリラックスできて楽しいものです。また、他人の「プレゼン」を受け入れるためにも、教養としての広く浅い知識も時には必要です。小さなことがみなさんのキャリア形成に役に立つかもしれません。
私は今後も大学のキャリアアドバイザー・教育カウンセラーとして、またこの外資セミナーの講師として、皆さんが正しいキャリアを選択し、それぞれの分野で社会貢献されることのお手伝いができればと思っています。随時オンラインでも相談を受け付けておりますが、次回来日時にセミナーでお会いできるのを楽しみにしております。
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業界内レピュテーションの重要性
Message-07
(以下、外資セミナー講師陣の中、過去リーマンブラザーズにお勤めであった講師の方に執筆して頂いております。)
チャプターイレブンの適用を申請した2008年9月15日から数週間後、六本木ヒルズ。今はなき米系投資銀行Lのかつての東京オフィスの会議室で、一人の「優秀な」M&AバンカーXの眼にかつての光はなく、力なく首をもたげ、茫然としていた。その6ヶ月前には、自社とベアスターンズのカンパニープロファイルをつくり、時系列を数カ月ずらした両社の株価チャートを並べ、その二つの線の見事なまでの重なりを、まるで他人事のように眺めて楽しんでいた、その彼の余裕は完全に失われていた。
会議室の面々が皆、そうだったかというとそうではない。なぜなら、ほとんどの者が早々と次の活躍の場を見つけ、ある者はキャリアアップまで果たし、ある者はチームごと、それぞれ別のファームへと引き抜かれることが決まっていたからだ。では、なぜ社内でも切れ者で通っていた「優秀な」彼が茫然となってしまったのだろうか。
一言でいえば、彼は「優秀」ではあるが「嫌われ者」だったのだ。チャプターイレブンを待たずして、その年の夏の間、彼は人知れずオフィスを抜け出し、キャリアアップを狙って転職活動に勤しんだ。生え抜きのバンカーだった彼は、国内系の金融機関、商社、官庁からやってくる転職組を、相手が年配であろうとも、下に見るような発言を日頃から繰り返していた。秘書の女性に対しても同じく(特にストレスを抱えるとひどかった)。その結果、いつしか彼は多くの敵を社内中につくってしまっていた。
そして、人材の流動性が激しいこの業界においては、どの主要ファームにもL出身の人がいたため、彼は多くの敵を社外においてもつくってしまっていたのだった(彼は自分ではそのことにつゆとして気づいていなかったのだ)。
転職をする際に一番大事な一言は、ボスや同僚から「前に君がいたファームから採用選考に参加してきてる人がいるけどこの人知ってるか」という質問に対する答えである。そこで何と答えるかは、結局のところその人を「好き」か「嫌い」かによるところが多い。どれだけ「優秀」であっても、自分が「嫌い」な人を新たに同僚に迎えたいという人は奇特である。
ちょうど彼が転職活動をしていた夏の終わりころ、六本木のPubで各ファームに移籍した元L出身者たちが集いお酒を飲んでいた場で交わされた会話は、「Xがこないだうちのファームの選考に参加してたから、ボスにストロングセルのレコメンドをしておいたよ」「うちの選考にも来てたぞ」「お前のとこの選考にもそのうち来るんじゃないの」といった具合である。
彼の転職活動の結果は言うに及ばず。また、倒産時にロンドンに拠点を置く金融機関Bの投資銀行部門に、Lの複数のチームがほぼそのまま移籍をしたが、そこにもXは招集されなかったのだ。
倒産するまで「AAA」の格付けを受けていたLと同じく、彼は転職活動に失敗するまでは自らが「AAA」だと信じていたはずである。しかし彼は転職マーケットにおいてはBa以下のジャンクとしての評価だったということだ。「外資系は仕事が出来ればなんでも許される」と思われがちだが、チームワーカーであることを強く求めるカルチャーがあることから、この業界における優秀=AAAには、単に業務遂行能力が高いということだけではなく、周囲への気配り、チームワーク、ストレスマネジメントに秀でた人格者であることまでがもともと当然のこととして要求されているということなのだ。
現在彼は、彼が日頃から下に見ていた国内系の金融機関で仕事をしているそうだ。なんとも皮肉である。
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”泥臭い経験”と”ニッチ領域での専門性”が将来の独立に繋がる
Message-08
(以下は、外資系投資銀行から外資系不動産投資ファンドに転進されたセミナー講師陣の方に執筆して頂いております。)
大手外資系証券の投資銀行部門から不動産投資部門に異動、2000年代後半は中・小型ディールの多くを自ら取り仕切る機会にも恵まれました。サブプライム危機以降、上司達が退職してゆく中、焦げ付いた投資の火消しに奔走しました。その後、外資系不動産投資ファンド会社に合流しています。
華々しい成功者のイメージを抱きがちな外資金融ですが、私は外資セミナー参加者の皆さんに
“綺麗なキャリア”だけでは厳しい競争に晒され続ける
という点を伝えたいと思います。特に将来の独立を視野にいれるならば多様な資産、ニッチであり特殊なスキルが必要とされる投資領域へのキャリア形成の有用性をお伝えしたいと思います。
新たな職場に移ってから数か月〜1年と節目節目で古巣の某外資証券を見返すと、大リストラが繰り返されており、ぞっとします。その部門では、リーマンショック後2010年台に入って攻勢に転じると発表していましたが、綺麗ごと通りにはゆかなかったのでしょう。
元投資銀行のマネージャ達は、いまだに夢を忘れられないのでしょう。新規ファンド立ち上げの華々しい話しはあちこちで聞きます。しかしそれらが上手くいった、という話はあまり聞きません。
その中で、
成功している例と言えば、不動産だか不良債権だかプライベートエクイティだか判らない混沌とした資産に投資するマネージャ
です。これまた
機関投資家から富裕層まで混沌とした投資家層から資金を引っ張ってきて、オーダーメイド型のファンドを無理やりこしらえて、何とか運用してゆく…といったスタイル
です。
なんだかデイトレーダーやウェブ・アフィリエイターの世界のようですね。稼いでいるのは参加人数全体の1〜2%程度。90%以上は小遣いも稼げない。
もちろん洗練されたネットワーク(前職やビジネススクール時代の人脈)も大事なのでしょうが、華麗なる人脈が案件に結びついていないマネージャも死屍累々としています。それよりも泥臭い、多少アングラな香りのする、そんな手腕が必要な時代なのかもしれません。
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“Connecting the dot” 〜 最善と思える不確かな道を行け 〜
Message-09
「就職/転職をしたいが5年後、10年後の自分が必ずしもピクチャーできないし、面接でしろ、といわれても困る。」こんなふうに素朴に感じる人は、多いのではないだろうか。 そんな諸君に、「それでも十分に調査し、頭が禿げるくらい悩みこんだあとなら、それでも突き進んでよい。」と思ってもらえるように、以下に一つのケースを紹介したい。 ずばり、ある知り合いの青年(以下「青年A」と呼ぶ)が大手証券会社のトレーダーからM&A専門弁護士に転身した物語である。すべての経緯は、10年を経たない期間のうちに起った話である。
青年Aは小学校時代の作文でこうかいていた:「将来は大統領になって親を楽させたい。」 手前みそな内容だが、いうことがかわいらしいので学校新聞に載ったという光栄な作文だったそうだ。 そんな彼が中学、高校と成人に近づくにつれ外交官をめざしたい、と思うようになった。 それでも霞が関の官僚というものに抵抗を感じた青年Aは、アメリカで多くの政治家、大統領がロースクール出身であることを知り「自分も米国のロースクールを出て、立派な国際弁護士として実力をみにつけたうえで、外交の舞台に上がりたい」と壮大な夢を描くようになる。 この時の青年はまだ15歳だったという。
行動力のある青年Aは、高校を中退し、単身アメリカに渡り現地の公立高校に編入する。 そして必死に勉強して大学にも進み、ジョージタウン大学のロースクールからの合格通知を手にして涙するのであった。 ジョージタウンと言えば、知る人ぞ知る「外交官輩出」で有名な学校であり、その専門の修士課程プログラムも充実しており、ロースクールの生徒にも履修の機会が開かれている。 青年Aが第一志望、いや、「唯一」志望校としてジョージタウンにあこがれたのは当然だった。
しかし、Aはすぐに悲しい現実を目の当たりにする。 生活苦にくるしむ実家にはもう授業料をはらえず、Aにローンを出したがる銀行も皆無だったのである。 Aはさっそく東京で就職活動中の実兄に電話をし、こう切り出した「(ロースクールの受験資格を失う)4年以内に、授業料と生活費の合計2千5百万ためなきゃいけない。」すると実兄はゴールドマンサックスやソロモンスミスバーニー(当時)に就職して働くしかないと助言したのであった。
株と債券の意味も区別もできない青年Aは、このとき20歳であった。 しかし、ドットコムバブルの勢いがのこっていたトップ外資系証券会社の1社が、Aの若さとバイリンガルの素養をかって株式セールス・トレーダーのポジションで採用するのであった。
「4年間で2千5百万」という制限しか頭にないAは、がむしゃらにこのトレーダーの仕事をこなす。 「この仕事は好きだ」だの、「やりがいがある」などといっていられない。 彼にとっては、この朝6時に起きて出社し、8時には顧客に電話をしてトレードの発注を受け付け、夜には接待をするこの仕事が、生きるため、そしてこれまでやってきたことを無駄にしないための、つき進むしかない唯一の道だったのである。
このようにして青年Aは、アメリカの大学の必須単位を取得したものの卒業式にもでないまま、最大手外資系証券の株式セールスのプロとして、活動を始めるのであった。 予想をはるかに超える苦労がまちうけているとは知る由もないままに、である。
顧客の売買注文を執行する際にはマニュアルミスを犯し客に迷惑をかけ、会社には損失補てんというかたちで何千万円にものぼる損害をあたえるという事件が度重なった。顧客には「あの帰国子女の若い子を担当からはずしてくれ」と上司に苦情が入ることも数回あり、社内からですら、精神論や「営業やトレードとはなんぞや」というゴタクをからめた説教が青年Aを疲れさせた。 20歳そこそこのAには、イガミとして聞こえるものもおおかった。
しかし、青年Aにとって一番堪えたのは、その仕事自体に興味も情熱も最初から感じていないとはっきり自覚していたことだった。最初からしたくもない仕事で、他人と同じ土俵にたち、比較されたり、批判されること自体に自尊心がきづついた。 しかし、悩みに悩んだあげく、青年はそれでもこう自分にいいきかせる:「僕にはこの道しかないし、前にすすむしかないんだ。かならず4年でお金をため、米国でロースクールをでなくては。」
すべての現実を受け入れる覚悟をきめたAは、目の前の仕事に果敢に立ち向かいはじめた。 将来立派な政治家や国際弁護士になるために株のセールスをすることがどんなに遠回りにみえても、一歩前にすすむためにはその道しかないと「まず受け入れる」ことからはじめた。 そして、担当している顧客のうち比較的年齢の近い若手の顧客を接待にさそい、すこしづつ人間関係を築いた上で取引を増やしていった。それに自信をつけ、だんだん年配の顧客や、厳格でやり手と名高い大手の顧客にも地道な訪問営業や、雰囲気によっては夕食の接待もするようになった。 トレードにつきもののマニュアルミスを犯した場合には、それがたとえほかの社員の間違いであったとしても、顧客が大事であれば客先で土下座までしたのであった。 トップ外資系証券の一員がここまですることは、今も昔も前例がなかった。
社内での仕事も「がむしゃら」に打ち込み、社内と顧客の見方がすこしづつではあるが着実に変わるようになっていった。証券マンをやって2年目が終わろうとするころ、Aは社内のチームでトップ3にはいる収益をうみだし、顧客がつけるブローカーランキングでも国内運用会社として運用資産高トップの某投資信託会社から堂々「1位」を獲得するようになる。
そこで、競合他社にうつっていた元上司から連絡がはいる:「うちに移籍するなら、いまお前のもらっているボーナスの2倍を約束する。」 会社とチームに愛着をもち、自分を高く評価してくれる人たちにかこまれて仕事するのがここちよかったA。 それでも、ロースクールの夢をすててはいなかった。 あくまで「4年で2千五百万円の貯金」をすることをめざしていたAは、2日がかりで必死にひきとめようとしてくれた周りに対し感謝と謙遜の大涙をこぼしながら、他社への移籍を実行するのであった。
Aは移籍後2年間順調に成績を上げ、紆余曲折を経て文字通り留学資金を用意し、予定通りロースクールに入学する。 久しぶりに戻った米国の、しかもロースクールという環境でも必死に3年間勉強し、ニューヨークに本社をおくトップ・ローファームでM&A弁護士として米国・アジアでのあらゆる取引をあつかうようになるのであった。
Aの証券会社時代の経験は、不思議な形で「弁護士としてのA」の付加価値をたかめるようになる。 金融機関である顧客が資金調達をする際、法定開示のため目論見書の準備やアドバイスをする際、証券会社でお金をかせぐ立場にあったAは、ほかのどの弁護士よりもその中身とニュアンスと顧客の立場を理解した。 多くの弁護士が、どんな質問をされてもヘッジだらけの「長たらしい」アドバイスを電話やメールで提供し、顧客を辟易させるなか、元営業マンのAはわかりやすく、有用で且つQualityをおとさない形で助言ができ、ローファームのパートナーや顧客から非常に高い評判を得た。
Private Equity関連のM&Aディールを執行する際は、PEに転職をした証券会社時代の元同僚と連絡をとり、より業界知識や顧客の立場につき理解を深めた上で仕事に望むことができ、社内での情報共有にも役だった。 そしてなによりも、弁護士の仕事で苦労や挫折があったとき、証券時代の苦労を思い返し、「さらに良い仕事によって周囲を見返そう」と、短期間のうちに立ち直ることができた。
Apple創業者Steve Jobsはスタンフォード大学の卒業式でのスピーチで次のような名台詞を述べている:「点と点は将来を見通そうとするときにはつながらなくても、後で振り返ってみると完璧につながっているものである。だからこそ、時には勇気を振り絞って最善と思える不確かな道を進まなくてはいけないときがある。」
大学を卒業してすぐに外資系証券で株の営業をはじめたAにとって、「点」は一切つながらず、そのことに恐怖さえ覚えた。 しかし今弁護士のAがそれらの経験を振り返ったとき、すべての「点」が、あたかもすべてをお見通しの神が運命の線をひいていたかのように、必然とすら思える形でつながるのである。
現在就職・転職活動中の諸君にとっても、将来5年、10年がはっきり描けなくてもあまりそれ自体に悩まないでほしい。 十分なる調査・検討をした上での「最善と思える不確かな道」は、勇気をもって踏み出すべきである。 本コラムの著者である、Aが現在もニューヨークでそうしているように。
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執筆者プロフィール
外資セミナー講師陣
外資系戦略コンサルティングファーム、外資系投資銀行、株式調査部、資産運用、プライベートエクイティ、企業金融弁護士等からなる外資セミナーボランティア・講師陣。
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